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「積極的にハミ出せる思考がほしい」亀田哲矢・市橋佑弥(株式会社LITALICO)

Forkwell ロボと一緒に映る市橋さん(写真左)・亀田さん(写真右)

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昔は、よくわからないPCが放置されていました。

――後編では、御社・LITALICOさんのエンジニアリング部門について伺います。現在、どういった構成になっているのでしょうか?

市橋佑弥(以下、市橋) 現状では亀田の部門がインターネット部門としてWebサービスの開発を行ない、僕の部門が社内向けのいわゆる情シスを担当しています。店舗事業で使用する業務システム開発が主で、そこで部門が分かれています。人員は、両方とも(業務委託をあわせ)14、5人というところですね。

――最初は亀田さん一人でスタートされたということですが、現在の編成になるまでどのような変遷を経たのですか?

亀田哲矢(以下、亀田)  最初の2年ほどは僕1人でなんとかやっていたのですが、それでは厳しいので2014年にエンジニアが2人入りまして、そこで「LITALICOワンダー」などのプログラミング塾を立ち上げました。2015年にはインターネット系の事業立ち上げがあり、力を入れてエンジニアを採用していこう、という流れになりました。2015年〜16年で8名ぐらい入社し、2017年には市橋さんが入社しましたね。

市橋 入社したタイミングでは8人ぐらいで、そこで「LITALICO発達ナビ」をやろうということになったんですね。プロダクト系はそこから8人増えて、それに合わせてサービスも増えました。

当初は社内のシステム環境がほとんど整備されていず、使用者がよくわからないパソコンが放置されていたり。そういう状況を変えようと、情シスのほうに人員を増強したり、最低限のIT環境を整えることを進めたりしましたね。

もともとあったシステムもかなり大きなものであり、リスクもあったので「やりたいこともたくさんあるし、刷新しましょう」と提案しました。その過程で中途から何人も入社し、現在の開発メンバーは7人ほど。業務委託でプロジェクト単位で参加してくれているメンバーもいるので計15、16人ほどになっています。

亀田のほうは新卒で入ったエンジニア中心で、彼らを育成しつつサービスも増やすという形を取っています。一方、僕のところは中途入社組が中心で、キャリアを持っている人たちを引っこ抜いて、より専門的な知識を有する開発するという役回りですね。

面倒臭いことを、ちゃんとやりきる力がつきます。

――エンジニアの組織づくりにおいて、大変だった部分はありますか?

亀田 そうですね、組織の出来方が全く違うので苦労した部分も違いますね。

市橋 亀田のところは、会社としての事業と沿ってきた部署であり、ゼロから新卒を採用し、育てて飛び立たせる面で苦労はすごくあったと思います。

亀田 もともと当時は予算がなくて人が取れなかったこともあり、「だから僕がやってみよう」となったんです。「新卒をガンガン取ってきて育てよう」という会社全体の方針もありました。「わからないけど、なんとか作ってみよう」という大学生のスタートアップみたいなノリでしたね(笑)。

やっぱり、最初からうまくは作れないです(苦笑)。一通り、あらゆる失敗を経験しました。当時はかなり辛かったんですけど、会社に見守られながら試行錯誤を繰り返せたのは、今となってはキャリアとしてすごく貴重でしたね。

現在はサービスも多くなってきたので、マネジメントできる人材をどう育てるかが課題です。そもそも、市場に新規事業やプロダクトを見られる人ってなかなかいないですし、高い年収を提示するのも難しい。となると、育てるしかないんですよね。

現在はやっと1、2人(マネジメントを)任せられる人材が出てきたかなという印象です。ただ、部門が50人に増えた時にどうなるか心もとないので、引き続き育成は進めていきます。

――なるほど。

亀田 あと、業界や会社的にも特殊な部分があります。インターネットだけの文化ではなく、もともと店舗中心の事業展開でしたから。これまでの経験をアンラーニングし、先生方・事業所の方々が使いやすいものをどう作るか、一緒にやっていけるか。そこは、割と特殊なスキルである気もしています。そこは悩んで考えつつ、発信し、仲間を集めていこうというフェーズですね。

――となると、貴社にいてどのような専門性が身につくのかという部分については模索中の部分もあるのですね? 

亀田 そうですね。弊社に入って市場価値の高いスキルが身につくか、キャリアアップができるか。ここ1年考えているところです。

弊社にいた若い子達が起業したり、他社に行ってより高い年収を得るケースは出ています。やっていることに間違いはないと思うのですが、「どんなスキルが身につくのか?」と言われると難しいですね。

転職していった子たちも、新規事業立ち上げや、既存事業の複雑な論点を整理したりといった部分で重宝されていると聞きます。持っている技術だけでなく新しい技術を導入して解決に導くか、エンジニア以外の人も巻き込んで手足を動かせるか。面倒臭いこともやりきれるか。弊社では、そういう力が身につくと思います。

――なるほど。現状を包み隠さず話していただくことで「どういう人に来て欲しいか」はより解像度高く伝わると思います。

亀田 エンジニアリング技術の結果として、スケールしているサービスがあるわけではないですから。webとかアプリとか複雑なものよりも、「どうやったらちゃんと使ってもらえるか」「少ない人数でも、どうシェアを取りに行けるか」が重要です。次のフェーズでは、サービスをどう大きくするかという部分で技術にフォーカスできればと思います。

市橋 情シス部門でいうと、昔からいるメンバーが割合としては多いですね。彼らは他社で情シスを担当したり、ネットワーク系のSIにいたという経歴の人が多いです。

開発部門は少し毛色が違って、昔からいる人だけでなく、僕が入社して以降に連れてきた人も多くいます。昔からいる人はゴリゴリのSIで開発経験を積んだり、トップの思想に共鳴して入社を決めたり、あるいはご自身が支援施設に通われた経験からLITALICOを知ったというケースもあり、様々ですね。

ただ、優れた人はなかなかマーケットに出ないので、スキルを積んで経験を持ち、かつ社会課題に向き合いたいという人をリファラルで連れてくるケースが多くなってはいますが。出身は様々で、大手インターネット企業でscalaを使ってチャットの基盤を構築した人とか、介護福祉系の業務システムベンダーにお勤めだった人とか、あるいは法律に絡む事業なので法律対応を一手に担っていた人を連れてきたり。いろいろなケースがあります。

LITALICO亀田様

役割に閉じちゃう人だと、困ります。

――今後、こういう人材に入社してほしいという理想像はありますか?

亀田 次のフェーズでどんな人が必要かというと、マネジメントできて技術に造詣が深い人、組織をまとめたり見直したりできる人ですね。求めるレベルが高くなってしまいますが、そういう人がいると多くのものが作れたり、問題解決できるんじゃないかと思います。

弊社のエンジニアの特徴としては「広く・中くらいに深く」というスキルセットを持ち、問題解決のためには何でもする人が多いと思います。特定のスキルに対してこだわりはなくて、作りたいサービスや向かっているビジョンに対しどういう技術がふさわしいか、どう使うべきか、どう変えていくべきか、にフォーカスしているエンジニアが多いと思います。

やはり、新規事業なのでそういう視点を持たないと厳しいと思うんですね。役割の幅を超えて必要なら自分で営業しに行く、外に話を聞きに行く、製品を考える、デザインまで担当する、CSが困っていればポジションを整える、そういう人が多いです。ディレクターという職種もないので。

市橋 僕の部門でも、基本的な考え方は同じですね。ベンチャーですし、先を目指せる会社です。役割に閉じちゃう人だと困ります。いま自分が必要とされている働きを見極めて動ける、はみ出てもボールを落とさない人がベースです。

技術は、結局手段なので。課題解決のために必要な選択を取捨選択できる人が良いんじゃないかと思います。現在の新規案件も、結果的にマイクロサービスになっていったり、インフラがコンテナベースになっていったり、SPAでどんどん作られたりしていますが、たまたま必要なものが新しい技術だったということです。ハマるのがCOBOLだったら、COBOLを使う必要があるかもしれません。

――逆に、御社が今後入社する人材に対して提供できるものはどういうものがありますか?

市橋 解決策を考える際の幅を多く与えたりはしますよね。「これを、これこれこういうふうにやってくれ」という降り方はしないです。そういう意味で、自由度の高い環境ではあります。それが好きな人も、嫌いな人もいると思います。

亀田 「これが学べるから来たいです」という人は採らないですが、できる限り自由な働き方ややりたい言語、触りたいことができるよう配属する努力はすごくやりますね。

市橋 実現できるかは別として、個人の意向を尊重します。

亀田 弊社のビジョンは変わらないので、実際に(採用面接で)話すときは「ウチではこういうポジションで、こういうことができますよ」と言います。が、それが変わっても好きで働きたい、頑張りたいと思ってもらえるのが一番ですね。

――伺っていると、エンジニアであってもビジネスを回していく力がつく環境なのですね。

市橋 それはあると思います。結局、ビジョンを達成するために必要なことは何でもやる、ということですね。

亀田 弊社では、エンジニアに売上目標を与えたりもしています。営業が売りにいくか、エンジニアがサービスを大きくするかで、後者が売上や利益に寄与すると判断すれば任せることも。単価やコストなどビジネス感覚は身につきやすいのだろうな、と思います。

――ありがとうございます。最後に、次回のインタビュイーである市橋さんのご紹介をいただけますでしょうか?

市橋 次回は、より僕自身にフォーカスされるんですね(苦笑)。

亀田 僕から見ると「何でも知っている人」ですね。困ったら、市橋さん。Conobie(コノビー)というサイトを事業譲渡するんですが、自分は事業譲渡の経験がないんですね。でも市橋さんは経験があるので、そういうことも伺ったり。全社のセキュリティ監査も普通の人は知らなかったりしますが、市橋さんなら知っていたり。経営上必要なあらゆることを経験した人だと思いますね。経験値がまるで違う。

市橋 まあ、やってないこともありますけどね。知っている風をよそおって、わからないことはもちろんちゃんと勉強します(笑)

――次回は、市橋さんのインタビューをお送りします。本日はありがとうございました!

<了>

ライター:澤山大輔


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