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教授の大反対を押し切って、大学院からベンチャーに。神田彩美(イジゲン株式会社)~Forkwellエンジニア成分研究所

飛び込んでスタートした、謎の同棲生活

――本連載でイジゲンさんは初めての会社さんです、簡単に御社について説明をいただければ幸いです。

神田 弊社イジゲン株式会社(以下「イジゲン」)は大分県大分市に本社を構えるITベンチャー企業です。FinTech事業を基盤とした自社サービス「always(オールウェイズ)」というサブスクリプション(定額制)サービスのプラットフォームを開発・運営しております。また、イジゲンBUILD株式会社とイジゲンVOYAGER株式会社という2つの子会社を持っています。イジゲンBUILD株式会社はWebシステム/モバイル・アプリケーションの受託開発事業を行っています。イジゲンVOYAGER株式会社はベトナムのホーチミンに拠点を置く開発ラボです。

――今何人ぐらいの会社なんですか?

神田 グループ全体では、約50名ほどの会社です。わたしの働いているイジゲンでは、アルバイトやインターン生含めると約20名です。

――今大分本社にお勤めなんですね。神田さんは、どういったお仕事をされているんですか?

神田 alwaysというサービスの開発に、エンジニアとして携わっています。エンジニアとして新人ではありますが、主にバックエンドをやっています。

――大学院を休学され、イジゲンさんに入社されたんですね。

神田 そうです。最初から説明しますと、大学院1年の夏に長崎大学からインターン先を探していて、「面白い会社がある」ということでイジゲンに応募しました。それで、夏休みのタイミングで大分に来て。夏休みが終わるタイミングで長崎に帰ろうと思っていたんですが、もうちょっとサービス開発をやりたいと思って9月から休学しました。
 
――2018年の後期から休学中ということなんですね。Wantedlyに「住む家を決めてなかった問題」「休学したい私と、休学してほしくない教授の争い」「謎の同棲生活」となかなか興味深い記述がありますが(笑)。住む家を決めてなかったんですね。

神田 そうなんです。夏休みは2カ月ぐらいだったんですけど、あまり考えずに来てしまって。「ゲストハウスを転々と泊まれれば良いか」ぐらいに考えてたんですけど、弊社の社長から「良ければ社宅を貸すよ」と言われて、社宅に住まわせてもらって。3LDKの大きな部屋を借りているんですけど、そこに当時住んでいたのが男性のエンジニアさんだったんです。そこにいきなり一緒に住むことになって、それが謎の同棲生活の始まりですね。

――男性エンジニアが住んでいるところに、いきなり入れと。

神田 こっちもそんなに気にはしてなかったんですけど。

――3LDKでちゃんと部屋が分かれていてという感じなんですか?

神田 そうですね。リビングだけ共有でした。

――それもすごい話ですけね。

神田 自分としては「普通かな」と思ってたんですけど、人に話すと驚かれますね。

――今のご時世だと、特に東京の会社だとまあまあ問題になりそうです(苦笑)。

神田 本当ですか、そんなものなんですね。

――同棲生活で面白いエピソードはありますか?

神田 すごい面白いというものはないですけど、みんなからすごくいじられましたね。「一緒に住んでるんだよね」とか「ただいま/おかえりとかどうしてるの」とか「一緒に会社来ないの」とか。出勤時間が自由だったので、結構バラバラの出勤でした。

大学院休学をめぐって、教授と8時間の議論

――そして、「休学したい私と、休学してほしくない教授の争い」とは。

神田 最初は、インターンは夏休みの間だけで大学に帰る前提でした。それが「休学する」となったので引き止められました。大学院の教授はベンチャー企業に対してちょっと慎重なところがあって、「就職も大企業が良い」という感じで。なので休学すると言った時とても心配されて、「そもそも大学院卒業した方が初任給が上だよ。」とか、すごく色々言われましたね、「後期休学して、社員契約したら戻って来ないんじゃないの?」とか。それで8時間ぐらい教授と議論になってしまって。

――8時間も議論したんですか!

神田 そうですね、15時から23時ぐらいまで。いろんな教授と立ち替わり入れ替わり、「教務担当と話してきなさい」とか「コース長のところに行ってきなさい」とか「あの先生にアポとってきなさい」とか。そういうの込み込みで、そのぐらいまでなってしまって。

――神田さんがよっぽど期待されていたということですよね。

神田 どうなんですかね。その時にやっていた研究は、教授も気合いが入ってたので。

――結局どうやって押し切ったんですか?

神田 最終的に「研究とインターンどっちが今やりたいの、どっちが大事なの?」
と言われた時に「インターンを続けたいです」と伝えました。もう、ゴリ押しですね。

――8時間も説得してこれならしょうがないと。別に大学辞めるわけではないしみたいな。

神田 そうですね。その時は大学院を辞める気はなかったんですが、休学期間が終わる直前の3月に長崎に帰って、休学を延長せず退学届を出しました。

――楽しくなっちゃいますよね。どうやったって。

神田 そうですよね。

――人生を変えるぐらい面白いと思った部分って、どのあたりにあったんですか?

神田 自社サービスを企画して、アプリケーションを作ってユーザーに使ってもらうというところまで初めて経験できたことですね。すごく面白いなと思って。大学で研究だけしていても、誰かの役に立っているのか見えづらい部分があって。でも実際に企業でプロダクトを作って、実際に使っているユーザーが見えて、反応があって、修正して、という経験はとても新鮮で面白かったんです。

――すごくわかります。長崎大学・大学院では、どういうことを勉強されていたんですか?

神田 大学では工学部・情報工学コースにいたので、数学であったりネットワークの基礎やその仕組みなどが主でしたね。実務で使うことというよりかは、基礎の知識を勉強しました。大学の研究では機械学習をやっていました。いわゆるAI、ディープラーニングとかなんですけど、そこでは結構流行っているといいますか、ホットな技術を勉強できたかな思います。

――最先端のことを大学院で勉強されていたんですね。

神田 そうですね。大学院は半年ぐらいしか行ってないですけど。

――それは、教授が離したくなくなるはずですね。「大学院に残った方が良かったな」ということはありましたか?

神田 やはり、機械学習の知識、数学の基本的な考え方は半年学んだ中でもすごく勉強になりましたね。

――でも、そこの迷いは振り切ったと?

神田 そうですね。大学院って、社会人になっても戻れるっちゃ戻れるじゃないですか。だから、実務というか、実際のサービスを自分でやってみて、そこで出てきた問題を機械学習で解決できたら良いなと思って。そういうことをせずに大学院で機械学習をやってても正直そんなに問題意識を持てないですから。社会人を1回経験するのは大事かなと思ったのでそっちに振り切りました。

まずは一人前のエンジニアになりたい

――今後こういうエンジニアになりたい、というビジョンはありますか?

神田 正直今は知らないことだらけですから。先輩の言ってることもわからないことだらけなので、まずは同じコンテクストで会話できるようになりたいです。だから、まずは一人前になりたいと思って。1人でサービスを作れたり、アプリケーションを1人で作れるようになりたいと思っていますね。

――業務を行なう上で、大事にしているモットーや好きな言葉があれば教えてください。

神田 エンジニアとして早く成長したいと思っているので、人よりも時間的にも量的にも圧倒的に頑張ることを意識しています。エンジニアって、他の職種と比べると技術がないと仕事できないじゃないですか。力をつけないと仕事にならないので、圧倒的に量と時間をかけて勉強するのが今意識していることですね。

朝10時ぐらいに出社して、19時ぐらいに業務終了するんですけど、そこからが勉強の時間です。24時過ぎまで、日によっては27時になる場合もあります。会社から自宅まで、自転車で5分ほどなので。

――技術の勉強に、どっぷり浸かれる環境なんですね。

神田 そうですね。すごく良い環境ですね。他の社員から「いつ家帰ってるの?」と結構言われますけど。

――間違いなく、めちゃくちゃ伸びますね。ちなみに、今はどんな勉強をされてるんですか?

神田 現在はサーバーサイドをJavaで実装するために、デザインパターンや様々なアーキテクチャについて勉強しています。また、フロントエンド側ではVue.jsに取り組んでいます。

――その他気になるポイントでは、Wantedlyのスキル特技欄に「チュッパチャップス」って書いてあるんですけどなんでですか?

神田 チュッパチャップスがめっちゃ好きなんです(笑)。Wantedlyのアイコンにもあるんですが、オフィスを移転したお祝いにチュッパチャップスタワーをいただいたんです。これが目の前にいつもあるんですけど、幸せですね。

――良いですね。今のエピソードからも、良い会社さんだなと思います。

神田 普段からすごく仲が良いと思います。

人に言われて選ぶと、その人のせいにしてしまう

――ここからは、神田さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

・専門性向上 6

エンジニアとしてはこれが一番大事だと思っているので、専門性がないどうしようもないかなと思っています。

――エンジニアは「技術はないけどそれ以外でカバー」という職業じゃないですもんね。

神田 そうですね。技術がないと、何もできないので。特に大分だとそんなにエンジニアがいるわけではなく常に不足しているので、できるだけ早く力をつけたいです。

・仲間 6

すごく素敵な方々に恵まれていると思っています。各々がサービスを成功させようとしていて、みんなで同じ方向を向いていてやりやすいなと思うし、自分も気持ちが上がるし、楽しくやれています。
 
――サービスに対する思いが強いんですね。仕事に対してみんなが真剣ということですよね?

神田 そうですね。みんなが同じ思いで。

・お金 2

最低限あればいいかなと思ってて。お金って自分ができる技術だったり、作ったものに対して支払われるものだと思ってます。今はまだ技術を身に着けている段階ですし、そんなに欲もないので。とりあえず今は勉強と仕事に振り切っているので、遊びで使うこともないので。

・事業内容:3

大事には思っているんですけど、何をやるかですね。全部6にしたいんですけど、他と比べたら低めですね。

・働き方自由度 2

こちらも、そんなに重視はしていないですね。自由度というと他の会社に行ったことがないというのもあるんですけど。

――実際、会社と自宅を往復する生活ですから、そもそも自由が少ないと。

神田 そうですね。ただ、他の大企業さんだと「早く帰れ」とか言われますから。そういう部分でちょっと自由度はあるかなと思います。プライベートに時間をとることにこだわりがあるわけでもないですし。

・会社愛 1

人数が少ないベンチャーだし会社のビジョンもすごい好きなんですけど、それを一緒にやっている仲間の方が(好きです)。会社でやっているというよりは仲間、人とやっている感覚が強いですね。

――最後に、キャリアに迷っているエンジニアの方に向けてメッセージをいただけますでしょうか?

神田 自分が大学院を休学しているのもあり、とりあえず「悩んだらやってみたほうがいい」とすごく思ってます。教授に何か言われても振り切って、やりたいことをやる。それで後悔はしないと思うし、人に言われて選ぶとその人のせいにしてしまうと思うので。

――迷う時点で、どちらにも良い面がおそらくあるんですよね。

神田 そうですよね。

――最後エイヤで決めてしまって、選択肢を正解にするしかない、みたいな。

神田 そういうもんですよね。なんだかんだ、自分の責任になるように生きるのが良いかなと思います。

<了>

ライター:澤山大輔


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