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「技術はツール。だけど、ツールへの愛もほしい」市橋佑弥(株式会社LITALICO)後編~Forkwellリレーインタビュー

インフラのスペシャリストとして数々のビッグプロジェクトを手がけ、社会貢献に取り組んできたLITALICO社の市橋佑弥さん。前編では、障害福祉の分野に身を投じた理由について伺いました。後編では、より個人的な哲学についてフォーカスしています。さっそくご覧ください。

対人マネジメントは変わりましたね、「別人か?」ってぐらい

――入社前後で、ギャップを感じる事はありましたか?

市橋 そうですね、イメージ以上のギャップはあったかもしれません。

これまで「ザ・IT企業」みたいなところにいて、通信系とかインフラ系ってエンジニア以外の人もインターネット技術への知見が一定量ありましたが、LITALICOにはまったく違うタイプの人もたくさんいて。考え方もコミュニケーションのスタイルもすごく変わりましたね。

でも、いろいろな考え方に触れられるのは学びになりますよ。結構、IT業界の人たちってロジックで考える人が多いじゃないですか。そういう感じとは、だいぶ反対の路線にあるので。

――どちらかというと、エモーショナルというか。

市橋 そうですね。ロジカルな思考も当然しますけど、そうじゃない部分も大切にしている人が多いですね。特に店舗事業の人たちは対面支援なのでロジカルだけでは対応できません。一方僕らは日々システムに向き合っているのでロジカルに寄りがちです。

――入社されて2年2カ月ほど経ちましたが、ご自身の中で良い意味で変わったところはありますか?

市橋 スタッフへの接し方、対人マネジメントはレベルアップした実感があります。以前の僕を知っている人からすると「別人か?」ってくらい(笑)違うと思いますね。怒る事は減りました。

――今の様子からは、あまり想像できないですね。

市橋 年齢を重ねたゆえとか、この会社に入ったからという部分もあると思うんですけど。一人一人のマネジメントに対して、頭も時間もパワーも使うようになりました。そういうマインドセットになったというか。昔は、「徒弟制度」って言われていましたから。

――習うより慣れろ系の。

市橋 部下はビクビクしてましたね、職人の世界みたいで。仕事のフィードバックも、ぜんぜん丁寧にはしませんでしたからね。自分のエンジニア人生で、上司から何かを教えてもらった経験はないんですよね。

――やって覚えろみたいな。

市橋 それもありますし、僕の所は特にひどかったみたいで(笑)仕事のフィードバックなんて「カッコ良い」「カッコ悪い」しかなかったです。そう考えると、LITALICOに入ってからは、フィードバックを丁寧にするようになりました。

――良い選択をされた、という事なんでしょうね。今後、こういう変化を起こしていこう、という目標はありますか?

市橋 短期的には業界全体を活性化して、自分たちだけでなく全体のサービス品質を上げていくプラットフォーム事業に注力したいです。

障害福祉の分野にちゃんとITを活用させ、多くの支援が必要な人たちに届けられるように。店舗事業だけだと、届けられる範囲が限られます。ITが活用できればあらゆる範囲に届けられますし、障害そのものを技術でクリアできる領域もあります。

あとは、ちゃんと福祉を科学したいですね。特に対面の支援とかって属人性が高いですし、職人の世界に近いものがあって。知見をちゃんと形式知化できているかっていうと難しい。科学的に「どういう人に、どういう支援をすると、どういう効果があるか」っていうのはちゃんと成立させたいです。

型を知っているからこそ、型を破れる

――働くうえで大事にしていることはありますか?

市橋 根本的には、他の人をちゃんとリスペクトできる人と働きたいですね。どんな人でも、自分より優れている所は必ずあると思っています。エンジニア同士でも若い子でも、誰でもそう。具体的な仕事の話で言うと、「型破り」であることですね。型なしではなく、守破離みたいな。

――まず守があってこそ。

市橋 ちゃんと型を知っているからこそ、型を破れる。そこを押さえないでやるのは、型なし。ちゃんとスタンダードは押さえて学ぶ。そのまま適用できることなんか無いんですよ。今だとアジャイルだとかスクラムとかの手法原理主義的な人もいますけど、型に拘り過ぎだなと。開発プロセスに絶対の正解はないので、型を知った上でカスタマイズできることが大事ですね。

――ありがとうございます。次は、ご自身の成長の為に日々行なっている事を教えてください。

市橋 だいぶ仕事が忙しいので、いかにインプットをするかですね。自分が手を動かす事はだいぶ無くなっているものの、技術的なインプットは日々ちゃんとサーチしたり、気になる所はどうにか時間を作って新しいものを触ったり、論文をチェックしたりしています。あとはこういう事業をやっているので、そもそも障害に関する事とか支援に関する事は日々勉強しています。

――インプットは、どういうシチュエーションでやっているんですか?

市橋 もう、細切れ時間ですね。ニュースでもこことここは必ずチェックして、通知されるようにしたり。気になるテーマは繋がりのある人から根掘り葉掘り聞いたり。あとは、他の会社を手伝うとかですね。

――副業OKなんですね。

市橋 副業OKです。当社のエンジニアではやっているメンバーがとても多いですね。私は技術顧問をしていて、AIの会社なんかもやっているので、AIに関するインプットや生の研究開発している人の情報を得られます。介護のITスタートアップに、CTO支援的なこともしています。人の所のコンサルをやっていると、学びになる事が多いですね。

ビジョンに対する共感がないと、つらいと思います

――市橋さんが「良い仕事したな」って思う瞬間は、どういう時ですか?

市橋 良い仕事をした……難しいですね。基本的にはユーザー志向が強いので、ユーザーにとって本当に意味のあるものが作れ、ちゃんと届き、フィードバックがある時ですかね。エンジニアやっているとなかなか難しいですけど、現場支援の人たちは四六時中そうだと思います。社内ITだと、ユーザーって社内の人たちですし。気持ちいいのは、何か課題があってその解決策を考えた時に、全く違う考え方で華麗にクリアした時ですね。

――あー、気持ちいいですね。

市橋 そういうのが気持ちいいタイプです。というか、エンジニアに凄く必要な素養と思っています。別の観点から発想できるか、解決できるか。本質的な課題が何かを捉え、別の角度から解決できるか、そういう力と引き出しを持っているのか。そういう事の連続なので、開発は。

――わかりました、ありがとうございます。最後に「こういう人と一緒に働き、こういうことを成し遂げていきたい」という思いを伺えますでしょうか。

市橋 何点かありますが、僕らが向かっているビジョンに対する共感は、程度は問わないですがマストだなと思います。そうでないと、一緒に働くのがつらくなると思います。

真剣にディスカッションできる人が良いですね。エンジニアリングにしか興味がない人もいっぱいいるとは思いますし、それは悪くないんですけど、弊社のビジョンに興味がないとこの会社ではつらいと思います。他人へのリスペクトがベースにあったうえで、バチバチにディスカッションしあえたらいいですね。

――あらゆる職種に言える事ですね。

市橋 あとは、技術が好きなのはもちろんなんですけど、技術はあくまで目的を達成するためのツールと考えている人がよいですね。だけど、ツールに対しての愛もほしい。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、愛がないと引き出しを増やす事ができないと思います。

――なるほど、技術に対してある程度の達成をしたうえで、自分の情熱が向かう先はどこなのか理解している人。割と、経験を積んだ人の方が来やすいんでしょうか?

市橋 いや、両方あると思いますね。ある程度経験を積んだ人も、新卒でも。うちも新卒のエンジニアが多いですし。先に「何のためにこの技術を学んで使うのか」というものがあって、セットされていれば全然オッケーです。若い子からシニア層まで、偏らずいいバランスがほしいですね。

――ありがとうございます。最後に、次のインタビューの対象者である根岸正彦さんについてご紹介いただければ。

市橋 すごく誠実にコミュニケーションを取る人ですね。もともと彼はWebサービスをずっとやってきているのですけど、必ずしも「Webをやりたいんだ」ではなくて「ビジョンをどう達成するかだ」という方向に向かっています。

今は外販の業務システムを作る所に入って一緒に働いているのですけど、すごく優秀です。エンジニアリングだけじゃなく、技術者としてスキルがありつつプロジェクトを進めたりチームをまとめたり。業務要件と技術を繋げることができ、プロジェクトに愛もある人物ですね。

――すごいですね、絶賛ですね。

市橋 いや、彼には頑張ってもらわないと(笑)彼は何年目だっけ?

広報の方 新卒で、いま6年目です。

市橋 それくらいのレイヤーが今、各サービスとかプロダクトの責任者になってちゃんと回している形です。

――お話を伺うのが楽しみです。社内でも話されると思いますが、根岸さんにメッセージを頂けますか?

市橋 柱になってほしいですね。僕らも、だんだんITを使った事業が増えていますから、そこを任せられる、これからの技術の柱になってほしい。僕が死んじゃう訳じゃないですけど(笑)。背負って立てる人材だと思っています。本当に優秀なんですよ、うちの新卒。うかうかしていられないですね、自分が同い年の頃考えるとヒヤッとします。楽しみですね。

――インタビューは以上となります、興味深いお話をありがとうございました!

<了>

ライター:澤山大輔


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