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「一つの会社に所属する、というイメージができなくなったんです」岩本拓也(フリーランス)〜Forkwell エンジニア成分研究所

やりたいことが増え、フリーを選択しました

――現在は、フリーランスでいらっしゃるんですね。

岩本 そうですね、前職ドリコム社の退職日が2019年7月12日でした。

2月から、いろいろな会社さんに遊びにいってました。退職前に2社さんから業務委託のお話をいただき、その他にも何かしら繋がってWIN-WINな感じになれるよういろんな会社さんにコンタクトを取っていました。

フリーになろうと思ったきっかけは、単純にやりたいことが増えたからですね。リモートワークだったり、副業だったり。「ドリコムで活躍できたら」と思っていたんですけど、他の現場でもやってみたい考えが出てきて。

ドリコムでは副業NGだったり、リモートワークも非推奨だったので一旦辞める形をとって、いろんな現場で活躍できたらなと思いフリーランスの道を選ぶことになりました。

――ドリコムさんでは、どういうことをやられていたんですか?

岩本 2017年5月に中途入社し、最初はゲーム基盤を担当するチームに所属し、iOS/Android向けに開発しているゲームアプリの基盤技術を対応していました。

アプリ開発に欠かせないアプリ内課金やプッシュ通知、ゲームの一部ロジックなどをSDK化して各プロダクトに配布し、各プロダクトで共有化できる機能を開発しなくても済むようにゲーム基盤のチームで対応していました。

また、各プロダクトで共通化できる「〇〇の機能が欲しい」って話がきたら、ゲーム基盤のチームで持ち帰り、チーム内で対応方針を決めてプロダクトとどう進めていくか話を詰めます。そこでゲーム基盤のチームで対応することに決まったら開発を行い、配布しているSDKに組み込んで再度SDKを配布し、他プロダクトでも扱えるような運用を対応していました。そのため、各プロダクトとお付き合いしながら仕事をしていた、みたいな感じですね。

SDKの開発だけじゃなくて、サーバーとの連携も必要なので別にサーバーの基盤チームとやり取りしながら自分たちのサーバーの方も対応しつつ運用もやって、開発もやったり。

ただ、共通機能の需要がある程度落ち着いてきて、iOS/AndroidのOSとゲーム開発で扱っているCocos2d-x/Unityのバージョンがアップデートした際の調査対応ぐらいで、やることが限られてきた時期がありました。

先行して先輩がテクニカルアーティスト業務を開拓し始めていたため、その時に興味があったUIテストの自動化ツールを作りたいという思いからQAエンジニア業務を開拓するようになり、2018年の夏頃から退職する直近までQAエンジニアを仕事にしていました。

社内の勉強会で発表した「QAE活動2018年下期ふりかえり共有」

ドリコムは、とても良い環境でした。

――やりたいことは、具体的にはどういうことだったんですか?

岩本 特に「これ」というのは、なかったんです。何もないわけではなく、挙げるとキリがないということですね。

ツイッターでも「こういうことをやりたい」とツイートすると、メンションやDMでお話をいただくことが増えまして。勉強会や開発などのイベントに参加して、そこで知り合った人と飲みの場で開発の話が出たり。

実行するなら副業になるんですが、ゲーム業界はまだまだリモートワークや副業が難しい環境が多いんですよ。それでも、他の現場に関わっていろいろな働き方を経験したいし、エンジニアの仕事だけじゃなくイベントをやったり、書籍を執筆して技術書典に出したい。

だんだん「一つの会社にずっと所属する」というイメージができなくなってきたんです。
フリーランスで仕事をすることが近道かな、と思うようになったんです。

――辞める時は、どなたかに相談されましたか?

岩本 一応、直属の上司に相談しました。辞める理由も書いて渡していたので、「それだったら成長できるだろうし、やりたいことをハッキリわかっているなら止める理由はない」と言っていただきました。

ドリコムは、とても良い環境だったと思います。実はドリコムには、正社員から業務委託や業務委託から正社員に切り替わっていく人が結構いたんですよね。柔軟に対応できる会社だと知ってから「一度フリーランスとしてやってみたい」と考え始めていました。

私の場合は、一度抜けてしまいましたが、やりたいことをやらせていただける環境だったので、自分のスキルを活かせてゲーム開発に携わりたい方はとてもオススメです。

今年6月に開催したUnity Fukuoka 14の様子

福岡と東京との架け橋になりたい

――ご出身の福岡と、東京間でいろいろなお仕事をしたいと伺いました。具体的には、どのような構想なのですか?

岩本 直近だと2社の会社さんでお仕事させていただき、一社はフルリモートでエンジニアのインストラクターをやっています。もう一社は業務委託でQAエンジニアです。その会社さんのQA部隊が福岡にあるので、定期的に連携してほしいというご依頼でした。

福岡のコミュニティ運営もそうですが、せっかく地元が盛り上がっているのに関われないのはつまらなかったので。願ったりかなったりでした(笑)。会社さんとしても私としてもWin-Winの形をとれて、福岡に帰れるし仕事もできる予定で、それが直近やろうとしていることです。

それ以外には、人脈をうまく活用して最低でも月一は福岡に帰って、東京との架け橋になれるような動きができたら面白いなと思っています。

GDG DevFest 2018 Tokyoでの登壇

「自分の身は、自分で守れ」

――業務を行なう上で大事にしているモットーや、好きな言葉があれば教えてください。

岩本 自分の身は自分で守れ、ですね。新卒で就職した福岡の会社で、初めてついた上司に教わりました。ベテランの女性エンジニアで、Javaのプロフェッショナルな方でした。

課題に対応するのは当たり前、周りの人に助けてもらうのも当たり前、最終的に自分の身は自分で守ること。自分の身体を知るのは自分だけ、いつオーバーキャパシティして本当にやばくなるか知っておく。周りが気づいたときは、もう遅い。

新卒から数カ月経ったときに言われた言葉です。当時は「何で今言うんだろう」と思っていたんですが、時間を重ねるごとにジワジワ響いてきてるんです。

――自分の限界って、わからないですよね。

岩本 一度限界を知ったら、2回目以降はわかるんですよね(笑)。失敗は、全然悪いことじゃなくって、自分の身を守る方法もわかっていくから、という話でした。

――僕もフリーランスなので、すごくわかります。無理のしどころだなと思いつつ、しすぎて翌日使い物にならないみたいになった時は「だめだ」と思ったり。

岩本 あるあるですね(笑)。それ以降は色んな人に助けてもらいながらなんとかフリーランスになれるところまでは行けたって感じです。

ツイッターは、使い方を間違えなければとてもいいサービス

――ご自身の成長のために、日々行なっていることがあれば教えてください。

岩本 トレンドを追うために、ツイッターをよく見ています。最新の技術の話もそうですし、それ以外の事でも発信してくれる方がいるので、相互フォローになったり、実際にイベントでお話したり。

発信して受け取る過程で、情報は自然と入ってきます。スキルアップする材料になると思うので、日々意識しながら使っています。

――便利ですよね。ツイッター経由でお仕事をもらうこともありますし、相談レベルの話も増えました。

岩本 使い方を間違えなければ、本当に良いサービスですよね。

Wantedlyにしても使う分には無料ですし、自分でプロフィールを更新したり、アウトプットを書いたらスカウトをもらえる。すぐ転職するつもりはなくても、「興味があるので遊びにいきたいです」ってレベルで気軽に行けますしね。

「今は正社員しか受けていないんです」って会社さんもいれば、「ぜひ遊びに来てください」って会社さんもあって、人事の方でもエンジニアの方でもSNSで繋がっておくのは大事だと思います。

会社は、うまく使うものだと思います。

――ここからは、岩本さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

・専門性向上:3.5

エンジニアには、常に課題があると思っています。専門性を意識して学習していくことの重要性は常日頃に感じています。

・仲間:3.5

やってみたいなと思うのは一緒に働きたい人とスタートアップみたいな形で起業して、プロダクトを作っていきたいです。仲間というのは、すごく大事な要素ですね。

・お金:4

やっぱり税金が上がっていくので(笑)、意識してないといけないなと。フリーランスになった理由のひとつです。全然お金のことを知らないな、お金のこともちゃんと学びたいなと思っています。

・事業内容:3

「やりたい」「すごく面白い」って思うものであれば、いくらでも仕事にできると思ってます。なので、事業内容はとても大事ですね。

・働き方自由度:4

東京と福岡の架け橋になる動きをしたいです。そう考えると、普通のサラリーマンじゃできないので、働き方の自由度はそれなりに必要かなって思います。

・会社愛:2

個々の能力があったらある程度のことはできますから、謙虚にやれば仕事は成り立ちます。となると、そこまで会社愛って必要ないかなと。もちろん会社という単位で働くのが必要な局面はあるので、そこで2にしました。

――会社は集団幻想である一方、法人格を与えられているれっきとした実存でもある。うまく使うもの、というか。

そうですね。うまく使うものですね。会社というのは。ドリコムの時は特に、かなりわがままを言わせてもらってました。

――最後に、キャリアに迷うエンジニアの方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。

岩本 キャリアへの迷いといっても、幅広いですよね。例えばスキルが身に付かないとか、スキルがあっても就職という形が取れないとか。

ただ、やっぱり自分のやりたいこと、なりたいことをちゃんと明確化して話すことだと思います。あいまいだと、何のために活動してるのかって問われた時にモゴモゴってなってしまう人がいたり、ちゃんと伝えたいことも伝えられないかと。

5年後なんて、どうなるかわからない。1年先ぐらいまでは、やりたいことを明確化する。見つからなかったら、まずはどこかに飛び込む。興味があるものをちゃんと優先順位をつけ、高いものからこなしていく。

そういう作業をやっていくと、自ずとポイントごとに目標ができて、なりたいものが見えてくるのかなと。次の話は、次のところにいる自分にまかせて、まずは目の前のことをちゃんと決めていく覚悟を持つことが重要ではないかなと思います。

<了>

ライター:澤山大輔


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