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「正論で人が動けば苦労しない。アプリも入れたら終わりではない。」(FiNC Technologies 篠塚史弥)【前編】〜Forkwell プロダクト人生グラフ

「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」を企業理念に掲げる予防ヘルスケア×AIテクノロジー(人工知能)に特化したヘルステックベンチャー、株式会社FiNC Technologies。その中で、サーバーサイドの開発を主に担当しているのが篠塚史弥さんです。

2013年、大学院に身を置きながら現FiNCの代表取締役CEO・南野充則氏らとともにシステム開発会社を立ち上げていた篠塚氏。その会社でFiNCアプリの制作を受注したことが、入社のきっかけになったそうです。

その後は、FiNC一筋のキャリアを歩んできた篠塚さん。どのような変遷をたどってきたのでしょうか? さっそく御覧ください。

「正論で殴らない」に気を配っています

――改めまして、ライターの澤山と申します。何回かFiNCさん自体を取材したことがありまして、今日は久々にお邪魔しました。1年半ぶりくらいですね。

篠塚 そうなんですね。1年半前だと、もしかしたらまだ7階にFiNCのオフィスやホールがなかった頃ですよね。最近、いろいろ増床もさせていただいてます。

――そうですね、7階はなかったですね。ずっと勢いに乗ってる会社だと認識しています。まずは、御社の概要から伺えますでしょうか。

篠塚 FiNCという会社は「すべての人にパーソナルAIを」をミッションに掲げ、予防ヘルスケア×テクノロジー(人工知能)に特化したヘルステックベンチャーです。ヘルスケアプラットフォームアプリを作ることを目指しており、5つの事業を展開しています。社内の約50パーセントがプロダクトに関わる人員構成で、特徴的なのは理学療法士や管理栄養士など、ヘルスケアの専門家もプロダクトに関わっていることです。

ヘルスケアのマーケット自体は世界でも注目されているところなんですけど、介護とか医療の領域ではなく、「予防」とか「未病」の分野でテクノロジーを応用し、社会解決を図っていくことを目指している会社です。

――その中で、篠塚さんが関わってらっしゃるプロダクトはどういう部分になりますか?

篠塚 主に、FiNCアプリのサーバーサイドエンジニアとして関わっています。アプリとしては一つなんですけど、マイクロサービスごとでバックエンドはドメイン単位で分かれていて、そのいくつかを担当しております。

最近はFiNCアプリ全体を通して、一貫したユーザー体験や、FiNCアプリから得たデータを基にアドバイスを行なうなど主にやっています。

――競合に対する優位性は、例えばどういうところにありますか?

篠塚 人材面では、優位だと思います。社内に管理栄養士であったり、トレーナーや理学療法士といった専門家がいるところ、彼らがプロダクト開発やプラットフォームに密に関わって開発しているところは差別化ポイントだと思いますね。

今はおかげさまでユーザー様も増え、獲得コストも減りました。認知度というところも優位性になっているのかなと思います。

――基本的に、企画を立てられる時はトレーナーの方だったり理学療法士の方だったり、管理栄養士の方だったりが同席されるんですかね?

篠塚 そうですね。いくつかチームに分かれているんですけれども、彼らに相談しながら進めているチームもあれば、トレーナー自身が自ら企画するチームもあります。

僕が関わっているチームはヘルスケアの知見が大事なので、間違ったことを言っちゃいけないんですね。どんなヘルスケアの知識を届けたいか、どういう風に伝えるとちゃんと伝わるか、ユーザーが不快な思いをしないか、そういったところは企画してやってくれています。 

――例えば、どういうところに気を配られるんですか?

篠塚 例えば、正論をそのまま言ったらそのまま行動するかといったら、そういうわけではないですよね。行動医療などのカウンセリング技法もベースにしながら、ユーザー1人ひとりの興味や悩みに合わせた提案をしたり、どうやったらユーザーの行動を変えられるのか、伝え方も考えながらアドバイスをしていく点ですかね。

――「もっと運動の量を増やしてください」とか、そういう伝え方ではなく。

篠塚 そうですね。ユーザーの行動を変えられそうなところから言っていくとか。例えば今これくらい歩いたのをもう1駅分歩いてみようかとか、変えられそうなところを伝えていく。正論で殴らない(笑)。

――正論で人が動けば苦労しないですもんね。アプリを入れたら終わりではない。パーソナルな部分に踏み込むサービスなので、伝え方にも気を配ると。

FiNC創業者の溝口と会い「やるしかない」と思いました

――篠塚さんの現在のポジションを伺えますでしょうか。

篠塚 現在は、技術開発本部の技術推進グループにいます。研究開発とかそういったことも行うチームです。主にやっているのは、アプリケーション全体を通してアドバイスをするところのアルゴリズムを作ったりというところに関わっています。

――この仕事に携わられてから何年くらいなんですか?

篠塚 今の仕事に移ったのは、1年くらいです。それまではずっとサーバーサイドエンジニアとしてやっていて、途中サーバーサイドのマネージャーをやって、その後に現在のAIチームに移ってきました。

――学生時代に別会社を起業し、アプリ開発を受託したことをきっかけで、リリースと同時にFiNCさんに入社されたそうですね。起業されたきっかけは、どのあたりだったんですか?

篠塚 元々は、製薬分野で起業しました。その時はたまたま知り合いにお医者さんがいて、「会社作りたいね」「こういうシステムが欲しいんだよね」っていう話をしてるうちに、じゃあこれは会社にしようということで作ったという経緯ですね。

――製薬分野には、元々興味があったんですか? 

篠塚 そういうわけでは全くなかったですね。ただ、調べているうちに結構問題もあり、市場規模も大きいということもわかり、それなりに利益が出る市場だなと思い、参入することにしました。

――どういったところに問題があったんですか?

篠塚 主にやっていたのは医薬品の卸しみたいなところで。薬局は薬を仕入れるんですけど、そこの卸し価格は薬局ごとにまちまちだったりするんですね。どんな薬を購入するか、ロットで購入することで安くするとか、そういったことをコンサルティングしながら入れていったり、データを集めた中でどこまで安くできるのか、そういったことをやってましたね。

医薬品自体の問題もあったんですけど、調べているうちにアメリカの方では「そもそも薬をなるべく飲まないようにするといった、医療費を下げる動きがある」というのがわかり、ヘルスケアや未病といった分野が来るだろうなと一緒に会社を起業した南野(充則、現代表取締役 CEO )と話していたところ、ちょうどFiNCの創業者である溝口(勇児、元代表取締役CEO・現非常勤取締役/Founder)と会う機会がありました。当時、溝口はパーソナルトレーニングジムの運営をしており、そのノウハウをITによってスケールさせたいという考えを持っていたのですが、それを実現するための技術力がなく、僕たちのスキルの高さを見込んでもらい、FiNCに参画してほしいと溝口に声をかけていただき、一緒にヘルスケア領域に挑戦していくことになりました。

――実際に入って、どのあたりにやりがいを感じますか?

篠塚 すごく小規模なタイミングで入ったので、何でも自分で決めて作りたいものを何でも作れるところは面白いと感じましたね。

プレーヤーもマネージャーもどちらもやらせてもらえる環境です

――最初のうちは、どういうことをやられていたんですか?

篠塚 最初は「FiNCダイエット家庭教師」というアプリを作ってました。管理栄養士の人が先生として食事指導やトレーニングを行なうアプリで、それを行うためのシステムを開発してました。

最初は荒削りで作っていたので、先生の方だったり、使ってくださるユーザーにも割と不便をかけながらやっていたのですが、それこそ僕が10分とか20分とかちょっと長く働いて、1行でも多くコードを書くとそれだけですごく感謝されるんですね。頑張った分だけ価値が届く、みたいな状況を直で感じることができたので、すごくやりがいに感じましたね。

――完全に、FiNCさんの技術面の骨格を担ってこられたんですね。

篠塚 そうだと思います。

――その後、サーバーサイドチームのマネージャーになられた。マネジメントとしてはどういうことをやられていたんですか?

篠塚 メンバーのマネジメントや、アサインの調整などを中心に行なっていました。職務的には、プレイングマネージャーでした。時期によってはマネージャーの方に8割寄ったりする時もあれば、プレーヤーとしての時期もありました。今は別のチームに移ったので、またプレーヤーとして活動しています。

――ご自身で色々経験されて、どれが1番楽しいなっていうのはありますか?

篠塚 それぞれ楽しいところはあります。今は今でプレーヤーとして手を動かせるのは楽しいですし、マネージャーも大変さはありつつもやりがいを感じられるので楽しかったです。今は、しばらくはプレーヤーをやっていたいですね。

――言語化すると、マネージャーをやる楽しさはどういうところがありますか?

篠塚 自分1人だとできなかったことができるようになる、そういうことを目の当たりにするのが面白いですね。あとは、仲間の成長を間近で感じられること。

――例えばマネジメントする時に気をつけていたところとかはありますか?

篠塚 僕のやり方が正しいと思ってるわけではないので、価値観を押し付けないようにすることですね。割とトップダウン的なマネジメントをする会社なんですけど、僕はそうしないよう気をつけていました。

エンジニアも「こういった分野は得意だけど、こういったところは苦手」という部分があるので、なるべく得意な部分を活かせるようアサインも工夫したり、日々の1on1のアドバイスにも活かせるように気をつけたところはありますね。

――今、どういうことにやりがいを感じていますか?

篠塚 ロジックやアルゴリズムに触れるところですね。現在の部署には今年から移ったんですが、枠はあるけど提供するコンテンツやロジック、アルゴリズムがちょっとイケてないなと思っています。そこを自分で変えていきたいなと思っていたので、今すごく面白いところですね。

――具体的な開発環境をお伺いできればと思うんですけれども、今はどういう言語を使われているんですか?

篠塚 主にRubyですね。機械学習もやるのでPythonを書いたりもするんですけど、元々Rubyをやってた身からすると、「RubyではできたのにPythonに無いんだ」って思うことはたまにあります。Rubyは、エンジニアを甘やかしてくれる言語だなと思います(笑)。

――機械学習もやられているんですね。

篠塚 はい。今年からチームで作って機械学習も勉強しています。

<後編へ続く>

ライター:澤山大輔



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