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「51億以上のヘルスケアデータを、活かしたい」(FiNC Technologies 篠塚史弥)【後編】〜Forkwell プロダクト人生グラフ

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「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」を企業理念に掲げるヘルスケアベンチャー、株式会社FiNC Technologies。その中で、サーバーサイドの開発を主に担当しているのが篠塚史弥さんです。

2013年、大学院に身を置きながら現FiNCの代表取締役CEO・南野充則氏らとともにシステム開発会社を立ち上げていた篠塚氏。その会社でFiNCアプリの制作を受注したことが、入社のきっかけになったそうです。

その後は、FiNC一筋のキャリアを歩んできた篠塚さん。後半では、これまでのFiNCでのキャリアをグラフを用いて整理してもらいました。

「ちゃんと世の中に評価されるんだ」

――ここからは、これまでのプロダクトの歩みをグラフにまとめていただき、それぞれのエピソードをお話いただきます。

篠塚 現在FiNCアプリのダウンロード数が800万を超え、ストーリー的に現在が最高か、上の方になってる感じで落ち着かせるのかなと。割と最初からずっと楽しい感じで、波もなく来ています。今は、さらにこれからが楽しみって状況ですね。すみません、あまり谷が無くて。

FiNCは今年すごいプロモーションを頑張っていて、中村アンさんにCMへ出てもらったりと、ある意味どこかで完成されているようなイメージを持たれがちなんです。でも、まだまだ課題もありますし、これからどんどん面白い技術にもチャレンジしていきたいと考えております。

僕は2014年3月くらいにFiNCに入社したのですが、入ってすぐプロダクトを作れたことで出資が決まりました。同年の5月くらいにIVSっていうベンチャーイベントがあり、そこで自分たちが作ったプロダクトが入賞したんです。そこで、まずグッと上がりました。ちゃんと世の中に評価されるんだ、って嬉しかったですね。

――入社した頃から、割と順調に入れたっていう感じなんですね?

篠塚 そうですね。もうちょっと整ってるかなと思ったら全然整ってなかったですが(笑)。

――最初の出資が決まってグッと上がったと。

篠塚 そうですね。評価されるんだなっていうのはすごく嬉しかったですね。

――逆に入ってよかったなと確信が持てたというか。

篠塚 そうですね。

――この後は順調に、ちょっとずつエンジニアが増えていくって感じですかね。

篠塚 最初はそれこそ、一緒に起業していた南野と、その周りにいる友人たちで、エンジニアはその4人くらいしかいなかったんですけど、初めて外部の採用が決まってエンジニアが増えた時はすごい嬉しかったですね。それが2014年の末か2015年の最初くらいですね。

――じゃあそれまで9ヶ月くらいは最初のメンバーでずっとやっていたところを、2015年くらいから人を増やし始めたと。

篠塚 そうですね。

――正常期の時点でエンジニアさんって何人くらいいらっしゃったんですか?

篠塚 2015年の時でエンジニアが社員で5人とかですかね。

――今がどれくらいですか?

篠塚 今40人弱くらいで、そこにフリーランスの方が30人ちょいくらいなので。70人くらいですかね。

――すごいですね。

――2015年くらいからエンジニアの採用が始まって、2016年、2017年、加速期ですね。加速したっていうのは人が増えたのかリリースが増えたのか。

篠塚 人もすごい増えましたし、今までクローズでアプリを出していたんですけれども、アプリストアとかにも置かずに。その時に初めてApp Storeとかに置いて、世間に見えるところにアプリケーションを公開した時期でしたね。

つらい時期はありましたが、割とメンタルが強いので(笑)

篠塚 谷は無かったですけど、この頃はしんどかったと言えばしんどかったですね。潜伏していたというか、半年くらいかけてリリースに向けて頑張る感じだったので。あまり表にも出ないし、自分たちは何をやってるんだろうみたいな、そういった悶々とした環境でした。

結果、周りのエンジニアも勝手にリリース日を決められてしまい、不満が溜まっていっていました(笑)。開発してる時は、空気もちょっと悪かった時期ですね。

――公開したことで、みんな1回落ち着きましたか?

篠塚 そうですね。一旦リリースできて、それで気持ち的に解放されたなっていう感じがありました。

――その頃は辞めてしまうとか。

篠塚 そうですね。結構辞める人も多かったり、その時期に割と気持ちを病んで、リリースが終わって辞めていく人も多かったりして。その時期はちょっと辛かったですね。

――リリースで突然ボンっといったよりは、ちょっと下がったか、余波が残ったって感じですかね。

最初谷は無いですっておっしゃってたので、乗り切った後だとご自身的には良い経験だったなっていう風に消化されているんですかね?

篠塚 そうですね。結構僕はストレス耐性が強いか、あまりそういうのを感じないタイプなので(笑)。

――強いですね(笑)。

深層強化学習を適用できそうな段階なんです

――技術チャレンジのところも、お伺いできればと思います。

篠塚 マイクロサービスをやってるので、データがそもそも分断されていたり、それを統合的に扱って何かをするっていうところは難しいところなんですね。チャレンジとしては面白いところでもあったりするんですけど。

データが大量にあるので処理だったりとか、ちゃんとユーザーが期待するスピードでそれを返したり、そういったところが面白いところですね。

今はアプリで「FiNCちゃん」というキャラクターがいるんですけど、それがユーザーも今までどんなことをしてきたか、外部環境を認識・蓄積しながらどんどん賢くなってアドバイスをしていく。そういうモデルを作りたいなと思っています。

機械学習の分野でも注目を集めている、深層強化学習と言われる手法が適用できそうなところなんです。ただ、その分野自体も研究段階です。本当に適用できるのか、どういう風に適応していくか、チャレンジングで面白そうだなと思っています。

――ちなみに「51億以上のヘルスケアデータ」ってことなんですけれども、具体的にどういうデータがあるんですか?

篠塚 歩数とか睡眠データとか、体重とか。アプリのコンセプトが「カラダのすべてをひとつのアプリで。」なので。生理機能だけのアプリや歩数だけのアプリとかあると思うのですが、そういうのが全部整ってるって感じですね。

――例えばその特定個人の1年のデータが集まったら、その人が今後どういう健康状態になっていくかも大体わかってしまうと。

篠塚 わかるようになりたいと思ってます。もしかしたらまだデータが足りてないかもしれないと思っているので、さらに取れるデータを増やしていくってことを考えていますね。精度も良くしたいですし、短い期間でもっと取れるようにしていくとかはありますね。

今だと歩数とかも1時間ごとに丸めたりしてるので、そういったのも秒ごとにするとか。あと今後は心拍数とかそういったデータも取っていきたいなと思ってますね、運動するときには心拍数がどういう風に動いていくのかが結構大事になっていくので。

――ちなみにGDPRもそうですが、個人情報の取得の部分って結構厳しくなりそうだと言われています。その辺りの対策は、考えていらっしゃいますか?

篠塚 そうですね、GDPRにのっとる部分は進めていくかもしれないですね、ちゃんとデータを消したい時に消せるとか。アプリケーションとしては個人情報をひとつに集約するようなものを作っていって、ちゃんと暗号化して保存するようにするとか。それでライフログのデータから個人を特定されないようにする、そういったところは気をつけてやっていこうと思っています。

批評家でなく、実際に行動する人がほしい

――最後に「こんな人と一緒に働きたい」という思いをお聞かせください。

篠塚 いくつかあるんですけど、ひとつはユーザーインサイトがある人がいいなと思いますね。

結構マイクロサービスだったり、分散システム、テッキーなところはあるんですけど、分散システムが技術的に難しいからこそ「どういう風にユーザーに見えるといいんだっけ?」とかそういうことが大事になってくるので。バックエンドのアプリケーションの作り方にも割と関わってくるので、そういったユーザーインサイトがある人がいいですね。

僕らもベンチャー企業で、やりたいこと全部ができるわけじゃないので。どこに投資をするべきか、何をしたらユーザーが喜ぶか、リテンションするか、そういったところを考えながらできる人と一緒に働きたいと思います。

次の点としては、分散システムだったりコンピューターサイエンスに通じている人。マイクロサービスでやっていて、分散システムを扱うってだけで結構難しいところがあるので。そういった扱いに長けている人や、単純に大規模な分散システムアーキテクチャを扱うのが好きな人と一緒に働きたいなと。

あとは、自分で手を動かす人ですね。批評家じゃなくて。「こういったのは無いよね」って言うだけじゃなくて、どうしたら作れるか、考えながら、自分で作る。そういったことをやれる人と一緒に働きたいと思います。

――最後に、「こういうことを成し遂げていきたい」という思いをお聞かせください。

篠塚 個人としても会社としても、唯一無二のヘルスケアプラットフォームを作りたいです。そのためにはスケールする仕組み、分散システムだったりが必要になってくると思います。

――インタビューは以上になります。どうもありがとうございます。

<了>

ライター:澤山大輔



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