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日本の99%を占める中小企業にデジタルシフトを起こせ! 和田広大×吉村卓生(SO Technologies株式会社)【前編】

あらゆる面で日本の基盤を下支えしている中小企業に向けにマーケティング支援を行っているSO Technologies株式会社。親会社であるソウルドアウト株式会社、旧社名のテクロコの名前でピンと来る人も多いかもしれません。同社が提供する運用型広告の統合管理プラットフォーム『ATOM(アトム)』について、SOTの執行役員兼プロダクトオーナーの和田広大さん、開発責任者の吉村卓生さんにお話をお聞きしました。

ミッションに込められた「中小企業への思い」

SO Technologies株式会社(以下、SOT)は、ソウルドアウト株式会社の連結子会社である株式会社サーチライフと株式会社テクロコが合併し、2019年7月1日に誕生しました。

同社の主要プロダクトである運用型広告の統合管理ツール『ATOM』のプロダクトオーナーであり、開発およびマーケティングセールスを統括する立場にある和田広大さんは、SOTのミッションである「稼ぐ力をこの国のすみずみまで。」には、日本のあらゆる産業を支える中小企業への思いが込められていると語ります。

和田 日本にある中小企業の数はおよそ350万社。これは全企業数の99.7%にあたります。日本の産業を支えている中小企業を一社でも多く支援することを目指して誕生したのが、SOTなんです。「稼ぐ力をこの国のすみずみまで。」をミッションに掲げていますが、基本的には中小企業支援の会社と思ってもらえれば。

社業を「中小企業支援」と説明してくれた和田さん。その言葉どおり、SOTの企業としての成り立ちから提供するプロダクトまでを貫くのは、「中小企業支援」というキーワードです。

和田 中小企業にとって一番の悩みは、自分たちだけでやっていても、なかなか売り上げが拡大していかないことだと思います。この課題に対してどんな支援ができるのか? 僕らの専門領域であるデジタルマーケティング、その中でも集客にフォーカスしてプロダクトを開発してきたことを生かして、中小企業支援ができるんじゃないか? 中小企業を自分たちの得意分野で支援していく。これはSOTの前身であるテクロコ、親会社のソウルドアウトから一貫して変わらないことです。

2009年にオプト株式会社から「中小企業のデジタルマーケティング支援」だけを切り分けて立ち上がったのがソウルドアウトで、中小企業に対してITをうまく活用して効率化、デジタル化を促進するためのツールを提供するビジネスモデルで始めたのがSOTの前身ともいえるテクロコでした。

鉄道会社からの転身を後押しした父の背中

和田さんは、ソウルドアウト入社から新規事業開発に携わり、その後SOT(旧:テクロコ)内での新しい事業立ち上げの際にソウルドアウトから出向しました。SOTが中小企業支援に真っ正面から取り組むのは、「社是」であることと併せて、和田さんの歩んできたキャリアと、ある思いがありました。

和田 新卒で入ったのは生まれ育った土地である横浜の鉄道会社。もともと街づくりに興味があって鉄道会社に入ったのですが、配属されたのは縁もゆかりもない法務部。入社当初は、「社会に出れば希望が通らないこともあるか。与えられた役割でがんばってみよう」と思っていたんです。でも2011年に震災が起きて……。当時、多くの人が自分の人生やキャリアについて考えたと思うんですけど、関東でも同じ規模の地震が数年以内に起きる確率が何割とかいわれている中で、自分は本当にこのままでいいのかという気持ちになって。

20以上年上の上司でさえ、なかなか自分の裁量で仕事ができない現実もあって、「耐えて、耐えてようやく偉くなって」みたいな会社で出世していくことにまったく興味が持てなくなってしまって転職しようと思ったんです。

――そのタイミングで、中小企業支援への思いが。

和田 転職しようとなった時に浮かんだのが、父親のことだったんです。父は自営業、まさに中小企業の経営者だったんですけど、自分が就職活動中にリーマンショックの煽りを受けて父の会社が倒産してしまったんですね。そのとき、寡黙で口下手で不器用だけど頼れる父が、今まで見たことがないほど心細そうにしている姿を見て、中小企業の抱える問題が急に“自分ごと”になって目の前に現れたんです。

父のこともあって、転職するなら中小企業の支援ができるような企業がいい、大学時代にマーケティングの勉強をしていたので、そのことも生かせないかと転職活動を行った結果、ソウルドアウトに巡り会いました。

――採用は法務としてだったとか?

和田 求人としては法務担当だったので、法務として入社しましたが、時期が来たら事業にも関わっていけるとのことだったので、なにより会社の理念に共感して入社しました。

2年間法務の業務を担当し、新規事業の立ち上げの部署に異動しました。当時ソウルドアウトの代表の荻原(猛・現:代表取締役会長CGO)から「和田も自分がオーナーになって新規事業考えてみたら」と言われたんですけど、ちょうど自分がそのとき考えていた「ネット広告のクラウドソーシング」みたいなコンセプトでビジネスを子会社のテクロコがやろうとしていたということもあって、テクロコに移り、会社がSOTになり、役員になり、別のビジネス立ち上げの後、昨年の6月からATOM の責任者になりました。

――SOT、そして『ATOM』で中小企業支援を行う、そこにフォーカスするのは事業面でも意味がある?

和田 SOTでは、中小企業をクライアントに持つ広告代理店の業務支援を行っているのですが、そもそも日本の広告代理店は、電通、博報堂、デジタルだとサイバーエージェント、そのほかにも大手が何社もあって、そこの部分は僕らがやらなくても他にやってくれる人たちがいっぱいいるんですよ。クライアントである広告主側も大企業がほとんどなので広告を出すことに慣れていたり、代理店から転職した人材、マーケティングの専門家、リテラシーが高い人たちが在籍したりしているので、そんなに困ることってないんですよね。

でも、中小企業は専門の担当者がいないことがほとんどだし、リテラシーも決して高いとはいえない状況。「中小企業支援」といいながら、とりあえず一度出稿してもらうような“焼畑農業”的なことをやっている企業もありますが、それでは支援になりませんよね。「中小企業支援」は本当に志のある人がやらないと。デジタルツールを使うことで、広告代理店が効率的に業務を行えて、その先にいる中小企業が売り上げ拡大などの成果を出せる。そんな世界をつくりたいと思っているので事業ドメインの真ん中に中小企業支援を置いているんです。

充実した日々を送るエンジニアに訪れた転機

「中小企業支援」に並々ならぬ思いを抱いているのは和田さんだけではありません。大学職員からのジョブチェンジでエンジニアの道を歩み始めたという一風変わった経歴の持ち主である吉村卓生さんも、「中小企業支援」というミッションに惹かれてSOTにジョインしたそうです。

吉村 2019年に入社し、現在は『ATOM』の開発責任者を務めています。 前職はアドテクの会社で、広告の効果計測だったり、プライベート DMP 、 LINE の配信のサービスに携わっていました。SOT入社のきっかけはアドテク時代の人脈伝いにSOT(当時はテクロコ)を紹介され、そのご縁で。

実は前職で技術的には割と最先端な仕事をしていたこともあって、まったく転職する気はなかったんですね。自分の仕事にやりがいを感じていた中で、SOT、当時はテクロコですけど、ここに惹かれたのは、やっぱり「中小企業支援」を理念として掲げていた点でした。

――「中小企業支援」というワードが目に付いたのはなぜでしょう?

吉村 15年くらい前、九州でお菓子の卸売業を営む会社の販売管理システムの受託開発をしたことがあったんです。そのときに、直接クライアントのところに行って要件を聞き取ったり、それこそ金額の交渉をしたりしたというのがエンジニアとしてのバックグラウンドにあったんですね。当時は、中小企業の課題や現実、厳しさみたいなものを感じるような出来事はなかったのですが、直接お客さんの顔を見て、生の声を聞いてエンジニアリングに生かすことにものすごくやりがいを感じたんです。

大手に向けての仕事は技術的な面白さだったり、充実感は当然あるのですが、どちらかというとお金が先に立ってしまう面も否めません。もちろん利益は重要ですし、対価をしっかりと得ることで仕事が成り立っていくのはどの分野も同じですが、「お金、最優先」みたいなことになるのも違うなというジレンマもあって……。そもそも自分がエンジニアになったのも、人の役に立つものをつくりたいというのがあったので。

――「エンジニアになった」といえば吉村さんは大学職員からエンジニアになられたとか。

吉村 新卒で大学職員として働いていたんですけど、所属したのが機械工学科だったんですね。技術計算だったり、仕事でプログラムを使う機会が多かったこともあって、学校に通って Java を勉強したりしていたんです。その学校の外部講師の方とコミュニケーションをとるようになり、スカウトされる形で転職しました。

鉄道会社からデジタルマーケティングの世界に飛び込んだ和田さんと、大学職員からエンジニア、そしてプレイングマネージャーとして多くのプロダクトを世に送り出してきた吉村さん。二人をつないだのは、SOTが掲げる「中小企業支援」を通じた新たなデジタルシフトへの挑戦でした。

後編は、主要プロダクトである『ATOM』について、このツールを使ってデジタル集客の大衆化に挑むSOTのさらなるチャレンジについてお届けします。

<後編に続く>

ライター:大塚一樹


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