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2020.03.12 2022.03.31 約3分
「入社時は最悪の状態でした」と語るエンジニアリングマネージャーの小林氏。問題山積の状況をどう打開したのでしょうか?今後入社するエンジニアへ「完成されていないことを楽しんでほしい」と熱いエールを送ります。
<前編はこちら>
――清水さんのmediumの記事を拝見しました。「アウトプットファースト」を始めようと思った経緯は?
清水:経緯で言うと2年程前、エンジニアリング組織で僕が本格的にマネージャーをやる頃から「学んだことを発信したり共有したりするのがFiNCらしくて良い」、内部組織の強みにしたいなと思ったのが一つです。
もう一つが、やっぱりエンジニアって学び続けないといけないし、ある程度キャリアと自分の仕事を重ね合わせないとモチベーションに繋がらないので、そういった意味でもアウトプットが出来ると自分の能力にも実績にもなるし、組織にも良い結果に繋がると思ったことです。これはFiNCとしてもみんなにとっても良いポイントになると思い重点的にしました。
方針としては2年前から始めたのですが、それを着実に行い、より定着させることを順次おこなってきました。
――なるほど、結構外で講演だったり、QiitaであったりTwitterなどで発信する人は多かったんですね。
清水:そういうことが大事だと思っている人が、僕の周りでは多かったですね。
――ありがとうございます。入社されて、チームの雰囲気づくりに課題感を感じていたとのことですが、入った時の雰囲気とそれをどういう風に変化させていったのか、という事を伺えればと思います。
小林:ちょっと言いにくい話なんですが、僕が入った当初、チームが割と最悪な状態でした。
――最悪でしたか。
小林:毎日の朝会の時に「いや、それは君の仕事でしょ」って企画とエンジニアが言い合っていることもありました。
先ず、そこは直さないといけないと思いましたし、ゴール設定が出来ていない状態だったので全員の認識合わせをすること、あとは「なるべく助け合いましょうね」という空気感を作っていくことを心がけました。
やることがハッキリしていないことから、みんなが不安になって雰囲気が悪くなってしまっていたので、なるべく朝会が楽しく終わるように配慮しながら実施しました。最後の方はタスクが結構固まったので、何とかうまくまとまっていきました。
――マネジメントする上で特に大変だったのはどういうものですか?
小林:開発プロセスがきちんと固まっていない中で進行していたので、今までのやり方や考え方を変えていくというところから説明することに苦労しましたね。
――現在進行形で調整されている所はあったりするのですか?
小林:今まで作ってきたチームの開発プロセスはある程度、固まってきているので、あとは成果の可視化などをしっかりすれば良い形になると思います。
――FiNCに入社することによって、どのような経験を得ることができるのでしょうか。
清水:いくつかありますが、「まだ解決されていない大きな課題を、自分たちが考えて解決する」というチャレンジですね。誰かが解決してしまえば終わりですが、まだまだ未解決なことはたくさんあるし、それらを僕らが必ず最初に解決する。それを一緒に楽しんで出来ればとても良い経験になると思います。
ものづくりが前提で、あとはエンジニア次第ですが、FiNCは開発に対して「下りてきたものだけを作る」というよりは、もっとアクティブにコミュニケーションをとって、良いものを作り出していく開発スタイルですね。
FiNCではスクラムなどのコミュニケーションを重視していますし、技術者もある程度のレベルです。一般的なものだとマイクロサービスや機械学習が得意なエンジニアもいますし、自分に無い要素や、自分が目指したい要素を持っているエンジニアと一緒に働けることにフィットして入ってくれる人が多いと思います。
――FiNCさんって、外から見ると中村アンさんをCMで起用したりと、ある程度「完成されたプロダクト」というイメージがあります。そういった所も変えていきたいと思ってらっしゃるのでしょうか。
清水:本題来ましたね(笑)。
小林:完成されているかと言うと、全然完成されていないです。やらないといけない事がある上に作りたい機能がたくさんあります。また、FiNCのミッションである「すべての人にパーソナルAIを」に関してはまだまだ実現できていないと思っています。
これからパーソナライズしたソリューションを提供することも、今まで積み重ねてきた負債も解消しなきゃいけないので、難しいフェーズだと思います。
さらに、マイクロサービス化しすぎて、サービスを作り過ぎたから統合しないといけないなど、チャレンジしたが故の反省点もあります。
清水:FiNCアプリは今は20〜30代女性に多く使って頂いているのですが、今後は男性や年齢層を広げていきたいです。まだまだ多くの方が利用できるプラットフォームとして不十分なので、これも課題です。
小林:そうですね。プラットフォーム化というのは結構重要なポイントで、外部と連携する時にいかにスピード感をもって追加していけるかが鍵なので、これから仕組みを作っていかないといけないと思っています。
――ありがとうございます。エンジニアの育成に関する方針についてお伺いしたいのですが、清水さんの方で入ったエンジニアに対してこういう教育をされている、というものはありますか?
清水:弊社では教育プログラムをあまり行っていないのですが、ジュニアのエンジニアに対してはエンジニア研修があり、中途の方には自分の志向に合った機会提供やストレッチな仕事をしてもらうなど、裁量を持ってもらうのが一番だと思っています。
エンジニアリングマネージャーに関しては、基本的に自分が難しいと思うことや、その人ならできそうなことを任せています。例えばテックリードの経験がない人にやってもらう、1チームを持っている人に2チーム持ってもらうという感じです。
去年はそれに加えて補助的に研修を組んだり、相互学習できるような形を組織に作るなど、より組織としても人を育てていこうとしています。
――当然、即戦力がほしい部分はある。
清水:そうですね。例外もありますが、しっかりしたシニアエンジニアの下にはジュニアの人でも良いですけど、即戦力の人はもちろん大歓迎です。正直、その人の能力が合っていればみんな即戦力だと思いますけどね。
小林:マネージャー間でも、どうやってオンボーディングしていったら良いだろう、という課題も話していますし、実際に資料ややり方を書いたりしています。
清水:本をどさっと渡して勉強してもらったり、計画を話すなど、ベースになる知識や組織的な仕組み化は、エンジニアリングマネージャーになってくれる人には一緒に考えてもらいたいと思っています。
小林:弊社のエンジニアリングチームだと、「Happy Wednesday」という企画をやっています。もともと開発チームの中で技術的負債の解消を集中的に取り組む時間がほしいと思いはじめました。月に1日だけ集まって、普段の業務以外の事を行っています。
当初はサーバーチームだけで行う話だったのですが、それにクライアントチームが乗っかる事になり、最終的にエンジニアリングチーム全体で実施することになりました。それ以来、最終水曜日は技術的課題だけに取り組む1日になっています。
――ありがとうございます。最後に、「こんな人と働きたい」というものを教えてください。
小林:僕はやっぱり、自立心を持って、自走できる人が欲しいですね。こんな事をやりたいと自分から発信したり、課題があったら表に出して行動してくれる人が良いと思います。そういう人じゃないと成長できないと思いますし。
清水:弊社のエンジニアには、受け身の人はあまりいないと思いますね。
小林:積極的に、企画に意見を言うエンジニアが多いと思います。
清水:もう一つ加えると、より難しい課題や仕事に取り組みたいタイプの人はFiNCで楽しく働けると思います。自分がやっている事より難しい事って大変ですし、受け取り方によってはネガティブですが、そういった所に向上心を持ってやってくれる、意味を持って取り組めるなど、そういったモノの考え方をしてくれると結構楽しめるし、みんなとテンションが合うんじゃないかと思います。
ライター:澤山大輔
エンジニアに役立つ情報を定期的にお届けします。