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「怒涛の巻き返し、MRT社エンジニアが語るスランプ脱却とは」MRT株式会社

「怒涛の巻き返し、MRT社エンジニアが語るスランプ脱却とは」MRT株式会社

エンジニアの仕事は楽しまないと損

家ではUnityや遊びの一環でInstagramのAR機能を作っています。他にもラズパイを光らせて遊んだりとか(笑)。実用性は全くないですけど、楽しまないと損ですからね。(阪根氏)

家ではPythonを書いたりしてますね。データ分析の観点から競馬が面白いなと思っていて、データを組んでやってみたりだとか。(口村氏)

「医療を想い、社会に貢献する。」という理念のもと、設立から14年目で東証マザーズ上場を迎えたMRT株式会社。その裏で、プロダクトは長いスランプ状態に陥ってたという。上場後のプロダクトの落ち込みや社員のモチベーション低下を経験した阪根氏&口村氏コンビの怒涛の巻き返しとスランプ脱却について話を伺った。

MRT社のエンジニアキャリアとは

2021年には主力サービス「Gaikin」の医師紹介累計実績が180万件を突破し、医療関係者に継続的に必要とされるMRTの人材紹介サービス。同サービスの開発・保守を担当する阪根 和樹氏と基幹システムの開発・保守・運用をメインに担当する口村 健一氏はMRTにどのような想いを抱いているのだろうか。

再入社の決め手「MRTの社員は本当に関係性が良い」

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人材紹介システムの開発・保守の中核としてご活躍されている阪根氏。

阪根さんは新卒で入社されたそうですね。

阪根:2012年の4月に入社して、ちょうど10年くらい経ちますね。ですが、MRTの業務をやりつつ個人事業主として働いていた時期もありました。

ーなぜ個人事業主になろうと?

阪根:以前の上司は「全て自分の責任で仕事をする」というスタンスの方でした。その影響で自分も「技術的に1人でどこまでやれるのか」を試したかったんです

ーその後、MRTさんに再入社されたんですよね。

阪根:そうですね。個人事業主として働きつつ、MRTの業務もしてオンオフのバランスが取れていたんです。でも、そろそろMRTにフルコミットしても大丈夫だと思ったタイミングと、会社が必要としてくれたタイミングが重なって戻ってきた感じですね。

あと、MRTの社員は本当に関係性が良くて。それも再入社の決め手でした。

ー再入社する社員さんって結構いらっしゃるんですか?

阪根:他部署でもチラホラいますね。会社の安定性や待遇面がMRTの方が良いということで戻られるケースもありますね。MRTは従業員を守ろうという意識が強い会社だと思います。

下請けよりも自社サービスの開発に挑戦したかった

基幹システムの開発・保守・運用をメインに担当する口村氏。

ー口村さんは前職では何をされていたのでしょうか?

口村:Sler企業で6年ほどシステムエンジニアをしていましたね。

ーその後、なぜMRTさんに転職しようと?

口村:率直に給与が転職理由でした。あとは、Slerでは下請けのような業務が多かったので、自社開発している企業に興味を持ったのもきっかけです。

MRTは自社サービスを開発しているので、挑戦してみようと思いました。裁量権を持って働けて、ある程度自分の意見を通せる環境でもあると思ったので。それで、2011年11月にMRTに入社しました。

非エンジニア向けSQL社内講習会も

ー現在の業務について教えていただけますか?

阪根:人材紹介システムに関わるすべての業務をチームの中心として取り組んでいます。クラウドサービスや設計、開発から保守まで、何もかもやっていますね。新しい機能やシステムが欲しいと言われたときに対応するといった感じで。それでシステムの運用自体は、口村の方に任せています。

口村:そうですね。扱っているサービス自体は阪根と同じなんですけども、社内の事務課の問い合わせ対応など基幹システムの開発・保守・運用はこちらで対応しています。あとは、営業部門などへのデータ出力や課題解決の相談に乗ったりもしますね。

例えば、今月の案件数から確定しやすい案件を探したり。決算発表用資料のデータ出力などもしていますね。毎回カスタムしたデータを出力して、そもそも要件がおかしかったらそこを指摘したりと。

阪根特徴的なのが、口村主導でリーダー陣や一部メンバー向けにSQLの講習会をやっています。我々がどのようにデータを抱えていて、どう出力しているのかをエンジニア以外のメンバーにも理解してもらうための取り組みです。

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コミュニケーションなら競合に負けない

ー競合に対する御社サービスの優位性は何だとお考えですか?

阪根:コミュニケーションの取りやすさや社員の関係性は競合に負けてない自信がありますね。その他の強みは今から作っていきたいです。今後入社するエンジニアには「どうチームを作っていくのか」「どんな方向性の会社にしていくのか」というレベルから携わってもらいたいですね。

医療関係者へ貢献できる事業

ここからは事前にご回答いただいた「エンジニアによる会社評価」をもとに話を伺った。

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ー事業の公益性が特徴ですが、エンジニアとして社会に貢献してる実感はあるのでしょうか。

阪根:ぶっちゃけ、エンジニアが貢献できる公共性ってGitHubにオープンなリポジトリを立てて公開することくらいしかないと思います(笑)。なので技術的な貢献となると、正直今はその余裕がないです。

ですが、メディカル(営業部門など)を介して、間接的に医療関係者の方々に貢献できているかなとは思いますね。

MRTに根付くニックネーム制度とは

ニックネーム制度やフラットコミュニケーション制度(敬語を使わない制度)があるそうですが、実際に活用されてます?

阪根:こういった制度って、もともとMRTにある文化が制度化されただけであって、特にみんな意識せずにやっていると思います。

ただシステムエンジニアとしては、ニックネーム制度には反対です(笑)。社内の文書にもニックネームが使用されるので、ニックネームが使い回しされると困るんです。

同じニックネームの人がいると誰が書いたか分からなくなるんですよね(笑)。

けど、制度だからといって必ずしもニックネームを使う必要もないし、タメ口で話す必要もないです。一つの文化としてふらっと使えるものって感じですね。

ー自分の意見を発信しやすい文化もあるとお聞きしましたが。

阪根:そうですね。以前からそういう文化はありましたが、最近になってさらに社内の風通しの良さが高まっているように感じます。

結構、好き勝手やらせてもらってます

ースキルアップの面では何か特徴はありますか?

口村:比較的裁量権を持って働けるので、それはスキルアップに通じる部分かと。結構好き勝手できる環境ですね(笑)。

阪根:ただ、やりたい事だけをするのではなく、会社の現状や方向性にとってベストな選択や戦略を取るようには心がけていますね。その結果、競合と正面からぶつかることもありますが(笑)。

長いスランプを乗り越えたプロダクトの歴史

阪根氏と口村氏の入社約2年後に東証マザーズ上場を迎えたMRT。一見、順風満帆にも思える同社のプロダクト展開には紆余曲折があったという。

事前に共有いただいた「プロダクト変遷グラフ」をもとに話を伺った。

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上場後、展望が全く見えないほど落ち込みました

ー2014年の上場後、どんどんプロダクトが落ち込んでいるように見えますが何か要因があったのでしょうか?

阪根:プロダクト自体は入社した当初(2012年)から落ち込んで行く傾向にあったんです。なぜかというと、やたらと古いシステムをずっと使っていたからです。

ですが、システムを再構築しようという機運が高まった時期もありました。それがCTOが加わったタイミングです。当時は総勢20人近くのシステムエンジニアがいました。

その後、CTOが退職し、どんどんチームの規模が縮小され、インフラとシステムの開発が分断されて…。次第にプロダクトに対する開発者の熱意も落ちていきました。さらにシステムが古くなってきて、メンテナンスも回らない状態で。

実質、2019年時点でのプロダクトは-100点ぐらいでしたね。

システム再構築でプロダクトが蘇生

ー2020年の新システムリリース以降は回復傾向にあるように見えますね。

阪根:2020年の8月末ごろにメインシステムを再構築し、レガシーなシステムを刷新しました。具体的にいうと、旧システムはVB.NETやJavaのStructs 1で動いていました。全てEOLみたいな状態で運用していましたね(笑)。なので再構築により状況は改善しましたが、まだ旧システムの残骸は残っているのでそれを整理していこうという段階ですね。

直近の課題は、業務量や責任の分担

ー現在の課題について教えてください。

阪根:チームをリファクタリングできる状況に持っていくことが課題ですね。継続的な保守ができるような状況に持っていきたいです。

口村:組織としてナレッジを共有・蓄積することも課題ですね。業務量や責任の分担が上手くできていないのが現状ですね。

阪根:そうですね。そこがうまく分担できるようになれば、エンジニア主導での提案や開発がもっとできると考えています。会社全体の業務で改善できそうな点を、システム側からどんどん指摘できるようになるのが目標ですね。

PCより人間が好きな人に来て欲しい

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ー今後、どのようなエンジニアに入社してほしいですか?

阪根:向上心のある人に来ていただきたいですね。個人的には、スキル面って後からついてくるものだと思っていて。私自身、「フレームワークって何ですか?」という状態で入職しましたが、システムを守れるくらいの存在にはなれたので。

口村:言われたことをやるだけじゃなくて、自主的に学習できる人が良いですね。

ースキルそのものよりも、向上心や意欲といった人間性の方を重視されているんですね。

阪根:そうですね。PCが好きなのはもちろんですけど、最終的にはコンピュータを通した人間の方が重要だと思っています。営業部門とか、他のチームメンバーともコミュニケーションをとって、自分たちにはない目線や情報を吸収できる人が良いですね。

MRT株式会社

東京大学医学部発の医療ベンチャーとして2000年に設立。外勤医師向けオンラインマッチングサービス「Gaikin」や常勤医師向け転職サービス「career」など人材紹介サービスを主力とする。その他、医師の不足や地域偏在、医療費高騰などの社会課題解決に向けて複数サービスを展開。今後ますます需要が高まるであろう「ヘルスケア」分野でテクノロジーを活用したサービスを次々と生み出す注目企業。

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フォークウェルプレス編集部

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本サイト掲載の全て記事は、フォークウェル編集部が監修しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程をチェックしています。

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