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2015.05.04 2023.12.14 約4分
JavaScriptは、Webアプリケーションを作るために欠かせないプログラミング言語の1つです。主にWeb画面のデザインや情報表示、使い勝手を決める役割を持ち、HTML、CSSと組み合わせて利用されることが多くなっています。Node.jsによって、フロントエンドのみならずサーバーサイドの環境構築も担うことから、利用者、および興味が出てきた方も多く見られます。
今や様々な開発業務で使われる言語であるJavaScriptですが、この言語を使う業務に携わるエンジニアの年収相場はどれくらいなのか気になるところです。今回は、JavaScriptエンジニアに興味を持った方に向けて、年収面について解説していきます。
JavaScriptエンジニアを目指すにあたり、年収とともに求人需要を把握しておきたいところです。ここでは年収と求人状況を解説します。
求人検索エンジンの「スタンバイ」で発表された2017年プログラミング言語別の年収ランキングでは、JavaScriptが第9位で536万円でした。その後2018年に発表された同様のランキングではランクインしておらず、年収は10位の525万円よりも下という結果でした。
この結果から、JavaScriptエンジニアの平均年収は約500万円程度と予想されます。
上記ランキング情報はあくまで平均値です。より高年収を望む方は多言語スキルや複数のOSへの対応など、高いスキルを身に付けましょう。
2020年3月現在JavaScriptの求人は求人市場全体で2,000件以上あります。JavaScript開発に限った募集というのは少なく、フロントエンドエンジニアやWebエンジニアとして幅広い業務を担当する技術者の募集が多く見られます。以下は、JavaScript開発未経験で応募できる求人の年齢別の年収例です。
年齢別の年収例 |
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450万円/月給30万円+賞与(28歳・PG)585万円/月給39万円+賞与(36歳・PG)750万円/月給50万円+賞与(41歳・SE) |
平均である500万には、おそらく30代前半には到達できます。その後の年収は、キャリアによって大きく変わっていき、プロジェクトマネージャーなどの管理できる立場になれば1,000万円を超えるのも可能です。
フリーランスの場合、平均の月額単価が1件あたり72万円で最低単価が35万円、最高で145万円となります。企業に勤めてエンジニアをするよりもフリーランスのほうが年収が高くなることも多いです。
しかし、フリーランスの場合はスキルがなければ契約を切られてしまうので、スキルがないとフリーランスとして活躍していくのは厳しいです。スキルが十分ある人であればかなりの高収入を得ることができるため、実力に自信のある方はフリーランスがおすすめです。
JavaScript開発エンジニアの年収についてわかったところで、どういった業界で使われるのかを見ていきましょう。IT業界は大きく以下の4つに分類されます。
IT業界の分類 |
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インターネット業界・Web業界情報処理サービス業界ソフトウェア業界ハードウェア業界 |
この中でもJavaScriptは、「Web業界」で使われることが多いです。ではWeb業界での役割について解説していきます。
実はWeb業界のデザイナー、いわゆるWebデザイナーにおいてもJavaScriptは必須の知識です。Web業界でいうデザインというのは、私たちが普段見るようなWebページをさしています。例えば、何か企業のホームページを見るときに表示される文字や背景や画像のレイアウトなどを作るのがデザイナーの仕事です。ホームページを作る時に必要になるのが、HTML、CSS、JavaScriptの知識になります。
それぞれの役割は、まずHTMLとCSSで画面上の文字や装飾を施していきます。そしてJavaScriptで動的なサイトに仕上げるのです。動的とは、何かアラートを表示させたりカーソルが重なったときに文字をぼかしたりするなどの処理です。
現場によってはHTMLとCSSだけデザイナーが納品し、その後プログラマーによってJavaScript部分をコーディングするケースもあります。
フロントエンドエンジニアは、Webデザイン案を実現するための設計や実装をおこなっていきます。知っておきたい言語は、HTML、CSS、JavaScript、PHP、Rubyなどの言語です。特にHTML、CSS、JavaScriptは必須なので身に付ける必要があります。
基本的にはWebデザイナーがデザイン部分を作成しますが、案件によってはフロントエンドエンジニアがデザインから担当するケースもあります。そのため、コーディングだけではなくデザインについても学んでおくとフロントエンドエンジニアとしての市場価値が高まります。
Webアプリケーションエンジニアは、クライアントが抱えている課題に対して解決に適したWebアプリケーションの設計や開発をします。基本的には、プロジェクトに参画するポジションによって役割が異なります。
プログラマーとして参画した場合は、主に開発やテストを担当することになります。システムエンジニアとして参画した場合は、クライアントの課題の把握やシステム設計を中心におこなっていきます。いわゆる上流工程と呼ばれる設計部分をシステムエンジニア、下流工程呼ばれる開発工程をプログラマーが実施していくのです。
Web上で動かすアプリケーションは、UI部分にJavaScriptを使っています。また最近はNode.jsを使いサーバーサイド開発をする案件が増えているため、JavaScript の知見は幅広い分野で活用できると言えます。。
Webアプリケーションとは切っても切り離せないJavaScriptですが、将来性はあるのでしょうか。せっかく学ぶなら長く使われる技術を身に付けたいものです。ここでは、JavaScriptの将来性について解説します。
ソフトウェア開発に関する調査会社のRedMonkでは、GitHubにおけるプルリクエスト数と、開発者向けの知識共有サイトStack Overflowでタグ付けされた言語の2つを元に、人気言語のランキングを発表しています。
このランキングでJavaScriptは1位を獲得しており、全世界で人気の高いプログラミング言語であることがわかります。
また現在注目されている機械学習の分野でも、JavaScriptは人気を博しています。機械学習といえばPythonをイメージされる方が多いですが、実はJavaScriptにも多くのライブラリが登場しているのです。JavaScriptは敷居が低く初心者でも学びやすいため言語のため、機械学習に興味があるけどPythonの知見がない方におすすめです。
世界的に人気のあるJavaScriptですが、最近はサーバーサイドの言語としても幅広く利用されています。特にサーバーサイド開発に使うJavaScript環境の一つであるNode.jsを扱うためには、JavaScriptの知識が必須となっており、今後もNode.jsの活用が予想されることからJavaScriptの将来性は高いといえるでしょう。
JavaScriptの年収に着目してみると、2018年のランキングで圏外になってしまい他の言語に比べて低い傾向があります。その理由の一つとして、扱える人材が豊富にいることが挙げられます。
JavaScriptは長年使われてきた言語で、利用用途が幅広いことから、多くのエンジニアの必須スキルとも言える技術です。扱える人材が増えることにより、希少性は薄れてしまいます。そのため、希少性の高い比較的新しい言語が上位にランクインしているのです。
より高年収を目指したい人は、JavaScript以外の言語を身に付けましょう。今の時代、JavaScriptを扱えるのは当たり前になってしまい、JavaScriptだけを扱えても高年収を目指せません。そのため、他の高年収を目指せる言語を身に付ける必要があります。特に「Go」や「Scala」などの扱える人材の少ない言語を選ぶと、それだけ希少性が高まるためおすすめです。
エンジニアとしてJavaScriptは身に付けておきたいスキルの一つです。ここでは、できるだけ効率的にJavaScriptを学べる方法を解説します。
まずはJavaScriptを学習するための環境を整えましょう。JavaScriptはコンパイルの必要がないため、エディタやブラウザを用意すればすぐにプログラミングができます。
また作業を進めていく上でファイルの拡張子は非常に重要です。そのため、ファイル名が表示される時に拡張子が常に表示される設定にしましょう。手順は、エクスプローラーを開き表示タブに切り替えたら、「ファイル名拡張子」のチェックボックスにチェックを入れればOKです。
プログラミングを学ぶ人が増えたことで、プログラミングスクールの需要が高まっています。しかし、プログラミングスクールは高額のため、いきなり通うのはハードルが高いです。そこで、まずは無料で利用できるオンラインサービスを利用して効率的に学習を進めましょう。
オンライン上にはさまざまな種類の学習サイトがあるので目的別にご紹介します。まずは、書籍のように文字ベースで学習を進める「とほほのJavaScriptリファレンス」です。このサイトは、項目によってサンプルプログラムを用いた説明をしてくれます。実際に自分のパソコンでもサンプルコードを打ち込みながら進められるため、ただ眺めるよりもしっかりと理解をしながら進められるのが特徴です。
次にゲーム感覚で楽しく身に付けられる「code.9leap」です。進め方は、お手本となるプログラムをお題の内容にしたがって修正していく形式です。1からプログラミングをするわけではなく、すでにでき上がっているプログラムに対して修正を加えるため初心者でも楽しく進められます。
最後に、基礎から応用までを一貫して学習したい方におすすめの「ウェブプログラミングポータル」です。このサイトの大きな特徴は、初心者にもわかりやすい説明であることです。プログラミングは概念を理解するのが難しく、理解できずに挫折するケースが非常に多いです。そういった理解しにくい部分を、このサイトでは初心者でもわかるようにかみ砕いて説明しています。また、入門編・中級編・応用編・実践編とあり自分のレベルに応じた選択ができるので着実にスキルアップできるのです。
オンライン上で学習できるさまざまなサイトが増えていますが、体系的に言語を学びたいときには参考書を使った学習が効果的です。IT業界は移り変わりが激しく、すぐに新しい技術が登場します。こういった最新のトレンドを把握することはエンジニアにおいて非常に重要です。ここでは、比較的新しい中級者向けの本を2点ご紹介します。
まずはES2016およびES2017の新機能も解説している「初めてのJavaScript」です。ES (ECMAScript) とはJavaScriptの標準規格のことを指しており、この本を通して最新の仕様を理解することができます。この本では、ES2015以降のバージョンに対応しており最新の技術を学べます。
もう一つは、ECMAScript 2015(ECMAScript 6)をベースに、再利用性を高める実践テクニックを網羅的かつ段階的に解説している「JavaScript関数型プログラミング」です。関数型思想の習得を目標とし、大規模プログラムでも対応できる思想をやしなうことができます。
より高い年収を得るために、いくつか意識しておきたい点をご紹介します。
大手企業の場合、クライアントと直接やり取りする機会が多いため、下請けよりも単価が高いです。IT業界では、同じ業務内容でも下請けしているのかどうかで大きく年収に差が出てしまいます。そのため、大手企業の年収は高い傾向があります。
IT業界で需要の高いエンジニアとして生き残っていくためには、日々最新の技術のキャッチアップが必要不可欠です。しかし、基本的に業務では同じ言語を扱っていくため、常に受け身で業務にあたっているだけでは、最新の技術に対応できなくなるかもしれません。そこで、業務後や休日にセミナーや勉強会などに参加するのがおすすめです。
もちろん自分で勉強をするのも良いですが、セミナーや勉強会ではすでに知識を持っている有識者によっておこなわれます。そのため、よりわかりやすく理解できるのです。また最近では無料でおこなっていることが多いため、とりあえず参加してみてゆくゆくは自分でも勉強会を企画できるようになりましょう。
スキルアップの内容としては、最近のトレンドである技術の情報収集を欠かさずおこない、JavaScript以外の言語にも目を向けることが重要です。扱える言語が増えれば、それだけ選択肢も増えるため、少しずつ扱える言語を増やすのがおすすめです。
エンジニアは技術だけではなく、ヒューマンスキルも非常に重要です。特にコミュニケーションスキルやマネジメントスキルがあるとより仕事の幅が広がります。
エンジニアはチームで開発することが多いため、コミュニケーションを円滑におこなうことで案件もスムーズに進んでいきます。またエンジニアはクライアントの課題を解決するのが仕事です。そのため、クライアントにどういった課題があるのかを汲み取るコミュニケーションスキルが必要になります。
もし今後、プロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャーを目指したい方であれば、マネジメントスキルは必須要件です。クライアントとの調整からプロジェクトチームの管理など、多くの場面でマネジメント力が必要になります。
今回は、JavaScriptエンジニアに興味を持った方に向けて、JavaScriptの年収面について解説しました。
JavaScriptは世界的に人気のある言語で、国内でも需要の高い言語です。しかも、初心者でも身に付けやすい言語のため、これからエンジニアになりたい方におすすめの言語です。そしてより高収入を目指すためには、JavaScriptに関する知識に加えて他の言語にも目を向けるのが重要と言えるでしょう。