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「責任を持つのは、懇親会まで」エンジニアコミュニティ座談会【2】

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エンジニアコミュニティが活況を呈している昨今。成長し続けるエンジニアを応援しているForkwellではコミュニティへのインタビューを通じ、コミュニティがより盛り上がるよう、お手伝いをさせていただいています。今回はコミュニティ主催者8名による「エンジニアコミュニティ座談会」を敢行し、全3回にまとめました。第2回はコミュニティでのトラブルや会場探しをお聞きします。

エンジニアコミュニティ座談会

第1回 「主催者は、つらいよ」エンジニアコミュニティ座談会【1】
第2回 「責任を持つのは懇親会まで」エンジニアコミュニティ座談会【2】
第3回 「発表内容以外ぜんぶ、誰かに任せたい!」エンジニアコミュニティ座談会【3】

コミュニティに出会って「人生が変わったんです」

――Eさんは、最初は会社の企画としてコミュニティを始められたとか。

主催者E そうですね、会社主催のコミュニティを運営しているうちに今のコミュニティに出会って、大げさではなく「人生が変わったんです。」

もともとは別業界で働いていて、最初は右も左もわからない状況だったんですね。それこそITって何? クラウドって何? ってところから始まって。今はとにもかくにも恩返しを意識しています。今年からは、海外を中心にいろいろ回ろうかなと。

――すごい。恩返しってのは、そこでいい経験をしたからですか?

主催者E そうですね。「自分を生きているな、」と思いました。それまでは毎日病んでいたぐらいなので、「迷わず前に進むしかない」と思って。

IT業界って、本当に優しい人が多いんです。前の業界はすごく縦社会だし本当に体育会系で、質問を聞いても「そんなこと聞いてくるな、自分で調べろ!」って言われて。こんなに勉強会やってる職種はないと思います。

主催者C 確かにそう考えたら、この業界は特殊かもしれないですね。

主催者B これだけの深い知見をやり取りするコミュニティが林立していて。

――しかも無料で展開されていることがほとんどという。

主催者A 寿司は有料だけどね(笑)。

コミュニティクラッシャーって、いた?

――優しい人は確かに多い印象ですよね。とはいえ、サークルクラッシャーならぬコミュニティクラッシャーもいたりはしますか?

主催者B まあ、「何だろうこの人?」って人がいなくはないですけどね。

主催者C ウチではないんですけど、スタッフをクビにしたコミュニティを知っています。この辺はあまり詳しく言えないところなんですけど、過去にもいろいろトラブルを起こしていた人のようです。

その人、仕事で実績がほとんどないにも関わらず、勉強会で会った人に過大な自己アピールをして仕事を集めていて。そこで、ある会社が仕事をお願いしてみたら、スキル的にも人間的にも問題が多く自分からすぐに辞めてしまったと。問題はそのあとで、SNSでその会社の悪口を書きまくっていたんです。

――えええええ。

主催者B 誰だろう、知ってる人かもしれない(苦笑)。

主催者C 一時期すごい勉強会に顔を出していた人なので、ひょっとしたら面識はあるかもしれないですね。その辺、過去の経歴までは洗えていないので。結局出禁にしたんですけど、そういうケースは過去にありました。 

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「責任を持つのは、セミナー会場での懇親会まで」

主催者D それでいうと、ウチはジェンダー的なトラブルがありましたね。参加者の方が女性スタッフを無断で撮影したケース。あとで個人を特定して、TwitterのDMでやり取りして「もう二度と撮影しないでください」とお願いしたり。

――それは、撮影された方が気づいたんですか?

主催者D そうですね、「撮られた気がする」って女性から通報を受けて。相手のアカウントを名札の内容から覚えていたので、本人に確認を取ったら認められたんです。 

主催者C 私が関わる別の勉強会でも、外から呼んだゲストに喋ってもらったんですが、その方が懇親会の帰り道に女性と二人きりになって。

「もう一軒行くぞ」って無理やり居酒屋に連れて行って、そこで酔い潰して、女性がそのまま救急車で運ばれたということがありましたね。幸いその方は無事でしたし、警察沙汰にもならなかったですけどギリギリの事案だったと思います。

――「IT業界は優しい人が多い」のは確かですが、そういうケースもまたあるんですね。

主催者D なので、ウチからはコミュニティの外で二次会みたいなことは絶対に企画しないと決めています

主催者E ウチもそうですね、運営から二次会を提案することはありません。責任を持つのは、セミナー会場での懇親会まで。

主催者B ウチは勉強会で知り合った同士で結婚した事例があるんですけど、そういうケースが増えると困りますね……。

主催者C スピンオフでやってるところで、揉めてるという話は事後報告で聞きました。何人かに聞き取り調査をしましたよ。こういうのは、きちっとコミュニティでアナウンスを出さないといけないところですね。

主催者A 「私たちは、こういう行為を許しません」と。

「もう一歩踏み込んだ」コミュニティのガイドライン

――そこはコミュニティ全体で共有したいですね。

主催者A むしろconnpassにもそれをやってほしいかも。「最低限のルールを守る」ってのは利用規約に入ってると思うんですが、もう一歩踏み込んで。

主催者B とはいえ正直、ガイドラインは作るほどのものでもなくないですか? 割と常識的というか、法律レベルの話な気がします。

主催者C 今はそれがないことによるリスクのほうが高くなってる気がするんですよね、アメリカのコミュニティとか全部きっちり決まってますから。

――トラブルが発生したときにこう、みたいのが決まっていると。

主催者C 辛いところではありますよね。僕ら自分がやりたくて無償でやってるわけですが、何かあったときに責任を追及される立場になるわけで。例えば火事が起こったとき、消防法に適した人数じゃなかった場合にどうするかという話でもありますよね。

主催者B 最悪逃げ遅れて1人死亡しました、みたいなことが起きたら書類送検ですからね。そこはきちんと詰めておかないと、スケールアップしたら起こり得るケースですから。 

――イベント自体も、1,000人を超えるイベントについては消防に届け出が必要になったりしますよね。

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大きい会場が空いてない。有料でいいから使わせて!

――コミュニティ運営において、リソース的に足りないものの話は伺いましたが、他に足りてなくて困ってるものはありますか?

主催者A 最初にも話しましたけど、会場ですね。それが一番大きいです。

主催者C だいたい100名規模の会場を借りるんですけど、来週やるミートアップは400名の申し込みがあるんです。4分の1しか当たらない、抽選に外れたらおしまい。嵐のライブじゃないんだから(苦笑)。

来れない人をどうするの問題があって、400人規模の会場を探すとなるともう有名な箱しか残ってないんですよ。

――YouTubeなどで配信するのは?

主催者C そうすると、フリーライドになるんですよね。YouTubeで配信する人は無料で見られるけど、会場に来てる人はお金を払って参加するという形になる。お金を払って運営している会なのに、無料で見られることになっちゃうので。

主催者B それにしても、有料なのに400人集まるって半端ないですけどね。

主催者D 懇親会費として取ればいいんじゃないですか、1,000円とか。

主催者C 名目上はもう懇親会にはしてるんですけどね、懇親会に参加しない人からも平等に1,000円もらうような。

――それでいうと、だいぶ規模も大きくなるので法人格の取得は検討されないんですか?

主催者C もう、そういうフェーズですね。実際に検討しています。今のウチのコミュニティ、予算規模が大変なことになってるので……

ただ、社団法人にして運営する話は出てるんですけど、そうすると「空き時間を利用して運営する」って感じではなくなるんですよね。規模によっては形式的な法人を作って、みんなで使えるようなものを作るなら助かるケースもあるのかもですが。

――会場の話に戻すと、弊社groovesはエンジニアの採用媒体をやってる関係でWEB系の企業とお付き合いが多く、どの企業さんも会場を貸してくれたりします。そういうコネって、皆さんお持ちだったりはしないんですか?

主催者A ある程度は、って感じですね。

主催者B それでも、取れないときはあります。その場合、面識のない会場にアポイントを取らなきゃいけないですね。特に、大きな会場は全然空いてなくて。正直、有料でいいから使わせてほしいです。

――IT勉強会向けに貸し出しを行なう会場のまとめは、お持ちですか?

主催者A あります。ただ、載ってない場所もたくさんあるんですよね。知り合いじゃないと貸さないとか。実際、そうでない人に貸したら電気消し忘れたとかカギ掛け忘れたとか、トラブルもあったみたいです。

――そういうことですか……。

主催者C 結局、信頼なんですよね。よくわからない人が勉強会をやりたいと言っても、ぱっと貸してくれる会場はなかなかありません。

主催者B ウチの勉強会にはDeNAさんとかサイバーエージェントさんとかの方がいるので、そういう人たちが根回ししてくれたりしますね。

参加者って、「お客さん」気分なんです

主催者D あとは、運営の手際について話題になることもあって、それも結構ストレスだったりします。

――それは、コミュニティ内で?

主催者D そうです。コミュニティ参加者って、「お客さん」気分なんですよね。参加している意識が希薄というか、「お金払ってるんだからサービスしてくれ」が強いというか。満足度をいくら上げても、文句を言う人はいるんです。ちょっと問題だなと思っていて。

ウチってコミュニティの参加者だけじゃなく、当日のスタッフも募集するんですね。コアのスタッフ以外が受付してくれたりします。ただ、その辺は当日に簡単に説明すればいいって思ってたんですが、1〜2週間前ぐらいに「何したらいいんですか」みたいな問い合わせが来て、事細かに説明しなきゃいけなかったりします。

その説明がないとどんどん不安になっていって、挙げ句「あのスタッフたちは何も説明してくれない、もう嫌いだ」みたいに言われたりして(苦笑)。なので、マニュアルを作ろうかなと思ってます。

――大変ですね(苦笑)。とはいえ、そのマニュアルを共有したら汎用性は高そうですね。

無料のイベントにも求められる「運営の質」

主催者C ウチも、その辺のリストは全部マニュアル化してます。

主催者D 無料のイベントなんですけど、運営の質に対してもやっぱり文句言われるんですよねえ……。

主催者B 無料なのにそこ期待するなよと(笑)。そういう人、次回から蹴っちゃえばいいんじゃないですか?

主催者D それが、蹴ったとしても来ちゃうんですよね……。

主催者A 「お前なんか客じゃない」でいいんじゃないんですか?

主催者D その辺は、こちらの気の持ちようかもしれないですけど。

<【3】に続く>

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フォークウェルプレス編集部

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本サイト掲載の全て記事は、フォークウェル編集部が監修しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程をチェックしています。

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