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2015.05.18 2023.12.14 約4分
引用元:日経xTECH「プログラミング言語実態調査2018」
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00628/030400001/
このグラフは、日経 xTECHが2018年10月に実施した「プログラミング言語実態調査」の結果です。1,000人を対象に「今後スキルを磨きたいプログラミング言語」をテーマにアンケートを実施しました。見事Pythonが1位に輝き、人気の高さを見せつけました。
このグラフから見て分かる通り、Pythonの人気は高まっておりPythonエンジニアを目指す人が急増中です。その理由の1つに高年収であることが挙げられます。Pythonは多くの有名企業で採用され、最近流行りの技術である人工知能を得意としている言語のため、他の言語と比べて高年収で募集している企業が多いです。現在エンジニアとして働いている人の中でも、Pythonに魅力を感じて言語チェンジを考えている方も多く見受けられます。
しかし、実際にどういったステップでPythonエンジニアになればいいのでしょうか。そこで今回は、Pythonエンジニアに興味を持った方に向けて年収や必要なスキルなどについて解説していきます。
エンジニアの中でも高年収と言われているPythonですが、実際にどれくらいの年収なのか気になるところです。ここでは他のプログラミング言語と比較しながらPythonエンジニアの年収について解説していきます。
エンジニア業界の平均年収 | Pythonエンジニアの平均年収 |
---|---|
約350万円~500万円 | 約575万円 |
引用元:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
上の表は厚生労働省で実施した「賃金構造基本統計調査」の結果です。Pythonエンジニアの平均年収は、エンジニア業界全体の平均年収を大きく上回っていることがわかります。
順位 | プログラミング言語 | 言語別の平均年収(万円) |
---|---|---|
1 | Go | 600 |
2 | Scala | 600 |
3 | Python | 575.1 |
4 | Kotlin | 575 |
5 | TypeScript | 575 |
6 | R | 574.8 |
7 | Ruby | 550 |
8 | Swift | 550 |
9 | Perl | 525 |
10 | C | 525 |
引用元:求人検索エンジン「スタンバイ」 https://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2018/0807.html
上の表は株式会社ビズリーチが運営する求人検索エンジン「スタンバイ」で実施された「プログラミング言語別年収ランキング2018」の結果です。IT業界の動きは非常に早く、プログラミング言語も新しい言語に変わることが多い中、Pythonは3年連続で3位以内に入っています。このことからもPythonの需要の高さがみてとれます。
3年連続で年収ランキング上位にランクインしたPythonですが、なぜここまで年収が高いのでしょうか。そこには大きく2つの理由があります。
まず1つ目の理由はPythonは習得自体が難しい言語だということです。実はPythonを扱った技術は独学で学びにくく、機械学習案件等を実装できるエンジニアが日本に少ないです。そのため、Pythonを使った開発の経験があれば、貴重な人材として優遇される可能性が高くなります。
2つ目はAIなどの人工知能分野での需要が高まっているからです。現在、第3次AIブームが到来しており人工知能分野に強いPythonエンジニアが重宝されています。企業によっては、年収1,000万円以上を条件に募集しているケースもあり、企業にとっては喉から手が出るほど欲しい人材です。
人工知能は私たちの身の回りにも増えており、より身近なものへと変わってきています。スマホやAI家電を始め、最近では自動運転の実証実験にも人工知能が使われており、今後も私たちの生活に大きな影響を与え続けていくことでしょう。
Pythonの年収の高さについてわかったところで、将来性についても気になりますよねせっかく身に付けるなら今後も使われ続けるプログラミング言語を身に付けたいです。
結論を申し上げると、Pythonは将来性も非常に高いです。その理由を解説していきましょう。
Pythonは多くの有名企業で採用されています。例を挙げると、アップル、Google、Yahoo!、YouTube、DropBox、マイクロソフトなどの世界的に有名な企業です。ほとんどがIT先進国であるアメリカの企業ですが、今後は日本を始め世界にも需要が広がっていく可能性も高いでしょう。読みやすくあらゆるジャンルで使いやすい
Pythonは、特徴の中に簡潔なコードであることが挙げられます。この特徴は、プログラミングをした人による差がうまれにくくメンテナンスがしやすいというメリットがあります。
また、人工知能分野のイメージが強いPythonですが他の分野にも活用されており、今後もさまざまな分野で応用されると考えられます。
Pythonエンジニアの需要の高さと高年収なところに惹かれ、今後はPythonエンジニアとして活躍していきたいと思った方も多いでしょう。活躍していくためには、どういった仕事内容なのかを理解しなければなりません。ここではPythonエンジニアの仕事内容と活躍できる業界をご紹介します。
Pythonエンジニアといえば機械学習です。よく言われている人工知能の中に機械学習が含まれています。機械学習とは、コンピュータに命令とデータを与えて機械の知識を向上させていく分野です。与えるデータが多ければ多いほど、機械の知識もより向上していきます。
機械学習が使われている例として、自分の写真がどの有名人に似ているのか調べられるアプリがあります。この記事を読んでいる方の中でも、スマートフォンのアプリで利用したという方もいるかもしれません。このアプリではまさに機械学習が使われています。機械には有名人の画像を学習させ、その中から判定する写真の人物がどの画像により近いのかを判断させているのです。こういった機械学習の分野は、スマホアプリだけではなく多くの分野で活用されています。
また機械学習はエンジニア業界の中でも最先端の分野に活用されることが多いです。そのため、今後は最先端の技術に携わっていきたいという方は機械学習の分野がおすすめです。
PythonはWebアプリケーションにも使われています。メジャーなWebアプリケーションだと、ドロップボックス、インスタグラム、ピンタレスト、YouTubeなどです。Pythonは軽量であることから、最近のサービスで使われることが多くなっています。
例を挙げた企業のように、流行を仕掛けるクリエイティブな分野で活躍していきたい方はPythonエンジニアになってWebアプリケーションの開発に携わるのがおすすめです。
Pythonは統計解析分野にも強い言語です。よく使われている例としては、Webサービスやシステムで得られたデータを処理できる形に正規化し、その後統計学を用いて分析する手法です。最近はビッグデータ分野が注目されており、大量のデータを分析し新たな経営戦略に役立てている企業が多くなっています。統計解析をすることでデータの見える化にもつながるため、工場などでは生産性を向上させるために利用されることが多いです。統計解析分野は現在エンジニアをしている人でも、今後データサイエンティストにキャリアアップしたいという人におすすめです。
他にもPythonエンジニアの需要が高い分野として挙げられるのが医療関連の分野です。現在医療分野の求人が多くなっており、多くの医療現場でPythonエンジニアが必要とされています。求人の内容としては、医療系Webシステムの開発や医療関連ビッグデータの解析などの仕事です。特にビッグデータ分野は、患者のカルテなどの大量のデータをどのように活用していくかが求められています。統計解析分野に強い人材であれば、医療関連の分野で必要とされより高収入を目指せるでしょう。また、医療分野では予算が豊富なことが多いため高収入が期待できます。
Pythonエンジニアになるためには、必要なスキルや経験があります。実際の求人を例に挙げながら解説していきましょう。
【例①】
仕事内容:データ分析による成果改善 収入:300万円~ 条件:【必須】・IT業界やプログラマに興味がある【歓迎】・実務経験あり |
【例②】
仕事内容:マーケティングソリューションの開発・運用業務 収入:400万円~ 条件:【必須】・WEBプログラミングの実務経験(他言語可) 【歓迎】・Pythonでのプログラミング経験・自然言語解析や検索アルゴリズムに関する知識・機械学習に関する知識・パフォーマンスチューニング・AWS等の仮想環境導入経験 |
【例③】
仕事内容:IT資産管理システム導入エンジニア 収入:350万円〜 条件:【必須】・インフラの設計・構築・運用・保守【歓迎】・実務経験3年以上・SQL/RDBMSに関する基礎的な知識・経験・IPA基本情報技術者試験(FE)合格程度の基礎知識 |
ここで例を挙げた求人は、未経験から目指す場合や既にエンジニア経験のある方が言語チェンジする場合でも可能な求人です。全体的に、Python経験者の求人と比べると収入は少ない傾向があります。未経験でも挑戦ができる求人もあるため、まずはここで数年間の経験をつみ、その後キャリアアップしていくのがおすすめです。
ここで必要なのは、スキルよりもやる気や向上心になります。Pythonでの実務経験はないため、Pythonエンジニアになるためにどういった取り組みをしているのかを伝えましょう。例えば、何か動くサービスを作って面接時にアピールしたり、資格の取得をしてアピールしたりなどです。ここで面接官にうまくアピールができればPythonエンジニアとして活躍していけるでしょう。
【例①】
仕事内容:AI機能設計&実装 収入:700万円〜2,000万円 条件:【必須】・Linuxが扱える(AmazonLinuxだと尚可)・pythonを使った開発・実装経験が2年以上ある 【歓迎】・OCRの経験がある・NLPの経験がある・tesseractで学習モデルを作成したことがある・LSTMの知見がある |
【例②】
仕事内容:データ分析 収入:580万円〜1,500万円 条件【必須】・データ解析バックエンド処理の実務経験が1年以上ある・Hadoopエコシステム・NoSQL・AWS RDS・Elasticsearch等に実務的見識がある・R, Python, Scala, Javaの実務的見識がある・ビジネスレベルの英語 |
【例③】
仕事内容:ITコンサルタント 収入:600万円〜1,400万円 条件:【必須】・新規事業を立ち上げた経験、もしくはAI/BIを用いてビジネス課題の解決策を提案した経験 【歓迎】・サービス開発を実施した経験・Python、R言語等によるデータ分析スキル・統計解析・機械学習、人工知能分野での情報発信実績 |
ここで例を挙げた求人は、Pythonの実務経験の他に幅広い知識や言語スキルを必要としている求人です。要求されるスキルは先ほどの求人と比べると非常に高いです。
ここで重要なのは、今までの経験を伝えその他のスキルについてもうまくアピールすることです。実務経験であれば、どういったプロジェクトを経験し、自分はどういった立場で参画しどのように貢献したかを伝えましょう。またプロジェクト中に発生した課題に対して、どういったアプローチで解決したのかも非常に重要です。その他にも、Python以外の技術についても積極的にアピールしましょう。特にクラウド分野やセキュリティ分野の知識に強いと幅広く対応できます。
今回はPythonエンジニアに興味を持った方に向けて年収や必要なスキルなどについて解説してきました。
Pythonエンジニアの年収は、他のエンジニアと比べても高く、需要も高まっているため将来性もあります。またPythonエンジニアの人材が不足しているため、今からでも十分にPythonエンジニアを目指せます。
今回の記事を参考にPythonエンジニアに必要なスキルを身に付けていきましょう。