目次
■エンジニアの軌跡
2019.03.13 2023.12.14 約3分
エンジニアとしてキャリアを築く意気込みと展望に注目する Next Unicorn Engineer 。今回は「自分でプロダクトを作ってドカンと稼ぐ」という父の夢を叶えるためDIVE INTO CODEへ入学しエンジニアを目指した伊原氏を紹介します。卒業制作でのマッチングアプリ開発など意欲的に活動し、将来的には起業を目指すそう。「成功者は天才かバカのどちらか」であると独自の視点で将来設計を語ります。
──伊原さんがDIVE INTO CODEに入られたきっかけを教えてください。
伊原:きっかけは高校3年の時ですね。大学への進学は、推薦入学で早めに決まっていたんです。それで、プログラミングをやり始めていたんです。そうしたら、父から「スクール代を投資するから、僕が作りたいものを作れるようになってほしい」と言われて。父親にも夢があったみたいです、「自分でプロダクトを作ってドカンと稼ぐ」という。でも、今はすでにやっている仕事もあるし、仕事を辞めてプログラミングをするとなるとリスクもありますよね。そこで「お、いいところにプログラミングを勉強し始めたやつがいる」となって(笑)。父は、エンジニアリングとは関係ないベンチャーキャピタル的なことをやっているんです。1からやるとなると大変だ、というところで私に目をつけたようです(笑)。
──最初、御父様からご提案を受けたときはどう思いましたか?
伊原:最初は迷いました。やり切れる自信もなかったので。でも、前からプログラミングはやりたかったので、「これは良い機会だな」と思って挑戦することにしました。
──プログラミングに興味を持ったきっかけは、どのあたりだったんですか?
伊原:私、元々小さいころから物作りが好きだったんです。と言っても、プログラミングではなく工作とかなんですけど。アトリエ教室などに通っていました。でも、これからそちらの道で仕事を見つけるとなると、高いレベルの芸術のセンスがないと生きていけないじゃないですか。また、今からの物作りってPCの中にあるんじゃないかなと思って。それでプログラミングで物作りの手段として言語を学んでいけたらなというので始めました。
──それで、卒業発表で「OSUSOWAKE」というサービスを作られたんですね。製作期間はどれくらいでしたか?
伊原:2018年11月に卒業したので、卒業までの1ヶ月ぐらいで作りました。思いついたきっかけは、大学進学に伴って1人暮らしを始めたことです。私は料理が好きなんですけど、1人分だけ作るとなると逆にお金がかかったりするんですよね。また、食べてくれる人がいないと、なかなか料理のクオリティが上がらないんです。
一方で、1人暮らしの男性は「手料理を食べたい」という人がいるんじゃないかなと思って、そういう2人をつなげたらどうかなと思ったんです。
他にも、子育てで忙しいお母さんと地域のおばあちゃんなど、マッチする組み合わせは無限にあると思います。
──料理をどんな形かで手渡して、そのあとフィードバックをもらえる仕組みなんですね?
伊原:そうですね。まだユーザー評価の機能をつけてないんですけど。作る側としては料理名を決めて、大まかな受け渡し場所を決めるんです。マッチングしても、場所が遠いと取りに行けないじゃないですか。そのために大まかな場所をまず決めて、マッチングしたら買い出しに行くまでの期間を決めます。それまでに食べたい人が現れたら「何人分作る」と決めて、その分だけ買い出しに行って。
ここではチップ制で、値段をかっちり決めるのではなくて感謝の気持ちをユーザーから受け取るようにしたんです。あまりかっちり決めてしまうと食品衛生法に引っかかってしまうかもしれないので。
食べる側は、帰りに寄れる場所などで検索します。例えば「千葉県柏市」と検索すると柏市だけの投稿が表示されて、「これを食べたいな」と思ったら挙手のボタンを押すんです。そうすると、投稿した側にメールが送られ、それで人数を把握して作るという仕組みです。まだまだ、いろいろな課題はあるんですけど。
──作る側は女の人が多いですよね。マッチングしても主に食べる側が男性だと、女性側のセキュリティ確保が重要になりますね。
伊原:そうですね。コンビニやスーパーの駐車場など公衆の目があるところでの取引が中心になりそうです。
──あとはコインロッカーを活用して、女性側が希望するなら会わないで受け取れる仕組みにする、とかも大事かもしれませんね。
伊原:それもいいですね! 作る側も、衛生や安全面の管理をしないと怖いですからね。
──それにしても、価格は490円とかですか。バカ安ですよね。うちは子どもがいるんですけど、僕がご飯のタイミングで帰れないことも多くて外食代がかさんでしまうんですね。こういうものを受け取って帰ることができたら、便利だなと思いますね。
伊原:子育てで手一杯だけど子供に食べさせるものは妥協したくないお母さんと、地域のおばあちゃんを繋げるのもありかなと思います。
──DICさんの話に戻ります、「即戦力コース」ではどんなことを学ばれたんですか?
伊原:即戦力コースではRuby言語を学びました。コースには「即戦力コース」と「AIコース」があって、AIは機械学習エンジニアの勉強を、即戦力コースはRuby on Railsという簡単にウェブサイトを作る技術を学んで行くクラスです。
──入学されてから1日のスケジュールって、どんな感じだったんですか?
伊原:朝は大学に行って、空きコマで勉強して、学校が終わるのが16時過ぎなので、学校から家が結構遠かったので1時間半ぐらい電車で寝て。そのあと帰って、最寄りのコワーキングスペースを借りているので、そこで19時から23時ぐらいまで勉強してました。
──DIVE INTO CODEにずっと詰める感じではなかったんですね。
伊原:遠かったのであまり行ってはなかったですね。わからないことがあれば来て質問するようにしていました。対面での授業は2週間に1回あって、私は土曜の夜に来ていました。次の授業までに、課題を自分で進めていくという感じでした。完全オンラインのコースもあり、途中からそちらにシフトした人もいましたね。
──それをどのくらい続けられたんですか?
伊原:半年間です。
──今は大学1年生ですよね、授業や課題も多いんじゃないですか?
伊原:そうですね。実際、今はテスト期間なんですけど、半年分のツケが回って来てます(苦笑)。
──(笑)それでも、ここに投資した分は余裕で回収できそうですね。
伊原:そうですね。でも再履修だけは避けないと……。
──今後はエンジニアとして、開発をじゃんじゃんやって行くイメージですか?
伊原:はい。父との契約も残っているので、そっちも解消しつつ自分の作りたいものを作っていきたいです。
──契約。御父様との契約があるんですね?
伊原:そうです。「父親の作りたいものを、スクール代を投資するかわりに作る」というものですね。
──お父さんは何を作って欲しいと言ってるんですか?
伊原:それがまだはっきりしてなくて、困っているんですよね(苦笑)。実は、当初は父もこのスクールに一緒に入っていたんですよ。ただ、最初の授業が始まる前に仕事が忙しくなってしまい辞めちゃったんです。
実際、父からはかなりプレッシャ-をかけられました。「自分が通わなかった分、ちゃんと卒業しろよ」と。そのプレッシャーのおかげで卒業できているので、ありがたといえばありがたいんですけどね。
──今後はどういうものを作りたいですか?
伊原:作りたいものはまだはっきり決まっていないです。選択肢は2つあって、1つは新卒で就職する道も残しておきたくて。TOEICが就職するには大事だなと思うので、そっちの授業を選択しています。
もう1つは、自分で事業を作ってやりたいことで稼いで行くという道ですね。ただ、起業で成功する人って個人的な意見としては「天才かバカ」の2種類かなと思ってて。私は天才ではないので、バカの道をいきたいなと思ってます。
バカはバカでも、後先考えずに行動できるバカが強いと思ってて。もともとやりたいことがあっても、私はああだこうだと考えちゃうんですよ。考える前に行動して、後から改善策を考えていくならいくらでも成長できると思います。ただ、始めないと成長も何もないので、後先考えずに行動できるバカになりたいと思っています。
あとは、何をやりたいかよりも「誰とやりたいか」で起業したいと考えています。一緒にやる人が面白い人なら、面白いことができるなと思います。今行ってるコワーキングスペースでそういう出会いがいっぱいあるので、そこでも活動し始めてます。いろいろな知見を広げていけたらなと思っています。
もともと人に流されやすい性格なので、逆にそれを利用していろんなことにチャレンジできたらなと思っています。
──素晴らしいですね。ちなみに、就職するとしたらこういう会社に行きたい、というイメージはありますか?
伊原:まだないんですけど、スタートアップにいきたいと思っています。
──仮にエンジニアになるとしたらどんなエンジニアになりたいですか?
伊原:今はフロントとサーバーに分かれているという話ですけど、私はどっちもやりたくて。もっと言えば、企画からデザインから全部自分でできるようになりたいです。
──フルスタックエンジニアですね。
伊原:それです。デザインもUI、UXも勉強したいことがいっぱいあります。学生という今の身分、時間を使ってたくさん勉強したいです。
「とりあえずやってみる」が大事です!
──リポジトリの方に移らせていただきます。
伊原:こういう形で、自分の努力を見せてもらえるのは嬉しいですね。
──2018年から始めて、かなりのコードを書いてらっしゃるんですね。これは、成長していくと「忍者」とかの称号を与えられたりするんですよ。
伊原:忍者! いいですね。実は、小学校5年生まで本気で忍者を目指してました(笑)。その繋がりではないんですけど、中高ではずっと武道をやってます。中学で剣道、高校で空手をやってました。
──これからは、Rubyを伸ばしていきたいのですか?
伊原:そうですね。いまはSwiftもやっています。いろいろなものに手を出すと中途半端になっちゃうので、そこは慎重に選びます。Rubyを伸ばしつつ、他言語も増やしていけたらなと思います。
──最後に、伊原さんと同じく10代でこれからエンジニアを目指したい人たちへメッセージをお願いします。
伊原:勉強の仕方の話になってしまいますが、テキストを一読しただけでは理解できないことの方が多いと思います。ですから、「とりあえずやってみる」ことが大事だと思っています。テキストを読んで、とりあえず手を動かして、「ここどうやるんだろう」と思ってテキストに戻った方が圧倒的に効率が良いです。
あとは、後先考えずにいろいろな行動をしてみるのもお勧めです。私もこれから頑張って行こうと思っています、一緒に頑張りましょう!