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2022.04.13 2024.03.12 約6分
「エネルギーの未来をつくる」をミッションにエネルギーの4DXを目指す、イギリス・ケンブリッジ大学発のエネルギーテック企業ENECHANGE。2020年12月に創業からわずか5年で東証マザーズ上場を果たす。ENECHANGEには、GitHubスター9,000以上のライブラリの作者、CTO経験者、IPOベンチャー複数経験エンジニア、大手SIer出身者など熱いメンバーが集まっているとのこと。
今回は、なぜENECHANGEに優秀なエンジニアが集うのか? その秘密を解き明かすべく、エネルギークラウド事業部のエンジニア2名を取材した。
—柏木さんは2016年ご入社ですが、なんでもCOO有田さん、CTO田中さんとは以前からお知り合いだったとか。
柏木:そうなんです。私は前職のグリーに新卒入社しているのですが、COOの有田やCTOの田中と同じチームでした。田中は私のメンターだったんです。
—ちょっと運命的なものを感じますよね。
柏木:ですよね。2人とも優秀なので一緒に働いていてとても勉強になっていました。そのあと2人は退職するのですが、しばらく経ち有田から「いま田中とイギリスでこういうことをやってるんだけど…」と声がかかりました。
—そこで意気投合してENECHANGEに?
柏木:えっとそんな日々を過ごしているときにですね、朝ふとTVを付けたら、なんと有田が朝の情報番組に、電力自由化の解説者として出演してて。全くそんな情報知らなかったので、「あ、有田さんっ?!?!」と飛び起きましたね。普段はなかなかTVが付いても起きられないんですけどね〜。
吉川:奇跡的だなぁ(笑)
柏木:それでTV観ましたよ〜!と有田に連絡をして。「まぁ遊びにおいでよ」と誘ってもらい、当時の錦糸町オフィスに遊びに行きました。そこからとんとん拍子に話が進みました。その時って、実は前職を辞めてブラジルに行く予定があったんです。
—ブラジル?!
柏木:ブラジルでダンス留学をしたくて。その話をしたら有田が「仕事とかお金とかどうするの?」と心配してくれて。「それならブラジルからリモートで仕事したら?」と提案してもらって。
—信頼関係があるからこその助け船ですよね。
柏木:そうなんです。しかも帰国後のことまで考えてくれていて。最初は帰国してから、その時の働き具合を見て内定を出すよという話になっていたんですが、ブラジルに行く数日前に「帰ってきて職なかったら困るやろ。もう内定出しとくわ。」と言ってもらえて、僕は安心してブラジルに行き、ダンスを楽しんでENECHANGEに入社したっていう流れです。
吉川:時間が許すならブラジル留学についてもっと聞きたいですね…(笑)
—ちなみにブラジルってポルトガル語ですよね。コミュニケーションはどのように?
柏木:うう〜ん、そうだなぁ〜
吉川:ダンス…ダンス…(ささやき女将のように耳打ちする)
柏木:ダンスです!!(笑)
—吉川さんはアフリカで小学校教諭のボランティアをされていたのですよね。
吉川:はい。専門が英語教育なんです。英語教育は国際教育でもあるんですね。せっかく英語を学ぶなら世界に貢献できるような英語の使い方を実践的に教える必要があるなぁと思って、まずは自分が世界に飛び込みました。
—アフリカでの経験を経てエンジニアを目指されたそうですが、アフリカとITはどう結びつくのでしょうか?
吉川:あるNGOがタブレットを導入した授業をしていて。やっぱり電波や電気は全く…なのですが、それでもデバイスは普及してるんですよ。iPhoneもiPadも持ってるんです。
柏木:充電はどうするんだろう…?
吉川:それがですね、地域に2,3箇所くらいハブがあってそこに充電しに行くんです。
柏木:電源がゼロのやつをガーっとまとめて持っていくんだ。
吉川:そうなんです。発展途上といわれる国でも、これだけITを活用してるんだなぁと思って。しかも向こうはペンと紙の段階を飛び越えてくるというか…焚き火で夜ご飯を仕込んでいる横でスマートフォンをいじっているみたいな状態なんです。それまでもITの波は感じていたのですが、より強く意識するようになりましたね。
—そこからどういった経緯でENECHANGEに入社されたのでしょう?
吉川:帰国後プログラミングスクールを卒業して教育系を探してみたのですが、ご縁がなく…。「教育以外のやりたいことは何だろう?」と改めて考えてみたときに、やっぱり社会貢献だったんですね。実はうちの父も「エネルギーの革新はここ20年が勝負だ。ここでコケたら世界は終わる。」と事あるごとに言っていまして。
—すごいお父様ですね…!!
柏木:当社、相談役へ是非(笑)
吉川:父の影響もあり、エネルギーの未来については興味があったので、気になって応募しましたね。
—ということは同業もいくつか受けられた?
吉川:あぁ受けましたね。ただENECHANGEに話を聞いたら「ここだ!いける!」と強く思いましたね。
—いける!と思ったのは、どのあたりなのでしょう?
吉川:最終面談に、ENECHANGE独自の「チャレンジ」という制度があるんですけど、エンジニア採用の場合は、コードレビューをするんです。それがもう本当に良かったですね。プログラミングスクールは卒業しているけど、本当に自分がエンジニアとしてやっていけるのか?現場で通用するのか?が、不安だったので、実際にコードを見せて「割としっかり書けているね!」と評価をもらい、ここだったらやれるかも知れない!と自信がつきました。
—入社前にスキルを評価してもらえるのは安心ですよね。一方でキャリア組なんかは、コードレビューを選考に含むことで応募を敬遠してしまう可能性もあると思うのですが、そのあたりはいかがでしょう?
吉川:そこはマイナスと捉える人もいるでしょうね。
柏木:チャレンジの課題をお送りしたらそのまま辞退される方もいます。
—おぉ〜…。でも入社後のミスマッチを防ぐためには、多少高いハードルも超えてきて欲しいですね。
柏木:そうですね。いまのエンジニアメンバーを見ても結局は事業に共感する人が残っていて、離職率は低いので是非このハードルを超えてきて欲しいです。
—吉川さんは現在マネージャーをされていますが、やはり教育関連出身のご経歴はいかされていますか?
吉川:そうですね。やっぱり困っていて進みの悪い人をパパっと見つける早さはあるかなと思います。そういった時は、直接答えを教えずに「こうやってみると良いよ」とアドバイスするようなマネジメントをしています。僕の場合は、コードレビューのようなスキル面の教育というより仕事の手順やコミュニケーションの取り方、プロダクトの概略をわかりやすく伝えることを心がけてますね。
—2020年4月に入社されて1年ちょっとでマネージャーは、異例のスピード出世では?
柏木:未経験なので相当早いです。今までそういう人はいなかった…。
吉川:い、いえ。ありがとうございます。
柏木:彼はエンジニア未経験で入社してきているので、正直スキル面でもっと上回るエンジニアはいます。彼の場合は、本当に人のマネジメント、サポートに関しては飛び抜けているかな。
吉川:ボランティア時代に組織で動かないとインパクト出せないよねという経験をしているので、チームでパフォーマンスを出すことが得意かもしれないですね。
ENECHANGEのエンジニアは基本的に週1出社のハイブリッドワークが多い。ただし本人の状況にあわせ柔軟に対応が可能で、実際に故郷の徳島や海外勤務するメンバーもいるという。フルリモートが加速するなかでのコミュニケーション方法について聞いてみた。
—リモートが増えたことでコミュニケーションの取り方に変化はありましたか?
柏木:確かに直接顔を合わせて話す機会は減ってますよね。当社には「カレッジ制度」なるものがありまして、この制度がコミュニケーションを円滑にするうえで非常に役立っています。
—カレッジ制度とは?
柏木:ケンブリッジ大学にある制度をENECAHNGE流にカスタマイズして導入されてるんです。異なる部署・職種の社員が1つのカレッジに所属して事業部・職種の垣根を超えたカレッジメンバー同士の横のつながりをつくるきっかけ作りを促進する制度です。
吉川:入社時にカレッジが割り振られるんですけども、実はカレッジによってもらえるマグカップが違うんです。CEO城口がケンブリッジ大学で買ってきてくれるんです。
月1回カレッジメンバーで集まり3時間ほどそれぞれの経験をシェアする取り組み。メンバー同士、1カ月の間に身の回りに起きた出来事や課題を発表し合い、同じカレッジメンバーからの経験のシェアによって共有しあえる体験談を話してもらうことで、今後の業務への気づきや学び、成長に繋げることを目指す。
引用元:★2021年8月には、カレッジフォーラム制度が導入
—前述のカレッジ制度のほかにも、面白い制度があると聞いています。
柏木:「ワーク・フロム・UK」といってロンドンへ2〜5年滞在して、ロンドンからテレワークする制度があります。マネージャークラスで一定の評価があり、英語力があれば希望できます。
—吉川さん、条件にぴったりですね。
吉川:はい。実は、妻を連れて今年の後半からロンドンに行く予定です。
—おぉ!奥様のご理解を得て?
吉川:むしろ行きたい!みたいな感じで(笑)非常に協力的で助かります。
柏木:イギリスは日本と同じ島国でありながら、エネルギー関連が日本よりも進んでるんですね。法改正も数年先に行ってるので、イギリスの情報をしっかりキャッチアップする意図があるんです。僕も行けよと言われるんですけど、なかなかねぇ。
—ダンスもないですしね…。
柏木:あります!あります!(笑)
—会社の将来性や安定性の部分をお伺いします。昨今の電力不足や世界情勢はENECHANGEさんの今後にどの程度、影響するのでしょう?
柏木:実は電力不足は直接影響しないんです。むしろ電力不足によって節電を推進している電力会社様は多数いらっしゃるのですが、そこにも私たちはSMAP DRというプロダクトでサービス提供しているんです。なのでむしろ当社にとっては事業展開のチャンスと捉えています。一方で、世界情勢は少し影響があります。今は資源価格も仕入れ値も凄く高騰していて電気を売れば売るほど赤字の状況なんです。
—つい先日、格安でんきのエルピオでんきが4月末でサービス終了すると報道がありましたね。
柏木:単純にそういった撤退される電力会社様からの手数料が入ってこなくなるという影響があります。ただ”切り替え”をエネチェンジ内でしてもらうことで別の電力会社様から手数料をいただいているので、中長期で考えると大きな影響は無いかな?と思います。電力会社様も一般の需要家様も困っているのが今で、そのような時に、いち早く救済施策を発信し切り替えを支援できるのが当社の強みだと思います。
—エネチェンジは電力会社の比較検討サイトですから、単純に比較対象が減るという意味で影響はあるけども、売上としてはそこまで響かないと?
柏木:そうですね。もちろん全く響かないわけではないですが、状況に素早く対応してチャンスに変えていけるように取り組んでいます。
ほかにも、各電力会社様のウェブページの料金シミュレーションや切り替えの申込ページ、マイページなんかも当社が提供して、ストック型ソフトウェアライセンス費用や申し込み数に応じた従量料金をいただいています。
—いろいろ手がけてるんですね!
柏木:エネルギーに関連するサービス開発の専門家ですからね。すべてを任せて欲しいんですよね。
—EV事業の話を伺います。電気自動車(EV)が蓄電池代わりになることから爆発的に普及が広まるという話もありますが、このあたりはいかがでしょう?
柏木:国の政策としても2035年までに乗用車の国内新車販売を100%電動化するという方針なので、EV普及は疑いようのない事実と言われていますね。
当社のEV充電サービス事業部でも、EV充電インフラを拡充すると同時にソフトウェア開発も行っています。EVドライバー向けアプリも開発中です。ちなみに当社では全社員の3割がEVユーザーみたいです。
—すごい人数ですね。*会社をあげてバックアップする仕組みがあるのでしょうか?
柏木:そうですね。まずは自分達がプロダクトを使用してみないとわからない部分も大きいですからね。
*バックアップの有無についてはタイミングにより異なります。
—お話を聞いていると社員の方々の協力体制が凄いなぁと素直に感じます。特別、人柄の良い方が集まっているような…。
吉川:人柄は採用時に一番見ているポイントかもしれません。例えば本庄という一番経験のあるマネージャーがいまして。あ、今ちょうど後ろ姿が見えますね!
—後ろ姿だとなんとも…
吉川:えぇ伝わらないですか?!あの優しそうな雰囲気が!!(笑)最近入社したエンジニア歴2、3年目のメンバーに仕様書の作成、考え方、アウトプットの仕方などあらゆることを教えてくれるのですが、その度に誰が見ても理解できるようなスライドを作成してくれるんです。
—えぇー!それは優しさがないとできない作業ですよね。
吉川:本当にそのとおりなんです。スライド作成は、相当時間がかかると思います。でもそのスライドが残り続けるので、僕らだけじゃなく後から入ってきたメンバーにもナレッジ共有ができるし本当に助かるんです。
柏木:先ほどリモートの話に出てきた徳島勤務の岡本さんも凄くいい人だよね。
吉川:そうです!岡本さんはフルリモート勤務第一号の方です。社内の体制も整っていない中でフルリモートになり、戸惑うことも多いはずなのに、Slackに新メンバーが参加した時など「私はこういう仕事をしている者です、よろしくお願いします。」と必ずコメントしてくれて、積極的にコミュニケーションを取りに行ってくれるんです。普段から何気ない業務も、こちらが特別指示しなくても自分から取りに行ってくれて、本当に気が回る方で助かってますね。
—まさにフルリモート第一号としてお手本になるような方なのですね。
吉川:岡本さんで良かったと思います。あともう1つだけ、エピソードを語っても…
—ぜひお願いします。
吉川:実は昨年の10月頃からプロダクトごとのチーム編成に変えたんですよ。よりターゲットの深追いをしたり、どのように売っていくかを考えるために営業メンバーを含めたチーム体制になっています。何度も何度もMTGをしてやっと今年1月に具体的なアクションが決まりました。その時の話し合いが本当に部活のような情熱があったのですごく楽しくて(笑)
—全員が前向きなんですね。売り方の部分にもエンジニアがかかわるのは珍しいのでは?
吉川:そうですね。基本は営業が中心にはなるんですが、やっぱりそこはプロダクトに愛情を持っている全員で考えていきたくて。もちろんコードを書くことに特化するエンジニアも必要ですけど、チームワークを大切にして一緒にプロダクトを良くしていこう!という気持ちのある人が多いかな。
柏木:いや〜本当にいいエピソードですね。でもね、僕からすると今聞いた3つのエピソードって全て吉川さんが携わってることじゃないですか。やっぱり吉川さんも素晴らしいんですよ。
—雰囲気の良さが伝わります。それでは、最後にひとことお願いします!
柏木:2050年のカーボンニュートラルな未来の実現に向けた法改正などがあり、どんどんエネルギー業界は進化していくので是非長い目線を持ったエンジニアに興味を持ってもらえると嬉しいですね。2050年だと、私がちょうど定年退職する位かな?それまでにやらなければいけないことはたくさんあるので、是非一緒に取り組んでいただき、新しいメンバーにどんどん活躍して欲しいです。エネルギーの未来はほとんどの人にとって他人事じゃないと思うんですよね。
吉川:ENECHANGEの事業性はやっぱり魅力だと思います。CEO城口を筆頭に人柄も素晴らしいメンバーが集まっているので勉強になります。多分、CEO城口の人柄は決算動画を観てもらうとわかるかなと思います。
柏木:あ、それも特徴のひとつかも。自社の決算動画にここまで社員全員が関心を持っている会社はそんなにないのでは?と思います。
▼従業員が観てもモチベーションが高まる決算動画はこちら
>>【ENECHANGE(4169)】2021年度12月期決算説明動画
—他メンバーからもコメントをもらいました!
ENECHANGE株式会社
英国ケンブリッジ大学での電力データ解析研究から始まり「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げ、脱炭素社会の実現を目指す。2020年12月に創業からわずか5年で東証マザーズ上場。電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」/ 電気・ガス小売事業の支援のEMAP / EV充電サービスなどエネルギーに関するプロダクトを次々とリリース。