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2022.02.25 2023.12.14 約3分
IPOを目指し「流行り物好きなエンジニア」を募集するハイレゾ社。地方創生×IoTなど話題のプロジェクトを次々と成功に導くエンジニア集団へインタビューを実施。ユーザーニーズをつかむ同社は「技術を持った創造的な集団として、新しい時代の新しいニーズに応えていく。」をミッションに掲げるエンジニア組織でもある。
今回は、GPU事業部 事業部長 川越康博氏、プリンシパルエンジニア 小松晴夫氏、エンジニア 昆野巧実氏の3名に話を聞いた。
「事業の特徴として大きいのは、GPUサーバーを用いたデータセンターを“国内で”運用しているという点ではないでしょうか」
クラウドサーバーといえば、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azureなど海外ベンダーのシェアが圧倒的だが、ハイレゾは高性能な演算性能を持つGPUを用いたサーバーに特化する形で市場に“違い”を生み出しているという。
「社内の何でも屋」を自認するプリンシパルエンジニアの小松氏は「クラウド全盛のご時世でほとんど触ることがなくなってきているサーバーの現物、ハードウェアのレイヤーから、サーバー機能を顧客にサービスとして貸し出すところまで一気通貫でやっている」と語る。
「港区本社と石川県志賀町にあるデータセンターを合わせても40人弱の小さな会社が、普通にデータセンター運営できるわけない(笑)。だからハイレゾでは、グラフィックチップが基となっている高性能なGPUサーバーを使用して、科学技術センターや、AI、IoTに使われるような高単価なサーバーを正しいノウハウでリーズナブルに提供することに力を入れています」
クライアントにデータセンターの特徴、説明を求められることも多い川越氏も「海外に強いベンダーはたくさんいます。でも何でもかんでもAWSではなく、用途によって最適なサーバーを使うという効率化もいいのでは?という話はよくさせてもらいます。サポート面や、物理的に国内にデータを置きたいというニーズもありますからね」と、語る。
エンジニアの昆野氏は、新卒2年目まで半導体製造装置の開発システムに携わった後、2021年6月にハイレゾにジョインした。GPUサーバーのインフラ面での開発、運用、保守に関わるシステム開発を行うが、入社前は「どんなことをしている会社なのか完全に把握していたわけではなかった」という。
「入社後にどんな仕事をするのか、イメージし切れてなかったところはありますね。実際に入社してみて、フレッシュな企業ということもあり、私のようなあまり経験がないエンジニアにもそれなりの裁量を与えてもらえているのは実感しています」
入社当初は「これ本当に自分の仕事?」と戸惑うこともあったという。
「でも、たとえばデータセンターの業務効率のためにはどんなことをしたらいいのか? 何が必要なのかを知るためのプロセスとして、切り分けられた目の前の仕事だけをやればいいのではないことがわかったんです。」
いいサービスのために仕事の領域が増えるのは、ある意味仕方ない
なんて素晴らしい人なんだ!
話を横で聞いていた小松氏は称賛しつつ、昆野氏の直近の仕事についてフォローする。
「具体的にはデプロイフローの整理とかいろいろあるんですけど、最近取り組んでいるのはサーバーセットアップの自動化ですね。センターからすれば『最近変なこと頼んでくるな』と思うでしょうがセットアップを自動化できれば、その分データセンターでの作業工数が減らせるんです。『あの作業いつの間にかなくなったね』ってなると思うんですよね」
昆野氏も自分が書いたプログラムが目に見える形で貢献することは「手応えになるしやりがいもある」と口元を緩ませる。
「ちょっと変わっているのかもしれませんが、私は現場の人たちが楽になるとか、今まで30分かかっていたものが5分で終わるとか、そういうことがエンジニアの仕事の醍醐味だと思っているので、みんなが楽できる開発、環境をつくっていきたいですね」
プリンシパルエンジニアの小松氏は、ハイレゾのサーバーを利用するクライアントの立場から、出向という形で同社に加わったという。もともとハイレゾの顧客だった生鮮食品や生花のBtoB事業と、小売店への商品開発を提案する会社にも籍を置くが、GPU事業をさらにブーストしたいハイレゾに「出入りの業者」として内情をよく把握していた小松氏に白羽の矢が立ったというわけだ。
「入社の経緯やエンジニア経歴はかなり変わっている自負があります。システムを構築する側、開発する側、それを買う側、使う側、どちらの立場でもエンジニアリングに関わっていきました。」
だいたい偉い人から「これやってみよう」といわれる役回りなんです。
「その時々に属している組織の中で、解決すべき課題があると、だいたい偉い人から『これやってみよう』といわれる役回りなんです。『どれくらいでやりますか?』『今月中に』『じゃあプロトタイプつくりますか』みたいな会話を繰り返していて(笑)、いわゆる無茶振りには動じないようになっているんですね」
一貫して「現物に近いところでやってきた」という小松氏は、ハイレゾではプリンシパルエンジニアとして業務の整理、優先付けを担う傍ら営業に帯同してサービスの説明をしたり、データセンターのネットワークインフラ周りを整備したりと、川越氏が「大車輪の活躍」と評するほど多岐にわたる仕事をこなしている。
小松さんを3分割したい
「マネジメントを求められる以上、この仕事は自分が手を動かすのが適切なのか?という思いはあります」と小松氏が語れば、川越氏も「小松さんを3分割して(笑)タスクを充実させて行ければ一番いい」とユーモアを交えつつ、「さらに事業を発展させるに当たって、エンジニア人材を広く募集します」と、次のフェーズに向けての人員の充実を次の課題に挙げる。
GPUサーバーという特徴ある武器を持つハイレゾは、2024年にIPOを実現することを具体的な計画として公言している。
前職はPMO、Saasベンダーマネジャーなどを歴任してきた川越氏は、来るべきIPOをも含めて自らのタスクをこう語る。
「IPOを目指すということは、事業や企業がIPOの要件を満たすように成長していかなければいけませんし、それに見合う人材もそろえなければいけません。私の立場では当然売り上げを立てなければいけません。会社に利益を生みつつ、いまハイレゾが持っているエネルギー、アイデア、自由な発想をどんどん形にしていかなければいけない。」
今回お話を聞いた3人はそれぞれの立場で「組織を強くする人材」を仲間に迎え入れたいという共通の思いを持つ。
プリンシパルエンジニアの小松氏は、適材適所で得意分野を持つ人材を配置しつつ、その技術、言語、ツールに固執するようなエンジニアではなく、得意を広げていけるような柔軟性を持ち合わせたエンジニアが必要と話す。
「なんでもかんでも自分がやるのが適当なのかという自問は常にあるんです。もっと効率よく処理できる人、もっと楽しんでやってくれるエンジニアがいるなら、その人に託したい。私たちの事業は、ハードウェアとして物を動かすところからそれをクラスタリングしたり、複数台連携させたりクラウドサービスやアプリケーションをつくったり、CADのお化けみたいなものを動かしたりと、一人のスペシャリティーでカバーできるような範囲ではないんですね。スペシャリストではあるんだけど、いろいろなことができる人……、“T”の字みたいに上を広げつつ下にも掘り下げていける人、その中でどこが深く掘り下げられているかは問わないという感じですね」
「それと……。乱暴に言えば『流行り物好き』は歓迎です……」小松氏が付け足したのは、ハイレゾの社風や企業、風土がよくわかる“ある条件”だった。
「たとえばこれまで自分がやってきたこと、使ってきたツールに固執してしまうと、そのツールに依存してできることの限界が来てしまうんです。そこをフラットに見て新しいものが必要なら勉強したり、ちょっとやってみるかと思える人。言語やツールに縛られるのではなく、やりたいことから言語やツールを利用できるエンジニアに来てほしい」
こう話す小松氏は、ハイレゾの魅力として「必要なもの、要望に対してはエンジニアの立場に立って稟議を通してくれる」点を挙げている。
「技術を持った創造的な集団として、新しい時代の新しいニーズに応えていく。」という同社のミッションはすでに紹介したが、「最先端技術で想像を創造に変える」というエンジニア心をくすぐるビジョンを掲げている。
事業部を統括する立場の川越氏も小松氏の言葉を受けて、ハイレゾの「これから」についてこう話す。
「エンジニアとしてIPOをリアルタイムで経験できるのはそうそうないこと。IPOのために会社があるわけではないので、小松さんの話してくれたハイレゾのエンジニア文化みたいなものを継承しつつ、さらに事業をスケールさせていきたい」
世界が大きく変わる「変革の時代」にあって、技術力と、エンジニアの力で既存のサーバーセンター、ベンダーとはひと味違う新しい価値を創造する株式会社ハイレゾは、クリエイティブとテクノロジーを武器に、さらなる成長を目指す。
株式会社ハイレゾ
国内最大級のGPU専用データセンターを運営、GPUクラウドサービス「SOROBAN」を提供。AI/IoT向けのビッグデータを高速に計算処理できる高性能GPUサーバーを使用したデータセンターに特化。石川県志賀町にデータセンターを設立する「地方創生×IoT」プロジェクト、また同地において「エアコンを使用しないデータセンター」を実現するなど、脱炭素、SDGs文脈でも注目を集める。