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■エンジニアの軌跡
2019.04.10 2023.12.14 約3分
エンジニアとしてキャリアを築く意気込みと展望に注目する Next Unicorn Engineer 。今回は独学で6年、さらにプログラミングスクールへも通い、アイレットへ転職を成功させた齋藤雄太氏にインタビューしました。プログラミング未経験からエンジニアを目指し33歳で転職。前職の工場勤務時代、リスト作成をマクロで自動化した際に周囲から「すごく便利になったね!」と、喜んでもらえたことがきっかけでエンジニアを目指します。
Next Unicorn Engineer by Forkwell
――まずはアイレットさんがどういう会社なのか、お伺いできますでしょうか?
齋藤:弊社は、AWSの構築から運用までのフルマネージドサービスである『cloudpack(クラウドパック)』と、アプリケーション開発、また「システム開発事業」を展開しています。
2013年にアマゾンのパートナーの中で最上位であるAPNプレミアコンサルティングパートナーに認定されて以来、7年連続で保持し続けています。
2018年8月現在で1200社を超える導入実績があり、現在社員は400人を超えています。全国にオフィスを構えているので全国各地でシステム開発からクラウド導入の支援をさせていただいています。
――齋藤さんのお仕事を教えてください。
齋藤:Web系のCMS開発に携わっています。具体的にはBtoB向けのサービスの開発ですね。使用言語は、PHPとMySQLがメインです。事業部としての担当領域はECサイト、スマホアプリ、ゲームサーバーなど多岐にわたります。
――齋藤さんは異業種からの転職組ということですが、これまでのご経歴を伺えますでしょうか。
齋藤:高専を卒業し、新卒でフォトマスクメーカーの会社に入社しました。そこに13年半ほど勤め、去年の9月にアイレットに入社しました。弊社は2社目になります。
――無知で恐縮です、フォトマスクとはどういうものでしょうか?
齋藤:フォトマスクとは半導体やディスプレイ、プリント基板などを製造する時に使用されるツールです。パターンニングの原版として使用します。私はフォトマスクを作る工場の作業員として主に製品検査などを担当していました。
――エンジニアへの転職を志したのには、どういった理由があったのでしょう?
齋藤:新卒で入社してからずっと同じ仕事を続けてきて、「このままこの仕事を続けるべきか」と考えていました。当時33歳で、異業種転職するならラストチャンスだと思って。その時に、前職で一番夢中になれた仕事は何かを考えたら、答えはプログラミングでした。と言っても、プログラミングは自発的に始めたことなので、元々社内にプログラミングの仕事があったわけではありません。空いている時間に「もっと業務を効率化できないか」と、自分なりに考えてプログラミングに挑戦してみました。
――どういう作業を効率化されたんですか?
齋藤:工場全体で使用する生産管理システムがあったのですが、工程別に細かな管理を行うには使いづらい点がありまして。そこで、生産管理システムのデータを元に検査工程用の進捗管理リストをExcelで作成していたのですが、手作業で編集するため毎朝とても時間がかかっていました。
またパソコン操作が苦手な人も多く、上記の作業を行える人が3人しかいなかったというのも自動化した理由の一つです。リスト作成を「誰でも簡単に、短時間で作成できるように」VBAで自動化したいと思ったのが始まりです。
しかし、当時の私はプログラミング未経験でした。周りにプログラミングについて、相談ができる人がいない。工場がクリーンルームのため発塵の原因となるので書籍が持ち込めない、仕事中にネットで調べることもできない、もちろん一緒にやる人もいないという環境でした。
――それはシビアな環境ですね……どうやって勉強されたんですか?
齋藤:進捗管理リストの作成を自動化できれば生産性向上につながると確信していたので、どうしても自動化したい!という強い思いがありました。そんな時に掴んだきっかけが、Excelのマクロの自動記録という機能を知ったことでした。マクロの自動記録はExcel操作を記録して、再現してくれる機能です。
この機能のお陰でプログラミングが分からなかった私でも、進捗管理リストを作成するマクロを作ることができました。最初はIF文も使えなかったので、Excelの操作を工夫して条件分岐しないフローでプログラムを作り、そこから少しずつ分からないことは調べながら機能を追加していきました。
またこの経験から、プログラミングとは「コンピューターにさせたい仕事を順番に書いていくこと」という気づきを得ることが出来ました。
――それを職場の人に共有した時ってどういう反応でした?
齋藤:「すごく便利になったね!」と、とても喜んでもらえました。自動化したことで誰でも簡単に短時間でリストを作成できるようになり、業務効率化に成功しました。
――プログラミングスクールのDIVE INTO CODE(以下、DIC)は、どこで知ったんですか?
齋藤:2017年夏ぐらいに転職を決心し、8月頃から動き始めたのですが、最初に転職サイト経由で面接してくれたのがDICの採用担当の方でした。転職サイトで紹介してくれた案件の中に、DICがあったのです。
――最初に求職者としてDICと出会い、そのあとに生徒になったんですね。
齋藤:そうです。その後にもう1社受けたんですけど、イマイチ合わなくて。未経験で知識もなく、業界のこともわからないし、年齢も年齢だったので不安だったんです。それで10月ぐらいに「このまま仕事をしながら転職活動を続けるのは大変だ」と思いまして。その時、転職する前に「スクールに入る」という選択肢が生まれたんです。
転職前はプログラミングは独学で6年ぐらい、上記の仕事の他にも趣味でやっていたため、それまではスクールに入るという発想は浮かびませんでした。
――それで2017年12月から、前職に勤めながらDICさんに通い始めたんですね。かなりハードだったんじゃないですか?
齋藤:残業が多くない職場だったので、そこまでハードではなかったですね。基本的には自宅学習で、毎月2回の授業を受けに教室に通いました。授業の日以外でも分からないことがあれば自習室へ行き、2018年5月末まで通っていました。
受講期間は6ヵ月あったので、途中モチベーションが落ちた時期もありましたが、メンターや同期の仲間のお陰もあり、卒業することができました。
――言語としては、何を勉強されてたんですか?
齋藤:DICではRuby on Railsを中心にHTML、CSS、JavaScript、JQuery、bootstrap、Ruby、などの言語を勉強しました。
――転職活動をする中で、アイレットさんを選ぼうと思われた理由はどのあたりなんですか?
齋藤:DICが初めて開催した就業説明会に参加したことがきっかけですね。アイレットが会社説明を行っていたのですが、最初は「AWSの会社かな」という印象でした。どこにご縁が転がっているかも分からないし仕事も早く終わったから行ってみようと思い、就業説明会の当日に飛び込みで参加してみました。そこでエンジニアの方とお話しする機会があり、アイレットに興味を持ちました。
――それでエントリーしようと思ったのは、本当にご縁ですね。
齋藤:本当にそうですね。
――選考が進む中で「この会社、良いな」と思われたと思うんですけど、それはどの辺りで決められたんですか?
齋藤:2018年6月に「虎はち会」という、中途採用向けのカジュアルな説明会に参加しました。お酒を飲みながら会社説明をきいて、社内の執務室も見学ができました。その後、7月に実際に現場で開発を行っているエンジニアと1対1で業務内容や今不安に思っていることなどをお話する「個別面談」に進みました。この個別面談で、未経験での不安などを解消してもらえたことでそこからは動きは早く、8月に内定をもらいました。
――結構トントン拍子だったんですね。
齋藤:そうですね、すぐに行動しました。
――齋藤さんは今年4月で35歳とのことですが、年齢的なものはネックにならなかったんですか?
齋藤:入社してから感じていることですが、年齢はあまり気にしていないところがアイレットの特色だと思っています。実際に私よりも年齢が上の方でも入社してきています。これは採用チームから聞いたことですが、DICに行くにはお金も時間も必要で、その中でも全員が卒業できるわけではないので、卒業した「やる気」を評価していただけたみたいです。今は変わってると思いますが、私が受講していた頃は、期限内に卒業できたのは4割ほど、延長を含めても5割強くらいでした。
――未経験の人を採用する時は、実績以外の部分である程度ハードルを超えないと評価の対象になりづらいですよね。期限内に卒業したというところに未経験ながらにプログラマーを目指したいという「本気」を感じたのかもしれませんね。
齋藤:そうですね。年齢と未経験というところだけで言うとおそらくネックになる企業もあると思います。ただ、やる気は示すことができますし、そのやる気を理解してくれるアイレットに出会えたことに感謝しています。
――今後、どんなエンジニアになっていきたいですか?
齋藤:今はエンジニア1年目なので、今後はもっと戦力となれるようにスキルアップしていきたいです。5年後とか長期的に言えば、バックエンドを中心に技術を身に付けていきたいと考えています。また、アイレットはAWSの最上位パートナーなので、AWSも使えるようになりたいですね。
――では、ポートフォリオのリポジトリ解析結果を。コードを書き始めたのは、DICさんに入られてからなんですね。
齋藤:Githubにアップしているコードに関してはそうですね。
――1番使っているのはJavaScriptで次がRubyですかね。
齋藤:DICで作成した課題などを載せました。
――今はPHPが多いんですね。
齋藤:そうですね。仕事ではPHPを使っています。
――振り返ってみて、いかがですか?
齋藤:スクールでやった分しか載せてないので、最近はやってないなと思います。
通勤中にプログラミング教材の動画を見て勉強はしてますけど、アウトプットがないと身につかないので今後の課題ですね。
――これからエンジニアを目指す人へのメッセージをお願いします。
齋藤:これから目指す人と、自分を含めた新人の方に向けてのメッセージになります。エンジニアを目指すのであれば不具合のないコードを書くように心がけてください。ここで言う不具合とは、動作確認をしっかり行えば気づくレベルの不具合のことです。不具合がなければ、周りの先輩や上司の信頼も少しずつ上がっていくと思いますし、難易度の高い仕事も任せてもらえるようにもなると思います。
不具合がないからこそ、フィードバックをもらう時にもコードの質を上げる指摘をもらえるわけですね。これがバグだらけならバグの指摘ばかりになりますし、「もっとこうした方が良いよ」というアドバイスももらいづらくなると思います。なので作業が終わったらしっかり確認して、自信を持って大丈夫です!と言えるコードを書くように心がけてほしいと思います。
<了>
ライター:澤山大輔