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■エンジニアの軌跡
2020.01.28 2024.03.15 約3分
「人・プロセスデザイン・テクノロジー」という3つの力によってビジネスプロセスの変革を促し、人と組織の成長創造インフラを担うことを目標とする会社、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社。
同社が主軸の一つとして提供しているサービスが、AIやIoTを代表するようなテクノロジー活用です。
今回は、その機械学習エンジニアからの辻雄大さんにご登場いただきます。
――パーソルプロセス&テクノロジーさんとしては、3人目のインタビューとなります。辻さんは現在、どのようなお仕事に携わっておられますか?
辻 主に二分野に携わっています。一つが、チャットボットの開発。いただく問い合わせをFAQとしてまとめ、それを自動化してユーザー様にリアルタイムで答えを返すものですね。もう一つが、フォーム入力の異常検知ですね。入力ミスなどをチェックするシステムを開発しています。
言語では、主にPythonを使っています。チャットボットなど分析系の仕事はだいたいPythonを使いますね。以前は一般的なシステム開発もやっていて、その際はJavaScriptやNode.jsも触っていましたが、最近はPythonがほとんどです。
――辻さんは現在26歳ということで、今回インタビューさせていただいたお三方では一番お若い方です。入社されたのは、去年なのですね。
辻 そうです、学部卒で今年で入社2年目になります。
大学では情報学部を卒業しまして、プログラミングなどITに関する理論を学びました。分野としては、いわゆる自然言語処理といわれるものですね。WEB上で使われるドメイン、テキストからさまざまな言葉の解析をし、言葉が人にどういった影響を与えるか、影響を受けた人がどういう行動を取るかを分析していました。
例えばAmazonなどのECサイトに、「これを買った人は、こんな商品も買っています」とリコメンドする機能がありますよね。購買履歴やレビューの内容から推測して、データを紐付けてリコメンドするのですが、そういったことを研究していました。
――数ある企業から、新卒入社する会社として貴社を選ばれた理由はどのあたりにありますか?
辻 学部研究との共通点として、「分析」が主軸にあったことですね。「あるデータを与えられ、そのデータを解析してルールや規則性を見つける」という部分は、現在の仕事と研究とで共通している部分だと思います。
今はAIという言葉がブームになっていますが、AIって一般に言われるイメージ、ドラえもんのような何でも解決してくれるものではないんですね。実際にはデータから関係性を解析し、情報に基づいた予測を提供していくものです。
一見して新しい答えが生まれているようでも、実は膨大なデータの蓄積を分析したもので、裏側にはきちんとロジックがある。そこの単純な探究心といいますか、裏側部分がどう動いているのかを知りたくて入社を決めたところがあります。
あとは弊社の多様性と自由度にも惹かれましたね。いろいろな意味で変わった人が多いですし、就業環境の自由さがモチベーションに影響する部分は大きいので。
――どの辺が「自由だな」と感じられますか?
辻 全般的に自由度が高いことですね。例えば「上司の意見は絶対」みたいな風潮は、弊社にはまったくありません。むしろ、部下であっても言いたいことはバンバン言いますし、内容が正しければ上司も認めてくれる。各々が、やりたいことに取り組める環境にあると思います。
例えばクライアント様向けに環境を構築するとき、ある程度は仕様が決まっているんですね。でも、実際に設計していく過程で「これはおかしいな」と思ったらすぐに改善提案します。
開発効率を考えると難しい部分もありますが、正しいと思うことは躊躇しないように言うようにしてします。少人数のチームで開発していて、プロジェクトがまだそれほど大きくないからこそ言える部分もあるのかもしれませんが。
――実際、今までお二方にインタビューさせていただいた際も「自由な会社だな」という印象を受けました。
辻 ありがとうございます。あとは、リモートワークも認められています。開発は極端な話パソコン一台あればできるので、打ち合わせなどがなければ在宅作業も認められています。自己管理は求められますが、仕事環境を整備すれば自由な働き方を選べます。
とはいえ、社内は快適ですけどね。打ち合わせを兼ねたフリースペースがあって、そこで大勢が集まってワイワイ喋りながら一緒に開発したり、わからないことを質問しあったり。部署の垣根を超えて集まれる環境があるように思います。こうした環境があっている人には、すごくいい環境なのかなと思います。
――ということは、合わない人にはしんどい部分もあると。
辻 そうですね、よくも悪くも放任主義な部分はありますから。
――これまでの2回は中途入社の方、そして今回は新卒の方。バランスのとれた人選をいただいているなと思います。今後「こういうエンジニアになっていきたい」という理想像はありますか?
辻 エンジニアとしては、引き続き分析業務をメインにやりたいですね。データサイエンスの領域で、いろいろなデータからビジネス上の課題を見つけ、データ分析を通じて方針を決められるようになりたいです。
将来的には、経営層として意思決定に関われたら。これは一般論として思うことですが、経営における意思決定って必ずしも厳密なデータ分析の元に行なわれていないことが多いと思うんです。そういった部分で、事業に貢献していきたいですね。
――御社の中でも、望んだらそういうキャリアパスはありそうですね。
辻 そうですね。ただ、データサイエンティストの部署というか、データをメインに分析処理する専門の部署はないんですよ。
――ないということは、手を挙げたら作れるものですか? その代わり、仕事は自分で取ってこなきゃいけない、みたいな。
辻 そうですね、全部自分でやらないといけないですね。チーム内に同じようなポジションをとっている方がいるので、今はその方と一緒に仕事を進めさせてもらってます。新しいチームを作るとなると人を集めないといけないので、なかなか大変ですけど。
――ありがとうございます。業務を行なう上で大事にしているモットーや好きな言葉があれば教えてください。
辻 日々何かしらスキルを身につけ、成長できる要素を探すということですね。やるべきことと好きなことが異なるケースは多々ありますが、その中でも何かしら吸収できることはあります。
今はいろいろな経験値を蓄え、成長していきたいですね。例えば新しい技術要素であったり、新しいアプローチをインプットすることであったり。プロジェクトの成果に貢献することはもちろん、新しいスキルを身につけることも重視しています。
――業務時間外でも、スキルの研鑽をやられているんすか?
辻 そうですね。オンオフ関係なく、時間があれば1つでも多くのことを吸収するようにしています。技術は極めたいですし、ビジネスに活かす努力もしていきたい。業務知識やデータサイエンスの知識、クライアントさまが扱っている商材の知識も絶やさず伸ばしていくことを意識しています。
――ここからは、辻さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。
・専門性向上:5
・働き方自由度:4
・事業内容:3
自分の中で、専門性向上は現在最も大きな比重を占めています。働き方自由度もやはり重視しているので、4点をつけました。
事業内容についてですが、そこまで重視していません。自分の知識と会社が求めるものが大きく乖離するのはイヤですが、かといって一致する必要もないと思います。現状は、完全に一致しなくても好きなことをやれる環境にあります。そういう意味で、3点ですね。
・仲間:4
一人でガリガリ進めていくタイプではあるんですけど、自分だけでやるのは限界があります。新しいアイディアを取り入れたり経験を教えてもらったりという意味でも、仲間は重視しています。
・会社愛:1
・お金:3
お金は、新卒なのでそこまで高望みできないですから(笑)。会社愛に関しては、以前に個人としてFX投資などを行なっていたことも関係しているかもしれません。株価とにらめっこしながら分析するのが好きで、趣味でやっていたことがたまたまお金に繋がりました。
――商材的に、結構な額になっていそうですね。
まあ額はともかく(笑)やった甲斐はあったかなと。当てずっぽうでやるより、自分なりに分析をして進めたことで得たものはいろいろあります。
他にも、会社愛については社歴が浅いことも大きいですね。会社に対して不満があるわけではなく、といって強い愛もまだない。会社では、まだチームという一部分しか見てないですから。
――会社という大きな単位ではなく、チームの皆さんだったり仲間だったりが大事だと。
辻 そうですね。
――最後に、エンジニア業界を目指す学生さんにメッセージをいただけますでしょうか。
辻 打ち込める領域を何がしか持っていてほしいですね。自分が一生懸命取り組める分野があるといいと思います。
それを見つけるためには、とにかく行動することですね。失敗を過度に恐れず、行動することできっかけを掴むことが大事だと思います。
投資を学ぶ中で、私は「お金を扱うこと自体を職業にするのは、向いていなさそうだな」と気づくことができました。好きなのは、分析すること自体だなと思えたんです。金融系の知識もないですし、ここは趣味にとどめておこうと。
分析は面白いですよ。株はリアルタイムで変動していきますし、変動要因には様々な人の行動が関係します。過去に心理学を学んでいたこともありますが、心理的要因の分析は主観的なものになりがちで。より定量的で、客観性の高いデータを分析したいという思いから現在に至っている経緯があります。
――まさに辻さんご自身が、いろいろな試行錯誤を経て軸を見つけられたんですね。今日は、お忙しい中ありがとうございました。
<了>
ライター:澤山大輔