目次
■キャリアとスキルアップ
2023.04.18 2024.03.05 約4分
\ ドキュメント作成はプロダクト開発と同じ…?! /
ITエンジニアなら誰しもが経験する
「ドキュメントを書いておけば良かった……」という経験。
そこで今回は、ドキュメントの書き方を体系的に学ぶイベントを開催しました。
アーカイブでは視聴者からのQ&Aを見ることができます
ドキュメントは開発側の生産性とユーザーの利便性を高めるもの。ドキュメントがなければ、ユーザーに使われる機会が確実に減ります。開発者がいかにすばらしいプロダクトを作ろうが、ドキュメントの欠如がその価値を奪うのです。
本書は、経験に長けた執筆者たちがドキュメントを作成する方法をゼロから説明するフィールドガイドです。 これまで学ぶ機会のなかったREADME、APIリファレンス、チュートリアル、コンセプトドキュメント、リリースノートなど、さまざまな種類のドキュメントの書き方について学ぶことができる一冊。 ドキュメントを作成している現場のエンジニアやテクニカルライター、プロダクトマネジャーの方に最適の内容です。 |
Ruby on Rails ガイドはよかった #Forkwell_Library
— Ryutaro YOSHIBA🌱アジャイルコーチ (@ryuzee) March 17, 2023
当時は開発してたので、CakePHPですね。
理解しづらくて最高のドキュメントですw#Forkwell_Library— だいち@嫁と息子が大好きエンジニア (@da_i_chi_dev) March 17, 2023
#Forkwell_Library これまで読んだ最高のドキュメント NixOSやGatsbyはハンズオンで順に進む感じで分かりやすかった。
— ecor_maksin (@smile1103_mako) March 17, 2023
springのドキュメントはよく見る#Forkwell_Library
— 抹茶白玉 (@macchashirokuma) March 17, 2023
ちょっと古いかもだけどLodashのドキュメントはよかった#Forkwell_Library
— Kazuhiro Hara (@kara_d) March 17, 2023
> 今まで読んできた中で最高のドキュメント
AWSのドキュメントかなぁ#Forkwell_Library pic.twitter.com/8dXgxA0Lg8
— kzk | 新しいギター買いたい。嫁に届け。この想い。 (@kzk_maeda) March 17, 2023
書籍『エンジニアのためのドキュメントライティング』は 3 PART で構成されます、本レポートはその中から下記の赤字部分のみを抜粋し紹介します。
PART I ドキュメント作成の準備
CHAPTER 1 読み手の理解
CHAPTER 2 ドキュメントの計画
PARTⅡ ドキュメントの作成
CHAPTER 3 ドキュメントのドラフト
CHAPTER 4 ドキュメントの編集
CHAPTER 5 サンプルコードの組み込み
CHAPTER 6 ビジュアルコンテンツの追加
PARTⅢ ドキュメントの公開と運用
CHAPTER 7 ドキュメントの公開
CHAPTER 8 フィードバックの収集と組み込み
CHAPTER 9 ドキュメントの品質測定
CHAPTER 10 ドキュメントの構成
CHAPTER 11 ドキュメントの保守と非推奨化
構成を見て気が付く方もいるかも知れませんが、ドキュメント作成のフローは、実はプロダクト開発と同じ流れ。新しく仮説を立て、実装・検証し、フィードバックをもらい、また最初に戻り…のサイクルです。
「CHAPTER 1 読み手の理解」は、最も重要なポイントです。
ユーザーの理解を外すと、無価値なドキュメントが爆誕します。無価値なうえにメンテナンスコストがかかる最悪の状況が起こり続けるので、注意しましょう。ユーザーはドキュメントを読みたいのではなく、課題やニーズを解決したいのです。このことをまず頭に入れましょう。
プロダクト開発をしているということは、必ず社内に議論の痕跡(図左)があるはずです。この痕跡を掘り起こすと、ユーザーが浮かび上がるので(仮説)次はその仮説を検証します(ユーザー理解の検証)。
ユーザー理解のためには、ユーザーと直接対話することがベストです。下記のような方法を用いて対話を試みましょう。
とくに「ここが使いにくくて困った!」という “怒りの気持ち” で書いたサポートチケットは、ユーザーの生の声。ぜひ活用を。
インタビューメモは情報量が多いので頭の中にインプットしておくことは、ほぼ不可能。ユーザーの声を検証しつつ、まとめる作業もお忘れなく。
叩き台づくりにChatGPTを活用するのもアリ!
*ChatGPTを使用して作成したフリクションログの例
こんな経験はありませんか?
恐らく同僚に悪気はなく、知っていると思っていて伝えていない可能性があります。これが知識の呪い(認知バイアスの1つ)です。
王道の方法は「ユーザーへの共感」を徹底することです。次に効果的な方法は、フリクションログを作ることです。フリクションは直訳すると「摩擦」や「抵抗」を意味しますが、プロダクト開発においては、プロダクトを使う際に「うまく使えないな」と感じたことや違和感を指します。自らプロダクトを使ってみて、この違和感をログで残しておくことが大切です。
*ChatGPTを使用して作成したフリクションログの例
ドキュメントを書くうえで最も難しいことは、ゼロから書き始めるところです。つまり効率的に作成を進めるためには白紙からの脱却がキーワードになります。
手を進めるコツ
なんでもいいので、まず手を動かしましょう。書き始めてしまえばこっちのものです。
ユーザーの目的を整理したら次は中身を書いていきましょう。中身に使用する要素はこのあたりです。
自分自身の行動を思い返してみてください。何かに困っているとはいえ、隅々までドキュメントを読むでしょうか。タイトルや見出しから何となく読んでいくはずです。これをFパターンといいます。
つまり、ユーザーが必要な情報をすばやく見つけられる構造にしておくことがベストなのです。(流し読みしやすい構成にする)
もし手順書であれば、読了時点で達成できることを冒頭に書いておくと良いでしょう。
長文や長い段落は流し読みに向きません。見出し・リスト・サンプルコード・図表などを効果的に使用しましょう。
エンジニア特有の事例ですが、動画や図よりも、まずサンプルコードを探す傾向が強いというデータがあります。サンプルコードについては本書 第5章で解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
ドキュメントはプロダクト機能の一部です。プロダクト同様にドキュメントそのものも仮説検証の対象になります。フィードバックを収集するフローは下記を参考にしてみてください。
エンジニアにはお馴染みの言葉「計測できないものは改善できない」。ドキュメントの計測は、どのように実施すべきでしょうか。
計測にあたってまずは良いドキュメントの定義を知りましょう。目的にかなっているドキュメントが、優れたドキュメントです。
目的
いいドキュメント
・見たいところに素早くたどり着ける
・図やチャートで理解を助けてくれる
#Forkwell_Library— SONODA Takehiko (@OzoraKobo) March 17, 2023
品質の計測は、機能品質・構造品質の2つに分けて考えることができます。さて、どちらの要素が重要でしょうか。
機能品質
構造品質
答えは、圧倒的に機能品質です。どれだけ美しく整理された構造であっても「目的」を果たさないドキュメントが優れているとはいえません。
Web計測ツールを使用すれば、PV・UU・直帰率など、あらゆるメトリクスの計測ができます。重要なのは何を計測するかではなく、なぜ計測するのかです。
日本語特有のルールや人に伝わる文章術を学ぶなら、下記の書籍がおすすめです。