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2023.01.16 2024.03.18 約3分
今回取材したのは、八丁堀にオフィスを構える株式会社Arent。大企業の DX及び新規事業開発の支援や建設業・製造業のクライアントにプラント設計のための CAD開発や機械学習などを用いたシステム開発を提供している。2年以上前から現在はクライアントとの MTG もリモート開催となり、基本的にフルリモートを採用している。全員がエンジニア出身のプロダクトマネージャーである理由、建設業界に変化をもたらすために Arent がおこなっている取り組みなどをプロダクトマネージャーの田村さんに聞いた。
—田村さんがArentに入社したタイミングの開発組織規模と現在までの変化を教えてください。
田村:私が入社した4年前のタイミングでは、メンバーが4名でしたが、現在は約45名の組織になりました。
—4年間で非常に組織が大きくなったんですね。現在、進行中のプロダクトはいくつあるのでしょうか?
田村:他企業のプロジェクトを作っているチームもありますが、現在は、組織全体でプロダクトを数個、同時並行で進めてます。
—開発チームの構成を教えてください。
田村:開発チームは CADグループと、コンサルティング・Web開発グループの2チームにわかれています。
・CADグループ(約25人)
・コンサルティング・Web開発グループ(約20人)
私は後者のグループでプロダクトマネージャーをしていて、パートナーの開発者とプロダクトづくりをしています。プロダクトマネージャーは6人いますが、全員エンジニア出身です。コードを読むことができない・書くことができない人は1人もいません。
—そうなんですか!皆さんはどのような業界を経験されていたのですか?
田村:地方行政向けの行政システムを作ってきたメンバーや IoT系のスタートアップ出身の人もいます。また、大手自動車メーカーで情報系の下請けを担っていたメンバーもいます。
Web という共通点はあるものの、プロダクトマネージャーの採用にあたり必須条件としていることはありません。どちらかといえば、プロダクトマネージャーとして良い動きをしていたり、人間性の部分を注視して採用しています。
—プロダクトマネージャーが全員エンジニア出身なのは、何か理由があるのでしょうか?
田村:あります。パートナーに開発を依頼するときに、コードの善し悪しを正しく判断する必要があります。その判断には技術の知識が必要になるので、エンジニア出身の方を集めています。
また、以前まではメンバーの人数も少なかったので、プロダクトマネージャー 自身がコードを書いているプロジェクトも多々ありました。その時点ではプロダクトマネージャー でもコードが書けることを求めていました(笑)
—エンジニアとして入社する方にとってもエンジニア出身者が多いのは心強いですね。
—具体的にはどのような仕事に取り組んでほしいですか?
田村:現在、パートナーの方に依頼している業務を内製化していきたいです。私がおこなっている技術調査や技術選定を一緒におこなってくれる方を求めています。欲を言えば、それらを専門分野としている人に入っていただき、意思決定をリードできる方であればさらに嬉しいです。
プロダクトマネージャー・プロジェクトマネージャー(PjM) に対するテックリードのような立ち位置として、技術的な支援をすることができ、かつ自分でもコードを書いたり、パートナーの方と一緒にコードを書いていくチームを作ってほしいです。
—田村さんが兼任しているテックリード的な業務を巻き取れる人材を求めているんですね。
田村:おっしゃる通りです。それぞれの業務で専門分野の方が担当できる組織にしたいです。
—新しく入社された方には、どの程度の権限が委ねられるのでしょうか?
田村:新しい技術が導入されるプロセスにおいて、プロダクト内で完結することであれば、例えばどのライブラリを採用するかなど、全ての権限をその方に委ねます。
それよりも上の工程、例えばプログラミング言語を決める、今まで使ったことのないフレームワークを採用するなど、組織づくりにも影響を与えることに関しては、私や他のプロダクトマネージャーと共に検討することになります。
—クライアントワークでは納品して完了となるのでしょうか?
田村:納品して完了となるプロダクトもありますし、運用までおこなっているプロダクトもあります。現在、進めている大きなプロダクトに関しては、一旦、納品の形を取りつつも継続的に開発をして評価をいただく流れを繰り返している状況です。
はじめは、1人のユーザーのために作ったものも、今では多くの方に利用されています。例えば、PlantStream は運用を始めてから2年が経っていますし、現在、開発をおこなっている Webサービスに関しても同等の規模になる見込みです。ですので、はじめから運用まで見越した技術選定が必要となります。
—長期運用前提でのアーキテクチャ設計はもちろん、実際に運用するノウハウも身につきそうですね。
—Arent ではリモートワークが中心ですか?
田村:リモートワークが中心ですね。本日は取材があったのでオフィスにいますが、私以外のプロダクトマネーシャーは誰も出社してないですね(笑)
クライアントとの打ち合わせもオンライン開催なので、リモートワーク中心の働き方になりました。
—リモートワーク中心では、コミュニケーションが取りづらい一面もあると思います。情報共有や会社としての一体感を生み出すために何か工夫していることはありますか?
田村:いくつかあります。まず、ドキュメントをしっかり残していこうという文化が浸透しつつあります。そのために、Notion に情報を集約しています。
また、リモートワークだと社員間のコミュニケーションが疎遠になるため、コーヒーチャットという制度を設けています。バーチャルオフィスツール(Gather)を利用し、11時と15時から30分間の雑談の場が設けられています。
田村:あとは月に1度の周期で、社内全体での共有会を実施しています。会社が大きくなるにつれて顔も見たことのないメンバーが増えてきたので、新入社員の紹介をおこなったり、誰がどのプロジェクトで、どのようなプロダクトを作っているかを確認しています。
—これまで手掛けたプロダクトを教えてください。
田村:ある建設会社さんと 3Dモデルで既にあるプラントをスキャンして、維持管理をおこなうソフトウェアを開発しました。
まずは、3D空間の中にプラントを再現し、実際に歩いているような表現をする開発を約1ヶ月という短い期間のなかで、他のサービスと遜色ないレベルに持っていくことができました。
—すごいスピードですね。
田村:また、デモンストレーションをおこなうなかでわかりづらい部分があったので、俯瞰したミニマップを追加しました。 1,2ヶ月ほどで開発しましたね。
—クライアントからは、どのような評価をいただいたのですか?
田村:「まさにこの機能が欲しかった」「サービスソフトが使いやすくなった」と評価をいただきました。
—建設業界にどのような貢献をしたいと考えていますか?
田村:建設業界は数値化されていないことが多いですし、紙ベースでのやり取りが中心です。世の中に、3Dのグラフィックスや CAD があるにもかかわらず、それらが浸透しないのは大手企業が導入していないことが原因です。
中小企業で導入しようとしても、大企業が変わらないと業界全体の標準は変わらないのです。なぜかというと、建設業界は上流の影響力が強いからです。
例えば、自分が家を建てるとき、3Dモデルのほうがよいと思いませんか?
弊社では、このように誰もが抱いている考えを上流の企業から標準化していく取り組みをおこなっており、具体的には 3Dモデルを起点として全てを管理する取り組みを進めています。
そしてこれらが業界内で標準化された暁には、建設業界の発展と家を建てるみなさんにとって満足のできる家づくりに貢献できると思います。
—私が家を建てるまでに3Dモデルになっていると嬉しいです(笑)
—クライアントに選ばれる要因として、Arentの強みを教えてください。
田村:弊社の強みは 3D・数学・建設のドメイン知識の3つです。特に数学は、三次元に関する理解や処理の計算量を削減するための知見があります。
わかりやすいところでいうと、自動ルーティングですかね。3次元空間上で、製品と機器を結ぶ問題を解こうとすると、3次元なのでとてつもない計算量になります。その計算量を少なくするための取り組みなどをおこないました。
—開発をおこなうなかで、田村さんが喜びを感じる瞬間はどのようなときでしょうか?
田村:クライアントと定例会をおこなうなかで、「あの機能いいね」「想像していたよりも使いやすい機能だったよ」と評価されたときは嬉しいですね。モチベーションが上がる瞬間です。
前述したソフトウェアの事例のように、今まで建設業界にはなかった技術を導入し、評価された瞬間は最高です!そのため、開発したプロダクトを利用し、検証していただくのも楽しみの1つです。
田村:弊社の強みは3Dですが、その点だけを推したいわけではありません。
「Web の知識があれば、建設業界にインパクトを与えるプロダクトを作ることができる!」
これが私たちの1番伝えたいことです。ですので、建設業界に一石を投じたいという野心のある方に是非とも入社していただきたいです!
—業界にインパクトを与えられるメンバーが入社されるといいですね。本日は、ありがとうございました!