目次
■Forkwell エージェント体験
2025.08.21 約5分

「Forkwell エージェント」を利用して転職に成功したITエンジニアたちの本音を探るシリーズ。
今回は、ウェルスナビ株式会社への転職を成功させたSREエンジニアの森さんにお話を伺います。文系出身からネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートし、SREとしての楽しさに目覚め、現在はウェルスナビで金融サービスの信頼性を支える森さん。
24年春の入社から1年3ヶ月が経ち、SREチームが5名から10名に倍増する急成長の中で活躍されている森さんに、転職活動の道のりからウェルスナビを選んだ決め手、入社後のリアルな体験を語っていただきました。聞き手は、森さんの転職活動に伴走したForkwellのキャリアアドバイザー赤川です。
赤川(Forkwellキャリアアドバイザー): 本日はお忙しい中、ありがとうございます。まず、森さんのこれまでのキャリアについて簡単に振り返っていただけますか?
森(ウェルスナビ SRE): 私は元々、大学で情報工学を専攻していたわけではなく、文系出身なんです。新卒で入社したSES系の会社でネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートしました。最初の5年間は、シスコルーターを触ったり、メインフレームやAIXといったUNIXサーバーの保守運用を経験しました。
その後、もっとインフラの知識を深めたいと考えて、ヘルステック系のベンチャー企業にSREとして入社しました。
赤川: SREとしてのキャリアをスタートされたのは2社目からだったんですね。
森: そうなんです。実は入社時に「内定はインフラエンジニアとして出していたけど、SREとして働いてもらう」と言われて。当時は「SREって何?」という状態でした(笑)。
ただ、ちょうど日本でもSREに関する本やイベントが増えてきた時期で、情報を調べていくうちに「サービスの信頼性を支える」という部分に面白さを感じました。会社が頑張って作ったプロダクトをユーザーの方に安心して使ってもらえるような基盤を作るという仕事に、個人的な楽しさを見出したんです。

赤川: 3社目のWebメディア企業では3年間SREとして働かれていましたが、どんな経験を積まれましたか?
森: 3社目では、初めて新規メディアの立ち上げに携わり、ゼロからのインフラ設計やアーキテクチャ設計を任せてもらえたことが非常に面白かったです。自分で設計・アーキテクチャ検討したものを実装し、幸いにも大きな障害なく動かせたのが、個人的なインフラ経験として大きな成長でした。
赤川: なぜ森さんにその機会が回ってきたんですか?
森: 当時のマネージャーとの1on1で「アーキテクトの経験も積みたい」と相談していたことが大きかったです。マネージャーが配慮してくれて、機会を与えてもらえました。構築だけでなく運用も自分で担当しました。検証環境と本番環境の両方で運用しやすさを考慮し、IaCでの自動化や監視モニタリングの実装も行いました。運用設計も自分の中でやりたかったことの一つで、本当に楽しかったですね。
その後は、子会社のECサイトのインフラ改善作業にも携わりました。子会社にはSREやインフラエンジニアがいなかったので、開発者が片手間で構築したインフラ環境の改善を、マネージャーと一緒に取り組みました。
赤川: 転職を意識し始めたきっかけは何でしたか?
森: 会社の中期計画の中で、SREとして運用する機会が減ることが見えてきたんです。私がやりたかった改善作業やSREとしてのキャリアを積むのが難しいかもしれない、と思い始めました。
実際、マネージャーに相談してみたんですが、マネージャーも同じような危機感を持っていました。
赤川: でも、当時は「すぐに転職したい」というわけではなかったんですよね?
森: そうなんです。人間関係に悩んでいたわけでもないですし、マネージャーとも良い関係を築けていました。「自分で課題を見つけて提案すれば良いのではないか」とも考えていました。だから最初は本当にキャリアの壁打ちをしたいぐらいの気持ちで、赤川さんに相談させていただきました。
赤川: 森さんとの初回面談は2023年10月末でした。当時はまだ転職するかどうか迷っている段階だったと記憶しています。
森: そうですね。ちょうど良いタイミングで相談したいと考えていた時期でした。LinkedIn経由で他社からスカウトが来ている状況もお伝えしましたし、転職活動の基本的な質問もさせていただきました。
赤川: あの時は「転職すべきかどうかをどう考えたらいいですか」というご質問もありましたね。私からは「転職で失うものもありますよ」というお話もさせていただきました。
森: それがすごく印象に残っています。転職エージェントとしては珍しい言葉で、「転職で失うものがあるから、気軽に転職するものではない」と。確かに、築いてきた人間関係とか、そういうものは失われますよね。
赤川: 他にも、エンジニアの給与相場や、森さんの原動力についても話しましたね。
森: あの面談のおかげで、一度は「無理に転職しなくてもいいかな」と思ったんです。でも、その後いくつかのカジュアル面談を進めるうちに、「こういう課題があるからこそSREを求めている」という会社の話を聞いて、徐々に転職への気持ちが変わっていきました。

赤川: 転職活動を本格的に始めたのは12月頃だったそうですね。
森: はい。最終的にカジュアル面談を10社ほど受けて、その中から5〜6社の選考に進みました。
赤川: カジュアル面談から選考に進む会社を選ぶ基準はどんなものでしたか?
森: 会社が求めている部分と私が貢献できる部分のギャップがあるかないか、ですね。あとは単純に、興味のある業界かどうか、技術的に面白い課題があるかどうかも重要でした。
実はウェルスナビに対しても最初は不安がありました。セキュリティが厳しくて、今どきのエンジニアらしい働き方ができないんじゃないか、とか。
赤川: それでも選考を受けようと思った決め手は?
森: カジュアル面談での体験が大きかったです。当時の面談担当の幡さん(現在は執行役員)が、私のForkwellプロフィールをものすごく詳細に読み込んでくださっていて。スカウト文面でも感じたのですが、カジュアル面談を経てその印象が深まりました。
私が前職で取り組んだインフラアーキテクチャの構築やDatadogの導入経験にも触れつつ、単に会社の説明をするだけでなく、私の技術スタックに合わせて、ウェルスナビで抱えている課題を説明してくださったんです。他の会社のカジュアル面談も経験しましたが、ここまで私の技術スタックに合わせて説明してくれたのは、ウェルスナビくらいだったと思います。
赤川: ウェルスナビの選考はどのように進みましたか?
森: 思ったよりも早く進みました。当時は一次面接の後にすぐ最終面接という流れで、他の会社よりもスピーディーでした。
赤川: その選考プロセスの中で、Forkwellのサポートはどのように活用されましたか?
森: 選考前後のフィードバックはすごく助かりました。
特に、ウェルスナビの一次選考が終わった後、最終面接までの間にキャリアアドバイザーから「最終選考でこういったことを頭に入れて臨んでください」というアドバイスをいただきました。他の会社の面接で聞かれることや、私の強みをどうアピールすべきかといったポイントも教えていただき、とても参考になりました。
赤川: ウェルスナビさんからも、森さんの面接後、クイックにフィードバックをくださり、すぐに森さんにお伝えできました。
森: そうでしたね。選考のフィードバックが早いと、こちらも意思決定しやすくて助かりました。結果的にウェルスナビの志望度がかなり高くなっていたので、他の会社の一次選考段階でお断りすることも考えていたくらいです。
赤川: とはいえ、金融業界への挑戦という点で応募時に不安などはありませんでしたか?
森: 1社目の時に銀行案件に参画した経験があり、その時のセキュリティの厳しさを思い出して、ウェルスナビに対しても最初は不安がありました。セキュリティが厳しくて、利便性を犠牲にした運用をせざるを得ないのかな、今どきのエンジニアらしい働き方ができないんじゃないか、という不安がありました。
赤川: そういう不安がある中でも選考を受けたいと思った決め手は?
森: やはりカジュアル面談での会話がすごく盛り上がり、楽しかったからです。技術的な親和性もありましたし、一緒に働く人とのフィーリングも個人的に大事にしていたので、「一緒に働いて楽しそうだな」という気持ちが強まり、まずは受かるかどうか選考を受けてみようと思いました。
赤川: 最終的に内定が出た時、迷いましたか?
森: 私の中ではウェルスナビの志望度がかなり高くなっていたので、ウェルスナビだけの内定だとしても良いと考えていました。
赤川: 実際に入社されて1年3ヶ月が経ちましたが、事前の不安は的中しましたか?
森: いい意味で裏切られました(笑)。
何より驚いたのは、開発者の方々がインフラや運用・監視にすごく関心を持ってくれることです。資産を預かるサービスでもあるので、権限分離をしっかりして、本番環境の一部作業はSREチームしかできないこともありますが、開発者側も関心が高く、障害対応などはSREだけでなく開発者も一緒に取り組んでくれます。いわゆるDevOpsという感じで一緒に仕事ができる、今すごく楽しいフェーズです。
開発者の方々がSREの仕事に興味を持ってくれて、「今度こういう監視の仕組みを入れるんですよ」と説明すると、「面白そうですね!」と反応してくれる。そういった技術的な話で盛り上がれる環境があるのは、本当に嬉しいです。
赤川: 金融ならではの難しさや学びもありますか?
森: 確かにセキュリティは厳しいです。CSなど社内でも一部の人しか入れない専用エリアがあって、そこからしかアクセスできないシステムがあったり、各プロダクト間の通信も、不要なアクセスを防ぐために複雑なネットワーク設定になっていて、最初はキャッチアップに苦労しました。でも、それは当然必要なことですし、むしろSREとして学びが多い環境でした。
赤川: 入社前から事前に覚悟していたことと、実際のギャップはどうでしたか?
森: 前職ではWebメディア系でオンコールや障害対応がそれほど多くなかったので、ウェルスナビのような個人のお客様のお金を扱うサービスでは、1分でも障害があったらまずい、オンコール対応が大変で厳しいだろうと覚悟していました。
でも実際は、想定していたよりも頻繁な呼び出しはなく、夜中に呼び出される心配も思ったより少なくて安心しました。何かあった時SREだけではなく開発チームも一緒に対応できる体制ができていて良い意味でギャップを感じました。
赤川: 以前経験した金融系のプロジェクトでは苦労したこともあったようですね。
森: そうなんです。最初の新卒の会社で銀行案件に入った時、年齢差も大きくコミュニケーションの取り方に苦労した記憶がありました。
でも、ウェルスナビでは全くそんなことはなかったです。チームメンバーは私と同世代の方が多いので、かなりコミュニケーションしやすいです。みなさん本当にいい人ばかりで、カルチャー的なギャップも感じません。

赤川: 技術に関する話題を同僚と話す機会は多いですか?
森: はい、多いです。新しい技術やAI、コンテナ、監視回りなど、詳しい方が多く、会話が弾みます。マネージャーも定期的に自身のTimesで新技術や技術ニュースについて投稿しているので、そこでの会話も楽しいです。
赤川: マネージャーもTimesを持っているのですか?
森: 私のチームはみんなTimesを持っていますね。任意ですが、私が所属しているシステム基盤グループの皆さんも、基本的に個人でTimesを持っています。仕事で詰まっている部分などを投稿すると、すぐに誰かが答えてくれるので助かっています。
技術的な悩みや、実装で迷っていることを気軽に相談できる場があるというのは、心理的安全性の観点からもとても重要だと思います。金融企業でこういった開かれた文化があるのは、正直意外でした。
赤川: 森さんは以前から技術コミュニティに積極的に参加されていましたよね。入社後はどうですか?
森: 入社前もSRE NEXTやAWSのユーザーグループなどに参加してLT登壇もしていましたが、今の方が圧倒的に増えました。
赤川: それは意外です。金融系の会社は外部発信に慎重なイメージがあります。
森: 私も最初はそう思っていました。でも、ウェルスナビにはエンジニア組織を支援する専用のチームがあって、会社のLTテンプレート資料も用意されているんです。会社の名前を使って登壇する場合のレビューチェックもしっかり機能していて、気軽に会社で取り組んできたことを発表できる環境が整っています。
赤川: 具体的にはどのようなプロセスで登壇が承認されるんですか?
森: まず技術的な内容については直属の上長がしっかりチェックしてくれます。その後、コンプライアンスレビューがあって、会社として品位を損なわないかを確認されます。でも、このプロセスがシステムとしてスムーズに回っているので登壇しやすいんです。
実際、私以外にもチームマネージャーがLT登壇していますし、24卒の新卒メンバーも既に登壇しています。他チームの方もJJUG (Japan Java User Group)で登壇したりと、会社として外部登壇を積極的に推進している雰囲気があります。
技術発信をしている会社って、エンジニアから見ると好意的な印象を持ちますよね。私自身も入社前にウェルスナビのテックブログを読んだり、CTOがどんな人なのか調べたりしていました。今は自分も発信する側として貢献できているのが嬉しいです。
赤川: 森さんは以前から技術コミュニティに積極的に参加されていましたよね。入社後はどうですか?
森: 入社前もSRE NEXTやAWSのユーザーグループなどに参加してLT登壇もしていましたが、今の方が圧倒的に増えました。
▼森さんが入社前に読んで興味を持ったテックブログ
https://zenn.dev/wn_engineering/articles/4dd3d2fac71382

赤川: 森さんが入社されてからSREチームは5名から10名に倍増したそうですね。
森: そうなんです。全社的にも人が増えていますが、SREチームの成長は特に顕著です。ただ、その分課題も出てきています。
去年からマルチプロダクト戦略を進めていて、新規プロダクトの環境構築依頼が続々と来ているんです。KubernetesのマニフェストをHelmで標準化しているものの、開発者が簡単に新規プロダクトを立ち上げられるには認知負荷が高い状態であるため、それを解決するためにBackstage(内部開発者ポータル)の導入を進めている最中です。
赤川: オペレーション業務も多いとか?
森: はい、オペレーション担当を日替わりでローテーションしているんですが、忙しい日は終日オペレーション業務に追われることもあります。新規プロダクトの立ち上げラッシュで、開発者からの依頼に対してSREの人数がまだ十分にスケールしていない状況があります。この状況を改善するため、今年に入ってから自動化や開発者自身で安全にオペレーションが行える仕組みの構築を進めており、最近その改善効果が出始めています。
最近では三菱UFJ銀行の完全子会社になり、新しいデジタルバンクを作るプロジェクトも動いています。そこにSREとしてどう貢献できるか、すごくワクワクしています。
赤川: 事業拡大フェーズならではの嬉しい悩みですね。
赤川: ウェルスナビのSREチームが目指しているものは何ですか?
森: 私たちのチームミッションの一つに「10x(テンエックス)」という言葉があります。これは、お客様の数が10倍、サービスの数が10倍になったとしても、それをうまく運用できるようなチーム作りを目指すという意味です。このあたりのチームの歩みや目指す姿については、SREマネージャーがテックブログに詳しく書いているので、ご興味があればぜひご覧ください。
▼ウェルスナビのSREチームの歩みとこれから
https://zenn.dev/wn_engineering/articles/79f8cc1d047861
赤川: それは人数を増やすのではなく、技術で解決するということですか?
森: 両方です。人数だけを増やすのではなく、AIなども活用しながら、現在の人数で対応できるような仕組みも作る、というチャレンジです。
最近では24卒の新卒メンバーがAIの導入について技術ブログを書いてくれたりして、新しい技術へのチャレンジも積極的に行っています。人数で解決するだけでなく、技術でスケールさせることが重要だと考えています。
▼SREチームによるAI活用事例
https://zenn.dev/wn_engineering/articles/b782f9f425e8c2
赤川: 今振り返って、転職は良い選択だったと思いますか?
森: はい、間違いなく良い選択でした。技術的な課題への貢献、良いカルチャーでのチャレンジ、これらが叶えられています。当時の自分には「安心して転職していいよ」と背中を押してあげたいです。
赤川: それを聞けて嬉しいです!今後の目標について教えてください。
森: これまではプレイヤーとして個人で成果を出すことが中心でしたが、新規プロダクトのインフラ部分のチームリーダーも任されるようになりました。今後は、技術で課題を解決しながら、プロジェクトのタスクマネジメントもできるようなSREを目指していきたいです。
ウェルスナビには、エンジニアのキャリアパスとして、スペシャリストとマネジメントの2つの道があります。私はマネジメント力というよりも、技術的スキルを持って会社の課題に貢献できるスペシャリストを目指したいと考えています。いわゆる「技術でマネジメント」するような役割ですね。
赤川: 森さんの経験を踏まえて、どんな方にウェルスナビのSREはおすすめですか?
森: 「10倍に耐える仕組み」を一緒に作っていける方です。単に人を増やすのではなく、AIなどの新しい技術を活用しながら、少人数で大規模なシステムを運用する仕組みを作ることに興味がある方。そして、金融という社会インフラを支える責任感と、スタートアップのスピード感の両方を楽しめる方には、本当に面白い環境だと思います。
赤川: 本日は貴重なお話をありがとうございました。今度はぜひ Forkwell の技術イベントでも登壇してください!
森: ぜひ!
転職のお手伝いをしたSREのお二人とイベント会場でお会いしたので二次会へ!転職先でのご活躍を聞けてめちゃ幸せな時間でした!@yamaguchi_tk @Y0u281 ありがとうございました! #Forkwell_HACKBAR pic.twitter.com/zuu9mvUHH7
— 赤川 朗 / Forkwell (@Akira_Akagawa) August 6, 2024
▼@yamaguchi_tk 氏の転職成功インタビューはこちら
ウェルスナビでは、「10倍に耐える仕組み」を一緒に作っていけるSREエンジニアを募集しています。金融×テクノロジーの最前線で、スケーラブルなシステムを構築したい方のご応募をお待ちしています。
本記事は2025年7月に実施したインタビューを基に構成しています。所属・肩書き等は取材当時のものです。
転職は思ったよりも、時間がかかる
年収800万円以上のハイキャリアでも、42%が転職に1年以上かかっています。
技術力が高いほど、転職先が限定される
スキルや志向が明確なほど、マッチするポジションは限定されます。
ハイキャリアでも、面接には落ちる
素晴らしいキャリアでも面接に落ちることは珍しくありません。メンタル対策や面接の振り返りをサポートします。
自分のペースで進めたいなら「スカウトをON」
エージェントに頼らずスカウトメールから直接応募も可能です。
Forkwellエージェントは、企業選びから面接対策まで、あなたの転職活動を徹底的にサポートします。「経験チャート」機能を利用すれば、たった3分であなたの経歴を作成できます。