Forkwell Press | フォークウェルプレス

SHARE

目次

目次

SHARE

CTO名鑑

CTO名鑑 vol.5 – 株式会社タイミー 赤澤 剛「崖から落とされたら血だらけでキラキラ光る石を拾ってくる系CTO」

自分のキャリアロールモデルを探すITエンジニアのためのCTO名鑑シリーズ。今回は、株式会社タイミーの赤澤 剛氏を特集します。

【ちょっと宣伝】上級エンジニア特化のキャリア支援サービスをはじめました!

市場の変動がキャリアへの不確実性をもたらす昨今、これまで以上にエンジニアに寄り添いたいという想いから、上級エンジニア特化のキャリア支援サービスをはじめました。スポーツ選手のエージェントのようにエンジニアの立場で次のキャリアを提案いたします。一般的な転職エージェントのように募集中の案件を紹介するだけでなく、あなたの理想のキャリア実現に向けて、ニーズがありそうな企業へ交渉し、望ましい案件を創出する働きかけも行います。無料で利用できますので、お気軽にお申し込みください。
CTOへの打診を受けた際、理想のCTO像とのギャップに苦悩しつつも挑戦を選んだ赤澤 剛氏。経営と技術の架け橋として成長し、自らを『崖から落とされたら、血だらけになりながらキラキラ光る石を拾ってくる系のCTO』と評するまでの旅路を綴ります。

赤澤 剛と申します。現在はタイミーでVPoEを務めていますが、正社員としてはこれが4社目。最初はワークスアプリケーションズでERPの開発に10年間ほど携わり、その後LINEフィナンシャルで新銀行の立ち上げを経て、2024年1月まではユーザベースグループにてNewsPicksの法人領域の開発やグループ内のAlphaDriveにて3年ほどCTOをしておりました。

プロダクトエンジニアの生き様

1社目のワークスアプリケーションズは、今に繋がるソフトウェアエンジニアとしての基礎を築いた期間でした。ワークスアプリケーションズは、インターンが有名な会社で、エンジニアリングの世界に飛び込んだのはプロダクトの魅力、CEOの熱意、あと初任給に惹かれたから(笑)。10年間で学んだことは、プロダクトエンジニアとしての生き方です。

当時のワークスアプリケーションズは、法人セールスやコンサル部門以外の領域は全て開発部門と定義されていたので、もちろん明示的なPdMやUIUXデザイナーも不在。事業企画から開発、デモンストレーションまで、全てがエンジニアの仕事でした。後々、各部門にプロがいることの強さを知ることになるのですが、この頃「顧客への価値提供 = 仕事」 と捉え、価値提供に必要なことはなんでもやるプロダクトエンジニアとしての生き方が構築できていたように感じています。

ちなみに、BtoB領域の面白さにハマったのもワークスアプリケーションズがきっかけです。最近も、10年以上前、ワークスアプリケーションズに在籍していた時に開発した機能について「あの機能のおかげで早く家に帰れるようになったよ!」と感謝の言葉をいただく機会があり、ドメインの魅力を改めて実感しています。

お客様のために自分を削ることが当たり前のスタンス

一方で、あの働き方は今となっては推奨できるものではありませんね。リモートワークがまだ一般的ではなかった時代、日曜日の夜から出社して設計や開発に没頭するなど、自分自身のキャリアなどどうでもよく、ただ目の前の仕事に全力を尽くす日々でした。

ある日突然、シンガポール・インド・上海の中から好きな場所を選んでいいよと言われ、シンガポールを選んだところ、明日行く?と即座に聞かれました。(私はこれをビジネス電波少年と呼んでいました笑)

仕事を勝ち負けで考えていたわけではありませんが、”明日から海外に赴任できる人??”と聞かれたら、私は即座に手を挙げる。

当時は、そういう前のめりな姿勢が必要だと感じていました。その結果、日本やシンガポール、インドで100名を超える組織を率いることになり、お客様のためには自分自身を削ることが当たり前のスタンスとなっていました。

当時は『お客様に週休3日の世界を提供したい』というビジョンを掲げていましたが、その目標を実現するためには、私たち自身が非常にハードに働くぞ!という状況でした。

海外オフィスでのマネジメントでは「赤澤さんのことはとても尊敬しているけど、今のマネジメントスタイルでは付いていけない」と、メンバーからハッキリ伝えられたこともとても大きな反省と転機として記憶しています。インドやバングラデシュのチームメンバーが自分自身の課題に向き合ってくれたことをきっかけに、マネジメントスタイルを根本から見直し、これが「お客様に真に価値提供を継続するためには自分たち自身がサステイナブルでなければならない」という現在のマネジメントスタイルの礎になっています。

「信頼貯金」がリセットされた状態からスタート

2社目のLINE & LINE Financialでは、信頼貯金と顧客価値提供の本質を学びました。10年間勤めたワークスアプリケーションズを離れ、既に確立されたコミュニケーションのパイプラインや信頼関係に頼ることなく動かなければならない状況に、新しいドメインの難しさと、信頼貯金がない状態でのリーダーシップの難しさを痛感しました。またプロジェクトの事情から最終的なプロダクトのリリースがない状態でユーザーベースへ転職することになったため、お客様に価値を届けることこそが、自分自身に『存在価値』を与えることであると痛感しました。顧客のもとに届かないものは、どんなに技術的に優れていても、意味がない。また顧客へ価値を提供するためには、セールスやCSチームとの連携が不可欠。チームワークの価値や様々な職種の同僚への感謝を深く認識しました。

崖から落とされたら血だらけでキラキラ光る石を拾ってくる系CTOに

前職のユーザベースでは、グループであるアルファドライブにて執行役員CTOを、NewsPicks for Businessでは取締役を務めました。ここでは、BtoB SaaSやニュースメディアの開発を推進し、プロダクト組織はわずか2名から40名規模へと大きく成長しました。CTOの打診を受けた時、正直、断ろうと思いました。理想のCTO像と自分自身との間に大きな乖離を感じていたんです。恥ずかしさや、周りから認められないのではないかという不安がありました。でも、断ったら始まらない。CTOに挑戦して、もし向いていなければ辞めるという選択肢もある。そうシンプルに考えて、挑戦することにしました。

CTOとして3年間で学んだのは、経営課題と技術課題をどう接続できるか、経営の中で技術やプロダクトをどう理解してもらい、それを経営課題と同テーブルで語り、事業戦略に組み込むかということでした。。あらゆる技術において全社で最も詳しい人材ではないが、CTOとして自分自身が担えるし担うべき役割だと素直に思えました。

2年目になって少しずつCTOを名乗ることに対する恥ずかしさや違和感が消えました。自分のようなタイプのCTOを認められるようになったんです。自分自身が理想とするアカデミックな要素を持っていたり、要素技術に強いタイプとは異なりますが、そんなCTOにバトンタッチできる状況を作るまでは自分のようなCTOがいてもいい。今では自分のようなタイプを『崖から落とされたら、血だらけになりながらキラキラ光る石を拾ってくる系のCTO』と笑って言ってます(笑)

タイミーでの新たな挑戦

2024年2月、タイミーのVPoEとして新たなキャリアをスタートさせました。以前の職場であるアルファドライブでは、VPoEやEM(Engineering Manager)の役職が存在せず、CTOとしてその役割を兼任していた経験があります。実際、外部からのお声掛けで最も多かったのが、VPoEのポジションでした。自身の行動が外部からVPoEとして認識されていることに気づき、役職にこだわりもなかったので、純粋に自分自身が価値貢献したいプロダクトと組織の両方があると確信し、タイミーへのジョインを決めました。

タイミーは、既に一定の規模になっている組織です。これまでの経緯や歴史に経緯を払って強みをさらに強化し、そして時には成功要素をあえてスクラップして、さらに大きな成功を獲得しにいくことに挑戦しています。特に、中長期的な合理性のために短期的な非合理を「歓迎」する組織を目指し、CTOの亀井氏と共に、二人三脚でこの変革を推進している最中です。


ハイキャリアこそエージェントに頼ろう!

1. 実は、高年収者ほど転職に時間がかかる傾向あり!
フォークウェルを通じてスカウトを受け転職活動を始めた際、年収800万円以上の方の20%が3ヶ月以内に転職先を決定していますが、42%はスカウトを受けてから1年以上経過してから転職を決めています。高年収者ほど転職に時間がかかる傾向にあるのです。

2. 技術力の高いエンジニアほど転職先が限定される
ハイキャリアになるほど、自身のスキルや志向が明確になり、企業とのマッチング難易度が上がることが考えられます。企業側も適合するポジションが常にあるわけではなく、時には運も合否に影響します。

3. ハイキャリアでも面接は落ちる
素晴らしいキャリアや技術力のある方でも面接には落ちます。そのようなメンタルが病みそうな場面でも「上級エンジニアエージェント」は、伴走者としてサポートいたします。キャリアに関する議論では、自分の年収や市場での評価、特化した経歴の伝え方など、率直な意見交換が活発です。

    今年の支援実績です。およそ年収800万円から1200万円の範囲で転職支援を行っております。

    アバター画像

    フォークウェルプレス編集部

    Follow

    記事一覧へ

    本サイト掲載の全て記事は、フォークウェル編集部が監修しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程をチェックしています。

    上級エンジニア向けのキャリア面談
    赤澤 剛
    株式会社タイミー

    VPoE

    2009年に株式会社ワークスアプリケーションズに入社、ERPパッケージソフトウェアの開発及びシンガポールでのR&D組織の強化、海外企業向け機能開発に従事。その後、LINE株式会社での新銀行設立プロジェクトを経て2020年よりUzabaseグループにジョイン、同グループにて2021年よりアルファドライブ 執行役員CTO、2023年よりNewsPicks for Business 取締役に就任、BtoB SaaSやメディアサービスの開発を行う。2024年2月より株式会社タイミーに入社し、VP of Engineeringに就任。