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■ライフワークとメンタルヘルス
2024.01.15 2024.06.19 約3分
エンジニアのメンタルリスクは一般職の3倍といわれます。「エンジニアの処方箋」シリーズでは、ITエンジニアが抱えるメンタルヘルスの問題に焦点を当て、キャリア不安や技術プレッシャーを軽減するために、医師や専門家による信頼性の高いアドバイスをお届けします。
アサーティブ・コミュニケーションをひとことで定義すれば、お互いの主張や立場を大切にした自己主張、自己表現といえます。具体的には、下記の3つを目指すコミュニケーションです。
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職場の人間関係においては、年齢・立場・キャリア・スキルの差など、あらゆる違いを考慮しながら相手とコミュニケーションを取るため、必要以上にストレスを感じる方も多いのではないでしょうか。しかし本来は必要以上に謙ることも、相手を威圧的にコントロールしようとすることもなく相手と向かい合うことが、対等な関係性であり、健全なコミュニケーションなのです。
ところで、みなさんは普段このようなことを感じることはないでしょうか。
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人は、自分の理想、願望、期待、譲れない価値観を象徴する「べき」が、その通りにならない時に怒りを感じます。また、自分の「べき」が「ふつう、当たり前、常識、当然」と思い込むことはないでしょうか。価値観が多様化する昨今、相手とは違う可能性があるのに、そう思い込み押し付け、決めつけるような言い方をしていないかを振り返りませんか。
「過去にこんなことを言ってトラブルになった」または「なるべく穏便に済ませたいから意見しない」このようなことを思っていませんか?しかし、行動してみなければ結果はわかりません。もしそのような過去のトラウマに縛られているのであれば、「こうすれば、うまく伝えることができるかも」と、ぜひ未来に目を向けて見て欲しいのです。ネガティブな記憶を忘れる必要はありません。リスク管理のために「記憶」しておけば良いのです。コミュニケーションにおいても仕事においても、ネガティブな思いや思考に、次の一歩を引っ張られないことが大事なのです。
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Forkwell エージェントに相談してみる(無料)相手と対等に向き合うことの大切さをお伝えしました。次は、みなさんのコミュニケーションのタイプが、どれに当てはまるかを見てみましょう。
一見、攻撃的には見えませんが、外堀を埋めて出口をなくし、真綿で首を絞めるかのようにじわじわ追い込む行為は、攻撃的な自己表現に該当します。ロジカル≠理詰めであることをお忘れなく。
例えば、ため息・舌打ち・乱暴にキーボードを叩くなど、間接的な攻撃をするパターンもこの属性に該当します。
人間ですから、これからの人生で絶対に攻撃的な自己表現を控えてくださいとは言いません。大事なのは、自覚を持てるかどうかです。自覚はないけど周囲があなたを攻撃的だと感じているケースは、最も厄介です。起きてしまったことは仕方がないにしても、お詫びやフォローは本人の自覚がなければできません。
5つの因子、エンジニアに多い因子は?:エンジニアに多いとされる「弁別性」因子と、日本人に多い「受容性」因子の組み合わせも、ミスコミュニケーションが起きがちです。
引用元:心のHPゼロなエンジニア必見「メンタル・クエスト解説」心療内科医 鈴木 裕介
このような表現を繰り返すと相手も本人もストレスを抱えます。そのストレスがある日突然、「もう我慢できない!今までどれだけ我慢しているかわかる?」と爆発し、これまでの不満や怒りを相手にぶつけてしまったというケースもあります。
自分がどのような状況で非主張的な自己表現をするのかを整理してみましょう。また非主張的な相手と仕事をしなければならないことを想像してみましょう。相手の要求や意見・本音を聞き出すために、こちら側が不要な努力をしなければならないことは容易に想像できるのではないでしょうか。
「相手が攻撃的だから私が非主張的になってしまいます」と相談を受けることがありますが、もしかするとあなたの態度が原因かも知れません。まず、相手のコミュニケーションパターンをコントロールすることはできないことを理解しましょう。自分の関わり方を変えてみることこそ、解決の近道です。
非主張的な言えないとは違い、言わない判断もアサーティブコミュニケーションの範囲です。ただし、自分自身の判断には責任が伴うこともお忘れなく。また、言う言わないで迷ったときは、どちらの選択を取れば後悔しないかを考えてみることがポイントです。
何に対しての話なのか・何を伝えたいのか・何を目指しているのか、ゴールを明確にしましょう。
部下や後輩の指導において最も重要なのは、相手の成長を願い、意識と行動の改善を促すことです。「普通こうすべき」という自身の思い込みに基づき、イライラして相手を論破したり、過度な批判で相手を落胆させることが「指導」ではありません。真の目的は、コミュニケーションを通じて何を伝え、何を目指すかにあります。
例えば、過多な案件を抱えているときや「なぜ私ばかり」というネガティブな感情が溜まっているとき、それをそのまま相手にぶつけると、せっかくのあなたの提案は、単なる不平不満に聞こえてしまいます。そうではなく、「次からはこうしてほしい」という明確な要望として伝えましょう。
ちゃんと・しっかり・主体的になど、抽象的な表現は避けましょう。これらの言葉の定義は人によって異なるものです。「もう少し期間をいただけますか?」を「あと5営業日いただけますか?」と具体的に表現することで余計なトラブルやミスコミュニケーションをぐんと減らすことができます。
ポイントは、簡潔に・そして率直に。まわりくどい、遠回しな言い方や嫌味な表現は避けましょう。
上記のケースで、もし相手から「え〜?5日前?難しいよ。」と反論された場合は、「難しいこともありますよね。」と受けとめたうえで、「十分な修正をするために、5日は欲しいです。せめて3日はください」と、相手にわかってほしいことに焦点をあてて、短文で繰り返し伝えるのも効果的です。伝えたいことが相手に明確に伝わり、怯まない姿勢も伝わります。
相手の行動について話す際は、事実と主観を明確に区別しましょう。
「いつも」と「必ず」といった表現は、主観的であり、事実と一致しないことがあります。このような言葉を使うと、相手は、あなたが事実を曲げて決めつけていると感じるでしょう。指摘をする場合は、具体的な事実に基づいて話すことが重要です。主観と事実を分けることで、相手に公平で理解あるアプローチを示すことができます。
コミュニケーションにおいて、態度や語調、表情は言葉と同じくらい重要です。例えば、アサーティブな表現を用いても、その言い方が攻撃的であれば、メッセージの受け取り方が変わってしまいます。言葉選びと同じくらい、それをどのように伝えるかにも注意が必要です。話す際の表情、態度、声のトーンが、言葉の意図と一致しているかどうかを常に意識しましょう。
相手の意見に実際には同意できない場合に、「おっしゃることはわかりますが」といった表現を使うことはありませんか? これは同意のように聞こえるかもしれませんが、実際には相手の意見を受け入れていないと感じさせてしまうことがあります。代わりに、「◯◯とお考えですね」といった表現を使って、相手の意見を理解し、受けとめる姿勢を示しましょう。理解は同意とは異なります。相手の立場や考えを理解することが、建設的な対話の出発点となります。
アサーティブコミュニケーションは、新しいコミュニケーションスタイルと捉えられることもありますが、繰り返しの練習によって身につけることができます。教習所で初めて運転を学ぶ時、すぐに高速道路を走るのは難しいものです。しかし、ヒヤリとする瞬間や小さな失敗を重ねながら徐々に経験を積むことで、運転するコツを掴み、やがては高速道路もスイスイと運転できるようになります。コミュニケーションもこれと同じです。少しずつでも練習を積んでいくことで、アサーティブなコミュニケーションスキルが自分のものになります。ぜひ挑戦してみてください。
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