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「レガシーな環境に身を置き続けていると自分の市場価値が下がっていく」正代裕樹(株式会社サーキュレーション)Forkwellエンジニア成分研究所

金融関係のプロジェクトでは、数ヶ月試験実施を行うことも。

――改めて、貴社サーキュレーションさまの業務内容を教えてください。

正代 弊社はプロフェッショナルのシェアリングサービスを提供しており、プロフェッショナルの方に一万人ほど登録いただいております。弊社コンサルタントが企業様に経営課題をヒアリング、課題にあったプロフェッショナルの方をマッチング、一緒に経営課題を解決して行くサービスを提供しています。

――プロフェッショナルと言うと、経営コンサルの方がメインだったりするんですか?

正代 過去に会社役員を勤められた経験をお持ちの方であったり、退職されてからもまだ社会の為に知見を活かしたい方など様々な方々にご登録頂いております。

――2030年までに労働力は800万人不足するという話を聞きますが、貴社はまさにそういう日本の課題に対してアプローチされているんですね。

正代 40代、50代以降の方々が持っている知見は非常に大きな価値があると思っています。その知見を若い世代が活かし、新しいサービスに繋げていくことに出来ればいいと思います。そういう繋ぎ役、パイプ役を弊社が担っていると思っています。

――正代さんはマネジメント職と伺いましたが、コードを書くことからは徐々に離れているんですね?

正代 そうですね、コードを書く時間よりマネジメントしている時間の方が多いです。前職の時からその流れで、そのまま経験を活かしているという感じですね。

――前職イー・アンド・エムさんには、専門学校を卒業されてから10年間いらっしゃったんですね。この会社は、どういう理由で選ばれたんですか?

正代 専門学校から就職活動をする時には結構トガっていたといいますか、「専門学校じゃ誰にも負けないぜ」と思ってたんですね(笑)。それで、学校のお世話にならずに、自分で開拓して就職したいと思って。

それでいろいろな就職セミナーに顔を出したときに、宮崎にグループ企業があるけれど本社は東京、という会社を見つけて。それがイー・アンド・エムでした。宮崎の会社を見学しに行ったとき、「宮崎でも東京の仕事を持って来てるんだ」ということに惹かれまして。「これなら、最終的に九州に戻ってこられるな」と思いつつ、当時は東京で最先端の仕事がしたいという思いが強くて選びました。

――会社の住所を拝見したら、半蔵門の近くなんですね。こちらに10年間いらっしゃったということですか?

正代 所属は東京本社なんですけど、ほぼずっとお客さん先に常駐ですね。金融系を主にやってまして、ATM開発を行なっているメーカーさんに常駐し、10年ほぼATMをやっていました。

――ATMの仕事というとどんな仕事をされるんですか?

正代 最初はATMのパッケージ開発に関わっていました。パッケージ開発の完了後は、それを各銀行さんに合わせてカスタマイズしていく業務内容でした。ATMの画面をHTMLとCSS、JavaScriptを使ってサーバーにアクセスしてもらい、画面のデザイン変えるときはWebサーバーの画面を変えれば全ATMに反映できる等、様々な新しい試みを行なっていました。

――このお仕事を10年やられたんですね。

正代 これは最初の7年ぐらいですかね。残りの2、3年前に福岡に転勤してきました。福岡に転勤後は、旧来パッケージのカスタマイズを行なっていました。これはVBとかCとかで作られているのですが、それを各銀行さん向けにカスタマイズするという業務です。

画面開発もツール化されていて、パーツを選んで画像を貼り付けてやっていけるようなものでしたね。そこで画面開発を行なったり、あとは主に試験実施のマネジメントを行なっていました。試験フェーズってATMってえげつないほど試験項目があるので、それをどうやっていくのかというマネジメントをやってた感じですね。

――ATMは万一にもエラーがあったらダメなところですから試験項目がえげつないと思うんですけど、どういう項目があるんですか?

正代 ATMって前画面があるじゃないですか。その後ろに行員さんが使う裏の画面とか、あとは監視するための監視端末があって。今どのATMがどういう状態か、パターンによってはいろいろ情報が残るんです。

例えばカードを入れっぱなしで帰るとカードを取り込むとか、お金が残っているとエラーを返すとか。エラーになって止まったとき、監視端末から「こういう操作をするとお金を返せる」「お金を取り込む」というパターンをいろいろやっていくんです。仕様的に穴がないよう、全部やっていきます。

――伺っていてもすごく大変そうです。

正代 そうですね。万単位の項目数があるので。頑張っても1人あたり1日60件消化くらいなので、2ヶ月ぐらいずっと試験実施ということもありますね。

自社サービスをやっている会社のエンジニアリングを知りたかった

――こんな大変な作業、途中でやめたくなったりはしなかったんですか?

正代 何回か、なりましたね。1回目は7年目、福岡に帰る時は本当に悩んでたんです。結婚を機に福岡に住む場所を変えようと思った時に、本気で転職を考えたんですが、引き止めていただいたので。

その次が、福岡に来て「レガシーな環境に身を置き続けていても身にならない、自分の市場価値がどんどん下がっていく」と思って。何度か転職を試みて、昨年10月に大谷さんとの出会いがあり、「ぜひ一緒にやりましょう」とお声掛けいただきました。

――前職の中で最もタフだった経験はなんですか?

正代 一番大変だったのは、大手銀行さんの仕事ですね。一言一句文言を間違ったらいけない、出てきたデザインから1ピクセルずれてもいけない、とか。画面数が多いので、ATMで全部チェックして。

きつかったのは、メモリリークですね。ATM自体を測ると原因不明のメモリリークが続いていたことがあって、結局OSやブラウザの問題だったんですが、毎朝会議をして「昨日の結果はこうでした、今日はこういう評価をしよう」とやってたんですけど、当時のお客さんからかなりきつい言葉で詰められたりしましたね。外注なのに。

――外注なのに、結果責任も問われるのはきついですね。

正代 責任ある仕事をしたいんですけど、外注なので責任は取れないのでやりづらくて。業務委託や外注の仕事はもう嫌だな、と思ったのも転職の理由です。

――サーキュレーションさんに入った経緯を教えてください。

正代 前述の通り、一番大きい理由は前職のレガシー技術では「あと30年もたないな」と思ったことですが、もう1点は自社サービスをやっている会社のエンジニアリングはどうなのか、どう運用しているのかを経験したかったからですね。それを前提に転職活動を始めました。

転職活動していく中で、僕の師匠とも言えるエンジニアに相談している中でサーキュレーションの名前が出てきました。「CTOの大谷さんは有名な方だし、面識もあるから1回会ってみた方がいい」ということで、大谷さんと繋いでいただいたんです。

それでお会いした時に、課題を出されたので、必死に取り組みました。「自分のポテンシャルを見てくれ」と(笑)。gitもAWSも使ったことがない、古いスキルセットしか持ってなかったのでそれを短期間で詰め込んだ感じです。その努力を認めていただき、成長の可能性も加味して「ぜひ来てください」ということで採用いただきました。感謝してますし、これからサーキュレーションにも大谷さんもたくさん返していかないといけないなと思っています。

求められているものって、客観的に見て伸ばしたほうが良いものだったりすると思うんです。

――ここからは、正代さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。

・事業内容 3

将来性があるかという点は気になります。企業理念・ビジョン・事業内容全てにおいて「問題ないよね」というレベルは必要ですね。家族を不安にさせない会社ということも重要です。

・仲間 5

僕は、人のために仕事をすると燃えるタイプなんです。業務改善システムを作るときも、「すごく使いやすくなりました」という声がエネルギーになるんです。皆で気持ちよく仕事をしたいんです。だから仲間意識が大事ですし、仲間が充実していないと疲弊していくかなと思ってます。

・会社愛 2

2としましたが、良い仲間が揃っていれば、それが会社愛に繋がると思います。だから5をつけたかったんですが、他とのバランスです。「いい仲間がいれば良い仕事ができる」と思っています。

――エンジニアの方にも「会社より仲間だ」という方は多いですね。

そうですね。仲間、組織がしっかりしていれば良いかなと思います。

・お金 3

家族もいるので最低限下がらなければというところですね。転職においては、現状維持を意識していました。それ以降は、自分が頑張ればついてくるものだと思うので。誠実にやっていけば周りに評価された結果がお金になると思います。お金を気にしたのは転職のときだけですね。

・専門性向上 4

自分のスキルアップという意味で捉えさせていただいたんですけど。自分が伸びていかないと、厳しいと思います。自分の市場価値を上げていける環境に身を置くことは大事だと思います。

・働き方自由度 3

すごく自由じゃなくても良いんですけど、リモートワークができると子育ての時間が取れるので、助かります。家庭を大事にできる程度に自由さはあるといいなと思っています。サーキュレーションに入って、かなり自由にさせていただいています。すごく助かりますね。

――キャリアに迷うエンジニアの方に向けて、メッセージをいただけますでしょうか?

正代 僕は目指すところはあるんですが、求められるものに対して全力でやっていくタイプです。ちょっとエンジニアっぽくない感はあると思うんですが、やはり求められているものって僕に向いているものだったり、客観的に見て伸ばしたほうが良いものだったりすると思うので。

キャリアに迷った時は「自分に何を求められるか」「現在の会社で何を求められているか」をまず客観視し、「自分が何をやりたいのか」との配分をみるのが大事だと思います。同じことは自社でもできたり、あるいは他社でも同じように求められたりすると思うんですね。いろいろな人と話をして、チャレンジしてみる。求められることを全力でやりきる、というのを目指していけば失敗することはないのかなと思います。

<了>

ライター:澤山大輔


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