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「社会にインパクトがあるサービスの開発を楽しみたい」片岡宏文(LINE Fukuoka株式会社)

LINEのさらなる成長に向け、より速いスピードで事業展開することを目的に設立されたLINE Fukuoka。今回ご登場いただくのは、同社の開発組織の立ち上げ初期からご活躍されている片岡宏文さんです。
 
現在は「LINEクリエイターズマーケット」のサーバーサイドエンジニアを務め、2019年からは同プロジェクトの開発マネージャーも兼務する片岡さん。ベンチャー気質を持ちながらLINEのインフラ活用もできるという環境において、マネジメントサイドはどのような役割を担っていくのかを伺いました。

入社の決め手は、尊敬しているエンジニアの方々でした。

――LINE Fukuokaさんがどういう会社かご説明いただけますでしょうか?

片岡 弊社は2013年11月18日に設立した、LINE株式会社100%出資の子会社です。私が所属するエンジニア組織は、2014年頭にできました。最初は少人数で開発を担うプロジェクトも少なかったのですが、開発組織の成長に伴いLINEのホームタブやLINEスタンプに関連する部分の開発をするようになりました。その他にも現在は社内向けのIaaSの開発、Machine Learning、データサイエンス領域などにも広がってきています。

弊社はファミリーアプリ(「LINE占い」「LINEマンガ」などLINEの冠がつくアプリ)の開発からスタートし、様々なプロダクトを取り扱うようになりました。LINEとLINE Fukuokaで業務の隔たりはありません。例えばスタンプに関連する開発も、福岡と東京で共同開発しています。リポジトリも共通のGithub Enterpriseを使っているので、参考になる実装を横断的に探すこともできます。

――現在は、どういった言語で仕事をされているんでしょうか?
 
片岡 私自身はPerlで開発していますが、LINE全体のサーバーサイドではJavaが多いですね。最近は、Kotlinを使うことも増えてきました。インフラ系のツールではPythonを使うことも多くあります。他にもたくさんの言語が使われていると思いますが、メインはJavaですね。

――言語選択は、ある程度自由が効く環境なのでしょうか?

片岡 そうですね。でも技術の方向性はある程度決まっているほうがパフォーマンスは出やすいので、その辺も合わせて意識しています。

――ありがとうございます。片岡さんご自身がLINE Fukuokaさんに入社されたのは、いつ頃ですか?

片岡 2014年6月です。それまではWEBアプリケーションの受託開発をする会社に12年勤務し、ブログベースのCMSを開発しながらエンジニアおよびマネージャーとして働きました。

――転職をしようと思った理由は、どのあたりだったのでしょうか?

片岡 もともと、LINEで働いているエンジニアの方々にすごく興味を持っていたことですね。私が業界に入った当初はWebアプリケーション開発はPerlが主流だったのですが、当時のLINEの前身の会社の方々が多く活躍されていました。また、PerlのCPANというライブラリを登録できるサイトがあり、そこの登録数がとても多い方々が在籍していたのも転職を決めた動機でしたね。

スピード感や納得感が高い組織

――現在の片岡さんの業務内容を教えてください。

片岡 「LINEクリエイターズマーケット」というサービスのバックエンドを担当しています。兄弟プロジェクトに「LINE Creators Studio」というアプリもあって、そちらはネイティブアプリの特徴を生かしドローイングや切り抜きの機能を使って、スタンプを作って販売できます。そのAPIも我々が開発しています。

――その中で、片岡さんはどういった立ち位置なのですか?

片岡 今年から、開発プロジェクトのマネージャーになりました。エンジニアリングマネージャーという立ち位置ですね。基本的には隔週で1on1をしたり、技術的にやりたいこと、方向性についてディスカッションしたりなどのサポートを行なっています。仕事の範囲は限定せず、メンバーの働きやすい環境を追求しているつもりです。評価軸やキャリアパスもしっかりあるので、日頃から相互理解に努めています。

――どういったキャリアパスがあるんですか?

片岡 LINE Fukuokaには、エンジニアリングのキャリアパスについて路線が2つあります。個人でパフォーマンスを発揮するパスと、マネジメントで成果を出していくパスです。マネジメントの人も、個人としてパフォーマンスが高ければ評価されます。レベル定義もあり、定義の内容に沿ってメンバーの成長をサポートできます。

――入った人が、納得感を持って受け入れられる軸があるんですね。

片岡 そうですね。うちのチームでは、本人がやりたいことにチャレンジしてもらえているかと思います。1on1でもたくさんディスカッションして、やりたいことを始められる機会を作れていると思いますね。

例えば、「新しい技術を導入したい」とか「大きめのリファクタリングをしたい」とか「サービスのメトリクスを集めて分析したい」という話があれば、すぐにアクションを起こせるようにしています。

――1on1で出てきたリクエストが、すぐにフィードバックされるんですね。

片岡 はい。1on1が発端になったエピソードはたくさんあります。
例えば「LINEクリエイターズマーケット」もどんどん成長しているサービスなので、リリースから4年以上経過しても新機能の開発要望がたくさん来るんですね。インフラなどの足回りがしっかりしていないといずれ破綻するので、安定して改善を進めたいねという話になり毎週ディスカッションする時間を作りました。

他にも「LINE Messaging API」というbotを作るためのAPIがあるんですけど、
そのPerlバージョンのSDKのメンテナが私のプロジェクトに全員いて、やるべきことは多いのでまとまった時間を確保しようという話になり、毎週金曜日にみんなでリラックスして開発しています。

話したことをすぐアクションに起こしているので、スピード感や納得感は高いんじゃないかなと思います。

――100人規模の組織に成長しても、かなりベンチャー的な動きができるんですね。

片岡 そうですね、100人で1つのものを開発しているわけではないので。1つ1つの開発チームは少数精鋭なんです。皆、自分のサービスを成長させたい、品質の高いソフトウェアを開発したいと思っています。その中で、自分たちでやりくりできることを各プロジェクトで頑張っていると思います。

部門を超えたリスペクトの気持ちが重要

――御社のプロジェクトの進め方は、どういう流れで進むのでしょうか?

片岡 弊社のプロジェクトはまずプランナー・企画担当者が施策を考え、仮説の確度が高くなるようデータ分析し、スペックのたたき台を作ります。それをエンジニアとQAがレビューし、大きな穴がなければ開発スタートという流れですね。開発後はQAにテストを依頼し、クリアすればリリースに至ります。

大まかにはこのような形ですが、プロジェクトによって異なります。アジャイルにスクラムでスプリントをゴリゴリ回しているところも、スペックのレビューフェーズを設けないで作りながら調整していくスタイルのところもあります。

いまのところ、各プロジェクトが自分達にあった進行方向を取っていると思います。社内でプロジェクトマネジメントをサポートする組織、アジャイルやリーンを広める組織もあります。ワークショップも頻繁に行なわれているので、今後社内の方向性が似通っていく可能性はあります。

――組織内にプロジェクトマネジメントをサポートしたり、アジャイルやリーンを広めている組織もあるなんてすごいですね。

片岡 ありがたいですよね。要望があった時に相談できる専門チームがあるので、思考が整理でき、アクションを起こしやすくなります。恵まれた環境だと思います。

――業務を行なう上で大事にしているモットーや、好きな言葉があれば教えてください

片岡 Respect&Challenge ですね。働いている仲間を尊敬し、大事にすることが大切だと思っています。

例えば当たり前のことなんですが、開発が終わってQAに回す際、QAしやすいように整えること。QA組織も少数精鋭なので、雑なテスト依頼をするとどうテストすれば良いのかわからなくなったり貴重な時間を無駄にしてしまいます。
「QAのメンバーにちゃんと情報共有しよう」「一緒に働いている仲間がいるんだよ」とか、部門を超えたプロジェクト全体でのリスペクトが大事だという話をよくメンバーとしています。

――ご自身の成長のために、日々行なっていることについてお伺い出来ればと思います。

片岡 自分の成長という観点では、関心があるのはプロジェクトマネジメントですね。いかにいいチームを作るか。スクラムに関する情報を収集して適用範囲を考えたり、開発プロセスについての研究を日々行なっています。

エンジニアとしても成長したい思いはありますが、自分の成長を重視してプロジェクトやメンバーの成長を妨げることはしたくないですね。チームが成長する過程で自分もエンジニアとして成長できていると感じます。

「マネージャーなんて要らない」と思っています

――御社の社内では、情報を得られる機会も多そうですね。

片岡 そうですね、会社主催のミートアップや勉強会の会場に使われることもよくあるので。社内勉強会や発表も頻繁にありますし、一緒に働くエンジニアのスキルレベルも高いです。例えば、プログラミングの言語仕様について詳しく知っている人がいるので隣席でお話を聴けたり。サーバー管理についても自分より長けている人がいますし、社内の人材から学ぶチャンスはたくさんあります。

社内のSlackチャンネルもオープンで、Techチャンネルが豊富にあります。興味あるものをたくさんウォッチして、活発なディスカッションを見たり、知りたいことがあれば質問したり。挙げればきりがないですね。どこに言及するのが適切なのかわからないほどです。

――伺うほど、望めばいろいろなものが手に入る環境なんだなと感じます。

片岡 リポジトリもSlackチャンネルもオープンで、どの人に相談すれば問題を解決してもらえるかも探しやすい環境ですね。世界を広げようと思えば、いくらでも広げられる環境だと思います。
 
――片岡さんはメンバーから入ってエンジニアリングマネージャーになったとのことですが、どのような経緯で現在のポジションになられたのでしょうか?

片岡 経緯について詳しくはわからないのですが、「なぜ自分が指名されたのか」は考えますね。もともと世話好きで、前職でもマネージャーでしたから。エンジニアの方は、マネジメント仕事が好きな人とそうでもない人に分かれると思います。お節介な人は割と少ないとも思うので、それで選ばれたのかなと思っています。

苦労したこととしては、ありきたりな話ですけど、マネジメントとプレイヤーとのバランスですね。リーダーとしてグループへの責任を持たねばならず、プレイヤーとして割ける時間は小さくなります。エンジニアとして、そこを納得するまでは時間がかかりました。

WEBエンジニアは、前例のない職種だと思っています。昔は「プログラマー35歳定年説」なんてありましたから。ただ、私にはWEBエンジニアが今後10年、20年で「こうすべき」という答えはありません。また、エンジニアリングに関わる上でどうしてもプレイヤーとしての技術は必要だと思うんですね。そのあたりは、キャリアの作り方についてマネージャーになってからもっと考えるようになりました。

――伺っていて、社内でも片岡さんのキャリアの積み方をロールモデルとして見ている人はいらっしゃるんじゃないかと思いました。

片岡 そうだったら嬉しいですね。ただ、基本的に私はマネージャーなんて要らないと思っているので。いなくても率先して動ける人と働くのが楽しいです。私自身よりは、私が目指しているチームがロールモデルになってほしいと思います。

――最後に「こういう人と一緒に働きたい」「こんなことを成し遂げたい」という思いを教えてください。

片岡 一緒に働きたいのはサービス開発に興味があり、それにやりがいを感じてくれる人ですね。私がこのインタビューにアサインされたのも、これを伝えることが背景だと思います。

もちろん、LINEで使われている技術や仕事の背景に興味を持っていただくことも素晴らしいと思います。大量のトラフィックがあり、分析データがあり、たくさんのデータを効率よく扱うチャレンジができる。それは面白いと思いますが、そこだけにフォーカスするのではなくて。

LINEのような社会に大きなインパクトがあるサービスをリリースすることに喜びを感じ、一緒に成長する仲間と一緒に働きたいです。私自身、サービス開発がすごく好きで。リリースした製品がたくさんのユーザーに届き、ちょっと便利になったとか、「こんなことができるなんて」と感じてもらえることに楽しみを感じています。同じような気持ちを持つ人と、熱量をもってサービス開発ができたらと思います。

<了>

ライター:澤山大輔


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