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「クラウドには、めちゃくちゃチャンスがあるんですよ」浅沼敬(株式会社IDCフロンティア)後編

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「移籍したら、すぐに活躍できる」くらいの自信を

――浅沼さんが成長のため、日々行なっていることを教えていただけますでしょうか。

浅沼 日々行なうことの前提に、「自分は何のプロフェッショナルになるのか」という自覚が必要だと思います。そこにフォーカスを定めて、強く思ってほしいですね。

ツイッターを見ていると、転職やキャリアアップ、スキル獲得の文脈で「フルスタック」という言葉を多く使われているのを見ます。でも、果たしてフルスタックになること、キャリアアップすることをどこまで真剣に考えているのかなと思うことがありますね。

プロフェッショナルと呼ばれるレベルに行くには、数カ月ではきかないと思うんです。いくつかの技術に対して数年、ひょっとしたら10年かかるケースもあると思います。実際、前編で紹介した60歳を超える先輩方も、長年すごい量の研鑽を積んであの領域に達したわけです。安易に技術選択を変えたり、環境を変えることが成長に繋がるかは疑問です。

まずは「自分が何のプロになるか」。フォーカスを定めて、強く思うこと。それが非常に大事だと思います。

――その自覚があって、初めて成長に対するモチベーションがわくのだと。

浅沼 そう思います。フルスタックという言葉を、安易に使うべきではない。広い技術範囲の中で、自分はまずどこに貢献したいのか、できるのかを考えるべきではないかと。

私はサーバーサイドとインフラが中心のキャリアを積んで来ました。これまでは技術を使う側中心だったなと振り返って思います。今は、技術の提供者として貢献したい思いを強く持つことができ、コンテナという技術にフォーカスしました。でも、コンテナの本を読むだけではプロフェッショナルの領域には行けません。コンテナを支えるオープンソース、その周辺にある技術も理解し、コードを読み、自分で手を動かして開発し、日々研鑽する。そのプロセスが必要です。

昨日もKubernetesのソースコードをローカルに持ってきて書き換え、どう動くか確かめたりしていました。それぐらいの努力をしないと、この業界はリードできないと思うんですね。エンジニアとして成長したいなら、そこまでやるべきだと思います。

もちろん「やりがいを感じるために自社サービスを手がけたい」という方も大歓迎です。ただ、もう一歩踏み込んでエンジニアとしてなりたい姿を定め、「この技術では自分が一番」という状態を作り、「移籍したらすぐに活躍できる」ぐらいの自信を持ってほしいですね。

自分がもし転職するとしても同じです、「この分野ではすごく頑張った、日本で一番だ」という状態を目指したいです。そのために、ゴールデンウィークは半分を読書とオープンソースコードのリーディングに当てました。後半は山にこもって、ホテルから一歩も出ずに温泉に浸かっていましたが(笑)。

――すごい!

浅沼 やっぱり、マネジメントもエンジニアリングも成長したいですから。両方とも頑張れるチャンスが今なんだと思っています。インプット・アウトプットの一環として、自分からカンファレンスに申し込み、登壇し、プレゼンするまで完結するようにしています。トップを走っている人たちは、皆このレベルの努力はしていると思います。早く追いつきたいですね。

カンファレンス参加で重要なのは、コミュニティに入ること

――ところで、「サンフランシスコのエピソードがある」と伺っていますがどのようなものなのでしょう?

浅沼 サンフランシスコ!(笑) 自分が行ったほうと、メンバーが行ったほう両方ありますがどちらにしますか?

――両方ともお願いします(笑)。

浅沼 承知しました、まずは僕が行ったほうです。転職前、機会があってGoogle本社に行ったんですね。 

当時、あるプロダクトの開発をしているメンバーと技術やマネジメントについてディスカッションできる機会を得ました。すごく刺激になりましたね、技術に対する考え方も、質問に対する答えも想像以上に斜め上でした。「そうはいってもマネジメントは必要じゃないですか?」と言ったら「必要だけど、チームの中から一本釣りするだけだよ」とか。エンジニアリング、キャリア双方を考えるうえで、とても刺激をもらいました。

これは、先輩からもらったチャンスなんです。「見学にいけよ、名前は入れておいたぞ。今すぐESTA申請しろ」なんて言われて。準備は大変でしたが、参加する機会を得たことにとても感謝しています。

――同じようなことが、部下の方にもあったそうですね。

浅沼 そうです。これはメンバーが行った方の話ですね。

この間、GoogleCloudNextのイベントにあるメンバーが参加したのですが、戻ってくるなり「コンテナの運用、やりたいです!」と言ってきました。思惑通りです(笑)。

彼はすでに目標が100パーセント埋まっているのですが、「上積みします、120パーセントでやります!」と言ってくれて。カンファレンスはすごく熱気があり、同じぐらいの年齢のエンジニアがコンテナについて熱心に話しているのを見て、すっかり影響されたようです。

重要なのは、カンファレンスの内容を聞いてレポートするだけでなく、来場者のコミュニティに入っていくことです。

ある若手エンジニアが福岡出張を入れていたんですが、当日に福岡入りし最終便で帰京するスケジュールを組んでいたんですね。セッションのみの参加はもったいない、だから「前夜祭は絶対に行き、アフターパーティーにも顔を出しなさい」と伝えました。

案の定、パーティで大きな刺激を受けたようですね。彼と同年代で、コミッターとしてバリバリ活躍している人たちが開発者コミュニティにはいますから。

――素晴らしい環境ですね。社内には刺激的な人材がおり、社外への知見に対してもオープンであると。

浅沼 グイグイ行ってますね、グイグイ(笑)。息切れだけはしないよう注意しています。

クラウドは、成熟市場では全くありません

――最後に、「こんな人と一緒に働きたい」という思いをお聞かせください。

浅沼 いろいろな人と働きたいですが、個人的には理想のエンジニア像やインフラ、クラウドについての話を飽きずにできる人なら大歓迎ですね。

この間も部署のメンバー20名とショールームにいき、5Gサービスの展示を見てきました。それからコーヒーを飲みつつ「5Gを使って何ができるか」を話していたんですが、会話が止まらないんです。

世の中の生活やシステムは、どんどん変わっていきます。それに対して楽しく想像ができて、技術力で裏付けて、実現したい熱意がある。そういう人たちと働けて、嬉しく思っています。今後入ってくるメンバーも、そういう方なら良いですね。

クラウドって、めちゃくちゃチャンスがあるんですよ。AWS、Google、マイクロソフト、アリババなど世界的なプレイヤーがひしめいていますが、それでも毎年大きなチャンスが生まれている。寡占されていないんです。サーバレスが典型ですが、発想や仕組みを少し変えるだけで全然見えるものが変わってきます。

通信のクラウドも始まりました。この市場は、全く成熟していません。これからもオープンソースを起点に、予想もつかないことが起こるでしょう。

――ゼロイチの環境に飛び込みたい人には、うってつけですね。そして、そのためのサポート体制もあると。

浅沼 あります。未熟でも、思いを持っていて、成長していきたい人ならいくらでもチャンスがあります。トッププレイヤーだけを欲しているわけではありません。

実際、今年採用した方にも第二新卒に近い方がいました。ほぼ未経験で、採用面で正直迷いました。決め手になったのは、面接で感じた意欲の高さです。知らない言語を独学で学習し、プロダクトを作り、「東京に来たらRailsの勉強会で登壇したい」と仰ってたんです。

ここまで成長したいと思っている人は、やっぱり伸びますね。入社当初は苦労していましたが、現在はどんどん吸収して成長しています。週報を見ても、楽しそうにしてますね。毎週毎週新しいことがあり、インプット・アウトプットできる環境があると。

このように成長を楽しめる人であれば、一緒に働ける環境だと思います。

<了>

ライター:澤山大輔


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