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「AIに関して、世間とのずれが解消されてきたのかなと」内田興輔(パーソルプロセス&テクノロジー株式会社)〜Forkwell エンジニア成分研究所

「人・プロセスデザイン・テクノロジー」という3つの力によってビジネスプロセスの変革を促し、人と組織の成長創造インフラを担うことを目標とする会社、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社。

同社が主軸の一つとして提供しているサービスが、AIやIoTを代表するようなテクノロジー活用です。

今回は、その機械学習エンジニアから3名の方に登場いただきます。第1回の今回は、内田興輔さんです。

無から何かを作り出すのは、難しい

――今回、本連載では初めてのインタビューとなります。貴社がどういう会社なのか、ご紹介いただいてもよろしいでしょうか。

内田 弊社は大企業なので、いろいろ部署があります。手広く人材サービスを作っているところがあったり、人材管理システムを作っている部署があったり。また、人材関連のシステムに限らず多様なサービスを展開しています。

その中で、私が担当しているのはAI関連になります。最近はQ&Aのチャットボットシステムや、動画解析システムを主に担当しています。

――動画解析システムとは、どういったものですか? 

内田 動画の中に映っている人の顔を検出して、だいたいどれくらいの年齢か、男性か女性かなどを解析し、データ化してお客様に活用していただくものです。

主に使われている場所は、ライブ会場ですね。スタジアムを使ったライブやフェスで、入場口にカメラを付け、大体どんな傾向の人が来ていたかかをカウントします。

こうした技術が世間的に認知を得てきたことで、世間と技術者が思うAIとのずれが小さくなってきている気がしますね。

昔だと、一般の人が思うイメージはそれこそ「ドラえもん」とか(笑)。何でもできる魔法のツール、みたいなものだったんですけど、できないことのすり合わせができてきたというか。

私たちは主にBtoBのサービスを展開する会社なのですが、お客様にも共通イメージが浸透してきた感覚があります。現実的にどういうシーンに活用できるか、という会話が増えてきた印象ですね。

――機械学習でできることは、どういうことなんでしょうか? 

内田 できることは、本当に多岐に渡ります。逆に、できないことは人間みたいに「無から何かを作り出す」ですね。

分析結果を出すことは得意なんですが、まっさらの状態から家を建てることは現状できません。そこができるようになると、ドラえもんみたいなAIが生まれてくるのかな、と思います。

福岡に、帰りたくなくなったんです

内田 大学は、情報工学部に所属していました。4年次は、Javaを専門にする研究室に入ってプログラミングをやりました。卒論も1個のソフトをJavaで組み上げて、それで卒業した感じです。

――最初はどちらの会社に入られたんですか? 

内田 地元が福岡なので、福岡に本社があるIT会社に入りました。ただ、当時リーマンショックがあって。「仕事がない、東京に行け」と言われて上京し、そこから10年くらい東京在住です。

途中から、福岡に帰りたくなくなったんです。東京は面白い仕事が多いですし、最新の技術を扱う案件が多いですから。

――東京では、どんな仕事をやられていたんですか? 

内田 2、3年目までインフラをやっていました。ただ、大学でずっとプログラミングをやってきたこともあって。最初は指示されていた事をやっていたのですが、慣れてきた段階で「やはりプログラミングをやりたい」と上司に伝えたんです。

ちょうど自社サービスを作ろうとしていたタイミングだったので、そこにアサインしてもらって。そこから、辞めるまでずっと自社サービスの開発・構築・運用をやっていました。

――今までのお仕事で「これは大変だったな」というものは何ですか? 

内田 自社サービスで客先の会社のID管理をするツールを担当したのですが、リリース後にいろいろ問題があってうまくいかなかったんですね。

その時は、土日もなくずっと作業をしました。結果、稼働時間が多くなりすぎて、10月くらいで一年の残業時間の上限に到達してしまって。

前の会社は上場企業だったので、720時間を超えたら残業を付けることができないんですね。そこから、ずっと定時に帰るようになりました。

――定時に帰って、本当に何もせず?

内田 本当にわからない所は問い合わせが来るんですけど、さすがにガッツリと仕事はできないですね。不幸中の幸いとしては、規定時間に到達したのはちょうど火を消し終わった頃でした。そこは、タイミングがよかったですね。

AI領域で、様々な提案ができるようになりたい

――パーソルプロセス&テクノロジーさんに転職しよう、と思った理由は何だったんですか? 

内田 一つは、前職時代から尊敬する上司がこちらに移って、声をかけていただいたことですね。いろいろやりたい事が合致した結果、拾っていただきました。前職では新しい方向に舵を切る事ができなくなってきていたので、「それなら新しい所に行こう」と思って。

――前職には10年勤められたそうですが、それだけ長く勤められた理由というのは何だったんですか? 

内田 上記の、尊敬する上司がいたからですね。すごくレベルの高いエンジニアでしたし、前職では事業部長まで行った方です。現在は会社をおこして一人でやっておられるんですが、たまに飲みに行ったりもします。

前職では、いろいろなことを自由にやらせていただきました。会社としてライセンス契約をしていたので、契約を結べていればお金が入ってくるんですね。納品ベースでお金が入る会社よりも自由がきく部分が多かったこともあり、前の会社にずっといた部分があります。

新しい技術も、いろいろ試せました。うまくいけば既存のサービスに機能追加としていく流れもあり、充実したエンジニア人生を送れましたね。結果的には、立ちいかなくなってきて転職を選んだんですけど。

――それを踏まえて、今は充実されていますか? 

内田 充実しています。「AIをやりたい」と言って入社させてもらいましたが、もともと私はwebサービスのエンジニアで、AIをやってきたわけではないんですよね。

AI知識だけで言えば、能力は低いわけです。それでも採用していただいて、いろいろな案件に携わらせていただいて。すごく勉強させてもらってます。

今いるグループも、AIやデータサイエンスに特化した方が多いので刺激をもらっています。わからないことがあればすぐに聞けますし、「こういう方策でやってみたら?」とアドバイスをもらえる。恵まれた環境だと思いますね。

――今後、こういうエンジニアになりたいという理想像はありますか? 

内田 お客様の課題に対し、AIを通じていろいろなアプローチをとれるエンジニアになることが当面の目標です。今は、自分の中に提供できる手法がまだまだ少ないので。いろいろな提案ができたうえで、「この手法に一番大きなメリットがあります」と言えたら良いのかな、と思います。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

――業務を行なう上で、大事にしているモットーや好きな言葉があれば教えてください。

内田 山本五十六さんの言葉で「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」ですね。

自分ができない事を指示するわけにはいかないですから。そういう方の下でやって、大変な目にあったこともあります。

できれば、僕の下に付く人にそういう思いをしてほしくない。スケジュール内に終わらなかったり品質が保てなかったりすると、お客さんに迷惑がかかりますから。

――ありがとうございます。ご自身の成長の為に日々行なっている事を教えてください。

内田 最近はAI系の新しい分野をやっているので、技術書やオライリーを読んだり、実際に手を動かしてみたり。ちょっとでもやるようにはしています。

無料で使えるGoogle Colaboratoryなど手を動かせる環境もありますし、社内でAzureのアカウントを発行してもらったりしているので。環境は充実しているので、いろいろ試したいですね。

会社より、そこにいる人に重きを置きたい

――ここからは、内田さんが働く上で大切にしていることについて、「事業内容」「仲間」「会社愛」「お金」「専門性向上」「働き方自由度」の6つの項目から合計20点になるよう、点数を振り分けていただきます。 

・専門性向上:5

技術を磨いていかないと。同じことをやっていても取り残されますし、自分も成長しないのでそこは重要かなと思っています。

・仲間:5

一人でやるプロジェクトなら良いと思いますが、チームだとコミュニケーションや仲間を尊重することが大事ですよね。メンバーが欠けたら大変なことですし、教えてもらうことも教えることもある。シナジーを出せて成果を上げられれば一番良いと思います。

・お金:4

給料という話であればそれほどこだわりは無いんですけど、ゼロでは困る。最低限を貰いつつ、あとはちょっとフェス行くお金を貰いつつ(笑)。重要ではあるけどマストではないですね。仲間とか専門性向上と比べると若干低いかな、という感じです。

・事業内容:3

WebエンジニアからAIに来たように、僕にとって今この会社の方向性がなりたいエンジニア像とか、なりたい技術に沿っていることは外せない要素です。

・働き方自由度:3

来年、オリンピックがあるじゃないですか。そうなると、在宅の自由度があった方がWIN-WINだと思うんです。通勤って大変なんですよね、遅延とかあると余計に。

お客さんから「データを御社内から出さないでください」と言われるなら別ですけど、そうでないならばどこで開発しても良いわけで。

会議があったり、対面でお客さんが来る場合は別ですが、そうじゃない時って家で仕事しても良いわけですよね。そこの自由度は必要なのかな、と思います。

・会社愛:0

ゼロと書くとやや語弊もありますが(笑)、これは「会社というより、そこにいる人やお客さんの方に心の重きを置いた方が良い」という判断からつけた点数ですね。今いる会社に愛着がないというわけではありません。

世間的にも、フリーランスのエンジニアは増えてきました。そもそも、エンジニアは自分に合った働き方をするのが一番良いという勝手な持論を持っています。

――最後に、キャリアに悩むエンジニアの方々にメッセージを頂けますでしょうか。

内田 さっきの話にも通じるんですが、別に「転職しなきゃ」という決まりもないですし、フリーランスでやろうとしたらできる仕組みもある。

自分に合った働き方を選べば良いんじゃないかなと思います。ストレスを感じず案件に取り組める方を選べたら。

――そして「はたらいて、笑おう」と。

内田 (笑)そうですね。働いて笑えたらいいです。好きなんですよね、このキャッチフレーズ。

<了>

ライター:澤山大輔


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